『本を読むことに喜びを見いだしたのが何時だったか、キミは覚えているかな?』
『ある日の書店で。図書館で。楽しい本を探すべく、日が暮れるまで歩き回ったことはあるかな?』
『手にした本のページを、胸をときめかせながらゆっくりとめくり、心地良
い時を過ごしたことはあるかな?』
『書を好む人間は誰もが求めている』
『自分の内側を、余すことなく満たす言の葉を』
『己の世界を塗り替えるほどに、チカラの籠もった言の葉を……』
作家志望の高校生・浦賀 文弥の前に突如現れた奇妙な女性・ヨミ。蒐書家を名乗る彼女に促されるまま、彼は一冊の本を渡される。それを読んだ翌日のこと、文弥は何故か“幽霊”が見えるようになっていた。
いまひとつ緊張感に欠ける幽霊や妖怪たちに振り回される文弥だが、それはまだ“変化”の序章にすぎなかった。
それは世界すら塗り替えるチカラを有した物語。現実を呑み込み、読み手を内側から組み換える“運命の一作”。
その担い手となった文弥の日常は大きなうねりをみせはじめる。
読み解き、謎解き、書き尽くす。作家と読者が交差する、読解系現代ファンタジー。
※小説投稿初心者です。至らない部分もあるかと思いますが、生暖かい目でご覧ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-01-02 00:00:00
57828文字
会話率:32%