井沢八郎さんの 「あゝ上野駅」の1970年は、まだ景気が良く、中学卒業者
の求人倍率も5倍と高く、「金の卵」と呼ばれてもてはやされた。
この小説の主人公の犬山重臣「いぬやましげおみ」は山梨県の山深い、
山村で1954・昭和29年7月22日に
犬山家の「女2人、男2人」4人兄弟
の末っ子、3男として生まれた。食糧事情は改善されて、食べるものが、
やっと手に入る時代になった。犬山家では、犬山重臣の姉が、小さいときから
ソロバンを習っていてコンクールで優勝するほどの腕を持っていた。
そのため、犬山重臣も教えられ、ソロバンの達人になり、数学、特に
計算の速さは群を抜いていた。そこで、集団就職の時も、中卒にも
かかわらず、三鷹の「イトーヨーカ堂の経理部」に採用されて、毎日、
売上計算の検算係を命ぜられて、働き始めた。その後、縁あって、
この近所での名門の木下家の娘さんと結婚することになり、彼の
心の優しさと、面倒見の良さで、多くの友人が出来て、やがて、木下家の
義理の両親が亡くなった。その後、木下家に入り、裕福でない姉の吉田和子
夫妻を住まわせ、次に、自分の息子、犬山良男と奥さんの麗子さん、
孫の犬山寛太君と犬山範子ちゃんを呼んで、住まわせた。
最後に、マレーシア・コタキナバルで知り合った、木島輝彦、葉子さん
夫妻が、実の子供との諍いで、住む所に困っている事を聞き、一緒に
住むようにしてあげた。そうして、大きな木下家で合計8人の共同生活を
始めた。その後、年月が経ち、義理の父母が亡くなり、高齢の仲間が、
病に倒れたり、息子の大怪我など、幾多の試練と困難を乗り越えていく、
生き様を描いた小説です。是非、ご覧下さい。
もしかして、この主人公が、あなたの家の近くに住んでる人かも
知れませんよ・・・。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-01-28 14:35:36
131170文字
会話率:1%