その気になれば魔王すら倒せる才能を有した“勇者の末裔”と呼ばれる男がこの世に存在した。
名を『ユリウス・アストレア』という。
この若き逸材には村の人々から多大なる期待が寄せられていた。
ある村人曰く「魔王を倒すのは彼しかいない」と。
だが、今となってはそれも過去の話――
「ユーリ! 早く魔王を倒しに行きなさい! あなたいつまで無職でいるつもりなの!?」
「そのうち倒しますよ。今はまだその時じゃないんです」
「またそんなこと言って! もうかれこれ五年も何もしてないじゃない! ご近所の目もあるんだからちゃんとしないさい!」
クズニートの彼にとっては世界の安寧を脅かす魔王軍の凶行も我関せずの知らんぷり。
どっかの誰かが何とかしてくれるだろうと悠長なことを言いながら今日も今日とてのんべんだらきと食っちゃ寝ライフ。
レベル上げもろくにしなければ剣の鍛錬もまったくやらない。
一族に代々受け継がれてきた神剣『デュランダル』も今となっては家の倉庫で埃をかぶって久しい今日この頃。
だが、そんな彼のニートライフも遂に終わりを迎えることになる。
とうとうキレた母親によって彼は無理やり家から追い出されるハメになったのだ。
そして、安息の地を奪われた彼は今度こそ重い腰を上げて魔王討伐の旅に出るのかと思いきや……
社会不適合者によるいつまで経っても魔王を倒しに行かない系ファンタジー、ここに開幕!
~著者より~
本作はファンタジー世界を舞台にしたコメディ色強めの作品となります。
クズで怠惰で女好きで金遣いの荒い上にちょっとマザコン入ってる主人公とその仲間たちが織りなす面白おかしな冒険を書いていきたいと思います。
ヒロインは曲がった事とハレンチなことを許さない堅物お巡りさん。紳士なお兄ちゃん達の保護欲を激しく掻き立てる確信犯的妹キャラ。パンがなければケーキを食べればいいじゃないを地で行く高飛車お嬢様の三人となります。
どうぞお楽しみくださいませ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-11 20:00:00
62893文字
会話率:56%
男子高校生の幼稚園から高校生までの話。
幼なじみとの恋愛や友人関係が話の中心。
最初から最後まで主人公の主観です。
主人公、佐山匠はある女の子に告白しようと思うところから話は始まる。
最終更新:2016-03-25 15:00:00
6550文字
会話率:9%