深夜、
あるラジオ番組が終わろうとしていた。
ナビゲーターは黒島ユリカ。
「私は、最期までリスナーの皆さんとともにあります」
生放送でお送りします。
最終更新:2025-04-26 23:34:13
2724文字
会話率:19%
またそうやってすぐ自分を不幸せに見立てるの?彼と彼女と私とあなた、一体何が違うっていうの?それでみんなは平気なの?自分がみじめだと思わないの?自分がちゃんと生きてるって自信はどこから出てくるの?みんなもう倒れたいんじゃないの?その後に抱き締
めてくれる誰かが欲しいんじゃないの?なんで声に出さないで心の奥に押し込む事が出来るの?それともみんな辛い時だけ目をつぶってるの?日々の忙しさや疲れを免罪符にして考えるのを止めているの?こんなにも確かに在る疑問を、なんで誰一人として口に出さないの?口に出した時に、変な目で見られるのが怖いから言わないの?「そんなのみんな一緒だよ」とか言われて一蹴されるのが嫌だから言わないの?そうやってみんなこの思いを忘れていくの?単なる時間だけで?みんなは時間だけで忘れられる程、その思いは小さいの?それともその思いを抱く事に飽きちゃうの?同じ思いの繰り返しだから薄れていっちゃうの?ねぇ。みんな思ってるんでしょ?今は思ってなくても、前はあったんでしょ?なんでなくしてしまったの?この思いが無くなって、あなたのなかで何かが変わったの?変わってないんでしょ?本当はさ?まだあるんでしょ?何かで蓋をしてるだけなんでしょ?でも、もう蓋を開けられないんでしょ?何か違う事に意識が行く様になったから、蓋をしたんでしょ?そして蓋が自然と重くなったんでしょ?その蓋が閉じられた状態で、あなたは本当のあなたって言えるの?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-09-21 03:35:27
14267文字
会話率:17%