某高校の部員四名の文芸部。
ある日、部員のひとりアマチュアなろう作家スミが、異世界転移に成功した。
残された三人の部員――ライト文芸好きのレンリ、純文学マニアのミョー、本は読まないがロックンロールのハートを持ったキッちゃん。
スミの力説す
る異世界もののよさはさっぱりわからなかったが、さすがに異世界に行かれてはと、三人もスミのあとを追う。
異世界転移先の世界は、王道ファンタジーRPGのような世界だった。
そこで衝撃の事実が判明する――スミはこの世界ですでに魔王軍の一員となっていたのだった。
「魔王軍。人の価値観はそれぞれだから、それを僕が一概に悪いと断定することはできない。
けどね、僕はこの広い世界の隅で思うよ。スミ、おまえはどうして、そんなことをしてしまったんだ。
俺たちの知らない心の闇を、きっと、おまえも抱えていた――気づくのが遅くなって、ゴメン。親友」
「兎角魔王というのは厄介な代物でありましてつまりしてそれは何を魔となすのか。魔といいますけどもわたしにはそんなに魔ということがピンとこない。魔であればいけなかろうか? そういうのをお得意のセンチメンタリズムで庇うことに、唾棄、唾棄唾棄唾棄。」
「きょうの、アタシにっき。スミさん、だいじょぶかな(あせあせ絵文字)
スミさんのハートはMaybe、バーニング。アタシたちの未来はナッシング?(なんてね。笑。でも、少女たちに明日は、あるよね・・・)」
「あああああもおおお、うるせえ!!! 某高校文芸部に告ぐ、もうほんっとそゆとこだろうがよおぉ!
どうしても俺様を現実世界に連れ戻したいのであればなぁ――小説投稿魔術『ワナビーノベリスト』で、俺様を抜いてみやがれ!!!!!!!」
「「「……えー、けっきょく異世界でも文芸部活動するってこと???」」」
その通り。
某高校文芸部員たちは、「ワナビーノベリスト」にノベリスト見習いとして登録。
評価ポイントがそのまま【筆力】となる法則のもと、冒険をしていく。
冒険の旅で感じたことを、それぞれのスタイルで記録していく部員たちの小説は、やがてすこしずつ人気が出始め、【筆力】が上がっていく。
そしてやがて、
「ジャンル」に固執していた四名の部員の考えが、大幅に変わっていく。
これは、ただ文芸部なだけの、冒険そして成長の王道ファンタジーである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-12-14 12:00:00
1615文字
会話率:72%