高校受験に失敗した俺こと|籠内武巳《かごなか たけみ》は、この世とおさらばするため自身の住むマンションの屋上にいた。
身を投げた俺の目の前に現れた謎の幼女・エウ。彼女は俺の身投げを阻止したばかりか、とうてい合格不可能な超難関名門校の受
験を強要する。一方的な叱咤、熱血指導という名の暴力が俺の身にふりかかる。
そんな中、エウと同族の幼女が出現する。彼女の名はルナ。エウとは対照的に優しく温和で、サイズこそ小さいが大人っぽい色香を纏っていた。そんなルナが俺に専属契約を迫る。彼女のパートナーになれば、歴史上の暴君、独裁者が欲してやまない『世界を思うがままに蹂躙する力』を手にできるらしい。
俺はルナと契約を結ぶ。同時にエウが消え失せた。
世界は変わった。しかし、それに俺は馴染めない。疑問符が大量発生し、釈然としないのだ。
そんな俺にルナは苛立ち、凶悪な本性を露にする。次に消滅するのは俺だと覚悟を決めたとき、頭上に救世主が現れた。エウだ。エウは『魂結びの糸』なる秘技を使い、俺の中に潜んでいたのである。そして、古よりの因縁からエウとルナが激突する。
不確かな現実は消失し、確固たる現実が誕生した。
その現実の中ではエウは人間の幼女であった。なぜか俺の妹となるが、暴力性は相変わらずで、以前と同様に合格不可能な超難関名門校の受験を強要する。
三月の卒業式。生まれ変わった『俺』の人生が始まった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-23 11:05:20
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