都にはちかごろ夜乞叉がでる。美しい女君の姿をした鬼だ。
すでに四人が殺された。
帝は、右中将藤原俊之(としゆき)に夜乞叉退治を命じた。
どうも、五年前に自殺した藤原家周の御霊が事件に関わっているらしい。一族の氏長者の地位を奪われた、
その恨みを晴らすべく、自分を陥れた者たちを血祭りにあげているというのだ。
俊之は大の妖霊嫌いで、当然のごとくお役目には乗り気でない。
幼なじみの姫と駆け落ちをもくろむが、朱音(あかね)は陰陽頭の安倍康晴の一人娘。「術を解除する」術では、一族いちという逸材だ。術を使うには口づけが必須で、年頃の娘としてはそれが難と言えば難ではある。
二人そろって夜乞叉退治をすることになるが……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-04-02 05:23:31
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会話率:45%