「ちょっ、誤解を生むような言い方すんなし! アタシはその……え、えっちなのとか、よくわかんないだけだから!」
――〝樋山 春華那(ひやま はるかな)〟、それが俺の幼馴染の名前だ。
学校ではちょっと派手な格好をしてるギャルだけど、誰
に対しても優しく接して性格も明るい。
そんな彼女はクラスの人気者で、常に友達に囲まれている。
対する俺こと胡桃沢 知晶(くるみざわ ちあき)は――ゲームとアニメ(あとエロゲと薄い本も少々)が生き甲斐で友達も少ない、所謂ヲタク。
クラスでも地味な存在で女子たちともほとんど会話しない俺だが、春華那だけはいつも気さくに話しかけてくれる。
おまけに俺のヲタク趣味を見慣れてしまったせいか、彼女は「趣味なんて自由っしょ?」と世のヲタクに偏見も苦手意識もないらしい。
俺にとってそんな春華那は唯一気を許せる女友達であり、一番の親友でもあった。
しかし――ある日、春華那から衝撃の相談を受けてしまう。
「えと……ちーくんってHな本とかゲームとか持ってるんだよね……? お、幼馴染を助けると思って、アタシにHなこと教えてくんない!?」
「お前はなにを言ってるんだ!?」
なんでも、ギャル友達から性的な話題を振られて全くついていけなかったのが悔しかったとか。
しかし性の話なんて恥ずかしくて誰にも相談できず、困り果てて幼馴染の俺を頼ってきたようだ。
いや、俺だってそんな相談されても困るんですけど?
エロゲや薄い本なんて見せたら間違った知識が身に付くし……
頭を抱える俺。
――けれどこの出来事を境に、俺と春華那の関係は少しずつ変化していって……
※比較的短い話数で終わる予定です。軽い気持ちでお読みください。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-13 12:00:00
6040文字
会話率:30%