「こんなことあるんだなぁ……」
その男はわざと間抜けな声でそう言った。天井を見つめて口を開け、さものんびり屋のように。しかし、心臓の鼓動は速まったままだ。見開いた目はやや血走っていて、鼻はぷっくりと膨らみ、呼吸もまた荒くなった。
彼は
腕をつねり、太ももをバンバンと叩き、夢ではないことを何度も確かめた。
「落ち着け、落ち着け……いや、おおぉぉぉ!」
先ほどまでボロアパートの一室にいたのが信じられない。見上げていたその天井は高く、そして広かった。とうとう堪えきれずに上げた雄叫びは、広々とした室内に木霊し、それが彼をさらに興奮させた。
魔法のランプ。ある夜、まさにお伽噺に出てくるような古びたランプをゴミ捨て場で見つけた彼はそれを持ち帰り、そして朝になってから磨いた。職に就いておらず、暇を持て余していた彼は、現実逃避のために何かに没頭したかったのだ。
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最終更新:2024-08-08 11:00:00
1779文字
会話率:56%
ストレス。
それを溜めるものが避けがたいとき、あなたはどうしますか?
最終更新:2021-02-12 22:00:00
3687文字
会話率:0%
子供たちの遊戯。二人で向かい合って、「いたちごっこ、ねずみごっこ」と唱えながら互いに相手の甲をつねりながら順に重ねていく遊び。この遊びはきりがないことから、双方で同じようなことの繰り返しで、いつまでも埒のあかないことともいわれる。
最終更新:2016-02-11 17:22:16
2596文字
会話率:34%