世界有数の人口を抱える巨大都市・大江戸。
その町中を闊歩する身の丈七尺になんなんとする偉丈夫・大江仙十郎文久には二つの秘密があった。
一つは、己が人の身にはあらぬこと。常なる人の営みを表とし、その狭間の歪みを裏と称する、そのさらに奥。
「闇」と呼ばれるところに蠢く人外化生の者・妖怪であるということ。
いま一つは、こことは異なる現実。近未来日本の高校生として、HVRMMO大江戸・百鬼夜行のプレイヤー酒乃井文昭であるということ。
いかなる理由でか、この地に存在した自分のプレイヤーキャラクターに酷似した妖怪と一つになり、現実・ゲーム・リアルを行き来することが可能になったという非常識。
驚きもし、慌てもし、不安を抱きもしたのだが、それを上回る好奇心。趣味全開でもう一つの世界を楽しむ彼の前に、事件がたちはだかる。
はたしてそれは偶然なのか、必然なのか。
ゲームで使っていた自キャラに非常に近い異世界の存在と人格としては自分主体で融合した、というのが主人公の状況。しかし、ゲームを介しての移動で元の世界に戻ることもできるし、ゲームで新たに獲得したアイテムを異世界側や元の世界へもちこむこともできる。さらには元の世界の品物を異世界へもってくることすらできる。
偶然の現象と考えるには作為的すぎる状態。きっかけは御地蔵さまだと思われるのだが、地蔵菩薩に会ったりしたわけではない。悩んだところで決定的な情報がなければ回答不能と開き直っていたところで、不穏な事件が起こる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-11-28 18:00:40
100067文字
会話率:16%
時は20XX年。
現代日本では異世界に勇者として召喚される若者が後を絶たない。
そのほとんどはファンタジー世界側の勝手な都合により、本人の意思とは関係なく無理やりに呼び出されるというケースだ。
そして理不尽なことに、苦難の末に魔王を倒しても
今度はその力を恐れられ、次の迫害の対象となる勇者もいる。
当然ながら召喚されたまま異世界の地で朽ち果て、戻る事が叶わなかった者も続出。
それだけの事をしておいて、ファンタジー側は今日も新たな犠牲者(ゆうしゃ)を召喚する。
そんな無責任なファンタジー側に対し、ついに現代日本人の怒りが爆発!
そっちがその気ならば……いいだろう。
かつてタダ同然でコキ使われ、ファンタジー側に恨みを持つ被召喚者達が一同に集まり、ひとつの組織を結成。
それは勇者派遣協会。協会とは名ばかりの、ある意味ファンタジー側への意趣返しのための組織。
あらかじめ素質のある若者たちをスカウトし、最高の教育と訓練を施して優秀な勇者として育て上げる。
そしてファンタジー側が懲りずに日本から勇者を召喚しようとするタイミングを狙い、割り込むように協会から勇者を送り出し、何食わぬ顔で召喚されたフリをする。
派遣される勇者には、もちろん協会が全面的にバックアップ。
強力な武器に強力な魔術、そして強力な相棒で冒険の一部始終をサポート。
そして依頼達成と引き換えに、莫大な報酬を要求だ!
なに……? 払えない……?
契約違反ですね。分かりました。
弊社の屈強な勇者軍団が、これから取り立てに参ります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-03-12 14:00:25
68364文字
会話率:21%
王宮の下っ端である司書官と侍女の弟は、当代魔王のご嫡男。
王城に召喚された《封じの巫女》は、全ての魔を封じ込めようと決意した、逆ハー属性の女子高生。
そこらの魔物やら魔族やら魔王やらが封印されるのは別にいい。まあ仕方ない。
だけれど
も、怠惰で育児放棄中な魔王様の、たった一人の息子だったりする弟のフランが封印されるのはいけ好かない。
司書官アデルと侍女フィリス、魔王の亡き妃の養い子である二人は、あの手この手で逆ハー少女の魔性退治から、幼い弟を守るべく奔走するが……。
異世界側から見た、異世界トリップファンタジー。
【現在更新凍結中です】折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-04-22 19:38:32
51045文字
会話率:30%