僕はどこにでもいるような平凡な人間で。彼は物語の主役となるべき人間で。端役の僕が、彼の物語をよりよく彩るのは当然のことである。
それが例え傍から見れば、悪役が主人公にあくどい手段で自分のものとする物語であったとしても、僕にとってはヒーロ
ーとヒロインとが結ばれるための布石でしかなかったのだから。
これは僕が僕のために彼の幸福を追求する物語であり、僕が書いた物語が破綻する話でもある。
好きな男の為ならば何でもやってのける系有能自信皆無の主人公が、あれやこれやとやらかした挙句に自滅する話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-05-21 18:37:27
14454文字
会話率:13%