自称死神の少女穂村螢(ほむらけい)は、相棒の白い雑種犬ハチと共に悪霊を浄化し、彷徨える魂を彼岸に送ることを生業としていた。
だが、現在。彼女の隣から相棒ハチの姿は消え、その身は死神からほど遠い”バケモノ”と化した。
理由は1か月前のある日に
遡る。
その日、一人で彷徨える魂の様子を見に行った螢が、ねぐらにしている寂れた祠に帰って来た時に見たものは、神籬へと閉じ込められて攫われるハチの姿だった。相棒のハチが持つ神の力を半分借りることで死神として存在することが出来た螢は、すぐさまそれを阻止しようとするものの、襲撃犯の策略によって消滅一歩手前まで追い込まれた上に、みすみすハチを攫われてしまう。
そして、彼女に残ったのはボロボロの穢れた身体と、唯一の死神道具”黒柩(こくきゅう)”のみだった。
絶望的な状況の中、螢はハチを取り返すため、その身を最悪の手段に委ねる。死神としての力以上に大切な、相棒であり友人であり家族でもあるハチ取り返すために。
ダークファンタジー 怪異vs異能バトルものです。この作品は「カクヨム」にも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-20 22:27:47
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会話率:26%