『青薔薇の聖騎士』ロゼッタは、どうしようも無く込み上げる衝動に苦悶していた。
何度着ても恥ずかしさが薄れることがない青いレオタードの甲冑は、震える脚を惜しげもなく民衆に晒してしまう。
涙目に貼り付けた精一杯の虚勢は、今にも泣き顔に変
わってしまいそうだ。
自身の戦勝を祝う凱旋パレードの待っだ中で、ロゼッタは耐え難い尿意に襲われていた。
――これは、ジュエリアス王国の若き筆頭聖騎士、ロゼッタ・アズライトを襲った、金色の悲劇の話である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-28 12:32:25
26206文字
会話率:11%
俺の名前は……なんでもいいか。
大陸最大の国家の一つ、ノイングラート帝国の諜報員だ。
今は国内で密かに活動している犯罪組織――所謂『悪の秘密結社』って奴に潜入している。
仕事は順調なんだが、下っ端は自由に外出できなくてな。
仲
間と連絡は取れないし……正直暇だ。
そんな俺の数少ない楽しみであるヒューマンウォッチングなんだが、最近、それに新たなエッセンスが加わった。
理由も原因もわからないが、いつの頃からか、見えるようになっちまったんだ。
――膀胱の、中身が。
これは、他人の尿意が見えるようになった男が、新しい扉を開く物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-16 18:31:42
11119文字
会話率:19%