あらすじ
御影琴葉の葬式から三か月。高校二年の小鳥遊心春は、亡き親友の声と気配に囚われ、日常の“ほころび”に苦しんでいた。そんな彼女を見抜いた先輩・篠原蒼真は、琴葉の実家である由緒ある御影神社――そこに眠る“枢〈くるる〉”という境界のほこ
ろび――へ導く。
鍵を握るのは、神社の分家に生まれた天才巫女・桐生莉央。心春は蒼真と共に山上の社へ向かい、魂の迷子となった琴葉を還す儀式に臨む。四人の手が重なる瞬間、心春は「もう大丈夫」と告げ、琴葉は静かに現世を後にする。
友の温もりを胸に抱えたまま、心春は“現〈うつつ〉”を生き直す決意を固める――やがて再び会える日を信じて。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-07 21:59:16
1781文字
会話率:24%