「そこらの農民を集めて、二週間も銃の訓練をすれば歴戦の傭兵団が全滅するんだ。一騎当千の英雄はもういらない」
とある小国が生み出した魔法石の画期的な使用法により、日常は変貌を遂げた。生産性向上による豊かな生活、食料問題解決による死亡率の低下
と人口爆発。軍事転用された魔法石は生活だけでなく、銃や装甲機兵として戦場を変えて行く。
剣と魔法がぶつかり合った戦場は今は無く、泥臭い塹壕で鉄が飛び交う極めて機械的で無機質な物へと姿を変えた。戦場の花形であった騎兵は己の存在意義を賭けて戦場で散り、元傭兵は失った誇りや矜持を愚痴り、重歩兵はパンクの変わりに銃を持つ。
移り変わる時代の中、急速な技術の発展により没落した剣の名門クロムウェル家の次男ウォルターは、様々な形で家の復興を考えながら今日も元気に地面を掘る。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-06-15 21:58:03
28503文字
会話率:36%
世界樹。物理法則を超えるほどの生産性を持つ巨木。
その恩恵を受けて辛うじて生き長らえ、申し訳程度に栄えている世界。しかしそれは、一歩世界樹のもとを離れれば人の生きてはいけない荒野が広がっていることも意味していた。
そんな世界でバイク一
つで配達業を営む男がいた。名前はリバー・D。
バイクと体一つで荒野を駆ける配達屋の前に現れたのは、自分自身を「配達」してくれと依頼する奇妙な少女だった……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-12-28 14:45:17
115900文字
会話率:43%