理見と和衛。/シリーズ4作目
最終更新:2013-03-06 00:02:23
1461文字
会話率:53%
夏場、あたしは眠る前にミネラルウオーターを飲んでからベッドに潜り込むので、朝になると寝汗が出ていた。汚れたシーツはすぐに洗濯する。普段出版社に勤めていて朝食を取った後、コーヒーを飲んでからメイクをし、職場へと向かった。担当作家から原稿を取っ
たり、メールなどを打ったりして相手の機嫌を損ねないようにするのが、あたしの主な仕事だったが……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-07-22 13:07:49
2620文字
会話率:86%
どこか遠いところから鈴の音が聞こえてくる。
始まりは決まっていつもそうだ。そして次に、からみつく真っ白なシーツから抜け出ようと、高く手を伸ばす。
風に揺れているのは多分カーテン。淡い緑のカーテンがゆらゆらと波打ち、時折眩しい光が差し込んでく
る。
ああ、なんて明るいんだろうと、私はそう思う。きっと外はとてもいい天気だ。こんなにも日差しが暖かい。
鈴の音は自分の笑い声だと気がついて、結衣は微笑んだ。眠りは長い時間をかけ、さざ波のように浅い深いを繰り返している。どうやら夢うつつの中で、声を出して笑っていたらしい。後ろから首筋をくすぐるのは、彼の寝息だ。こそばゆさが我慢できなくなり、また声を出して笑うと、霞んだ意識が少しだけはっきりとした。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-07-03 22:47:04
48320文字
会話率:42%
ローズフランの王女レーネ・ローズは愛らしく元気な少女だった。
美しく威厳がある王妃クリスティン・ローズ・フランシーズ、気弱だが誠実な王クルース・ローゼズ・フランシーツと兄のレクシオス・ローゼズに囲まれ、彼女は幸せな少女時代を送っていた。だが
ある日、ローズが14歳のときローズフランは莫大な借金をかかえていて、不満をもった国民たちがとうとう革命を起こしてしまう。
革命の乱を逃れ、家族とバラバラになってしまったレーネ・ローズは数人の大人たちとともに世界中を革命の手から逃れるため渡る。
革命組織「デスター・ピリオ」に何度も命を狙われるが、あるとき一人の青年ミリアン・テールに救われる。彼と親しくなったレーネだったが、ヴァンパイア族のレイカーという美青年とも知り合う。兄のレクシオスとも再会し、喜ぶが両親が処刑されたことを知り、絶望に陥ってしまう。そしてある時ローズフランの王女だということが発覚し彼女は監獄へ送られ……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-04-28 21:00:00
3115文字
会話率:3%
夢を見た。
しわくちゃになったシーツを掴んで思う。こんな風だった。こんな風に俺は夢の中で掌を火傷した。この滑らかなシーツの感触と同じくらい、リアルで生々しい夢だった。
……そうして顔を上げた先にいたのは、部屋にいるはずのない異物。
彼は言っ
た。仰々しく、実に楽しそうに。
「君は命を狙われた可哀想な王様だ」
……俺はこいつに言いたい。18世紀に帰ってしまえと。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-11-03 21:07:44
1505文字
会話率:11%
告白した僕に彼女は、カクテルで自分のことを口説いてと言った。カクテルを題材にしたストーリー。「シンデレラ」という以前投稿した短編の後日談になります。なるべくなら、先に「シンデレラ」を読んでいただいたほうが、より楽しめます。
最終更新:2007-09-12 15:19:03
2371文字
会話率:45%