22歳の女性聖羅(せいら)は幼い頃に父母がDVで離婚したのを機に、精神不安定になり、生きる気力を失い、リストカットをすることで世界とつながっている。そんな聖羅だがネット上で関わっている男性がいる。ハンドルネームはトモ。自称医学生。聖羅は、ホ
ームページにリストカットの画像を掲載したりして、その傷と痛みで生きていることを実感している。そんな聖羅は病状が悪化して精神化に入院する。そのとき、聖羅はトモが、太陽の光は身体を健康にする、月の光は心を健康にする、といったことばを信じ、トモがみているであろう月を探す。それは夜の光の中の月に限らない。昼間のあさぎ色の月でも探す、と誓う。トモへの信頼感が芽生え始めた瞬間だった。仮退院となり、聖羅はトモに会うことを決心する。リアルであったトモは普通の青年だった。
二人は車でドライブする。途中立ち寄った場所でトモは聖羅に薬を渡す。
その後、車は対向車と激突し、聖羅は意識だけの存在になる。凄惨な事故現場のブルーブラックの闇の上にはプラチナの光を宿した月の光が降り注いでいた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-11-29 00:38:40
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御幣島高弘は、ある日予備校の帰りに交通事故で死んでしまう。ぼんやりと事故現場を浮遊していると、「水先案内人」と名乗るセクシーなお姉さんにであう。お姉さんは御幣島を「あの世に連れて行く」というが、御幣島は「自分は好きな人がいてまだ告白もしてい
ないので、あの世にいくのは絶対嫌だ!」と言い張る。そこでお姉さんは御幣島にある条件をだすのだが・・・。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-09-22 08:42:44
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