赤かった血潮は黒く凝結し、ピンク色の十二指腸が乱暴に噛み千切られて細断されていた。肉は赤い筋とピンクの柔らかそうな肉に分かたれていて、湯気を立てるほど新鮮なそれらがこれから裸体の少女の晩餐に供されるのだろうと窺える。
俺はその捕食という行為
に美しいものを感じながら、生理的な嫌悪感から喉に胃液が逆流した。それはとても最悪な――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-05-22 18:06:02
13350文字
会話率:36%
■【ホラー/短編】■「もしもし。心霊専門業務、ヒロカワです」――残虐だった押し入り強盗殺人事件。記憶にも残る新しい事件が、ヒロカワの脳裏に呼び起こされていた。赤いものに子どもが異常だと訴える主婦のヘルプ連絡のため、ヒロカワが訪れた先に待って
いたものとは◇『夏のホラー2010~百鬼集帖~』企画参加作品。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-08-07 17:00:00
7657文字
会話率:40%
『僕は磨りガラスの向こうにいる彼女へと気のない返事を送る。』湯気、お風呂場と脱衣所、反響する声、濁りガラス。薄壁一枚を隔てた二人の人物の一コマ。登場人物に名前はありません。身体特徴的な表現もあえて避けております。(2004年『Web小説きら
ら』投稿作品)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-07-28 00:46:00
600文字
会話率:50%