「エレノア! お前との婚約を破棄させてもらう!」
お屋敷を訪れて開口一番、私は婚約者であるシドラ様にそんなことを告げられた。
(ああ、やっぱりこうなったのね……)
特に驚きはしなかった。ショックを受けていないと言えば嘘になるけど、
なんとなくこうなる予感があったからだ。
なにせシドラ様は私の家の領地まで「グリュイエールのバカ息子」という、不名誉極まりない渾名が届くほどにアレな人である。
侯爵家の仕事をほっぽり出して遊び惚けているとか、女遊びがひどいとか、そんな噂もよく耳にしている。
私のような貧乏子爵の家に生まれた女をわざわざ婚約者に指名したのも、シドラ様が参加した夜会でたまたま目についた私の容姿が、彼の好みだったからなどとまことしやかに囁かれていることも知っていた。
つまり私がシドラ様の婚約者になれたのはあの方の好色によるものであり、数多くの女性と色恋沙汰を繰り返していると言われるシドラ様なら、更に自分好みの女性を見初めていたとしてもおかしくはないということである。
だから別の女性と一緒になるために、彼が婚約破棄を告げてきてもおかしくはないのだろう。
そう思い受け入れようとしていたのだけど……あれ、なんか様子がおかしくないです?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-12 16:30:36
5286文字
会話率:41%
前作の翌日の話です。
優秀な幼なじみが魔王討伐に行くと思っていた少年がつけている日記。
ここから彼の地獄は始まる。
最終更新:2021-01-12 16:15:27
1631文字
会話率:0%
今日も王太子様はお城の中を日課の散歩に出かけています。
さて、今回はどんな素敵な出会いが王太子様を待っているのでしょうか。
(続き物ではありますが前作を見ていなくても全く問題ありません)
※後味があまりよろしくないので閲覧にはご注意くださ
い。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-21 00:13:45
7301文字
会話率:39%