ベットから体を起こした彼女は髪をかき上げた。長らく眠っていたのであろう。髪に寝癖が付いているのが自分で分かった。カーテンから、うっすらと太陽の光が入っている。夜明けに合わせて彼女の隣にいる彼が起こしてくれたのだろう。少しだけカーテンを開け
て、ぼんやりと朝焼けた空を眺めていた。
不意を衝くように、彼女の頭を彼は撫ぜた。寝癖も気にせず、ただ彼になされるがままになる。彼は彼女が抵抗しようともしないことをいい事に、そのまま彼女の頭を胸に抱き寄せた。
「ねえ」唐突に彼女が言った。「あの空の向こうまで行けるかな?」
虚ろな表情を一切変えず言葉をこぼすその様は、まるで人形を思わせた。
そんな彼女に彼は言葉では返さず、抱きしめる力を強めて応える。彼女は彼に言葉を再び投げかける。
「もし私が空の向こうに行ってしまうことになったら、その時は貴方も一緒にいてくれる?」
「勿論さ。どこまでも一緒にいる。天どころか、地獄の果てでも一緒にいる。当たり前だ」
そこで初めて彼女は虚ろだったものから表情を崩した。彼女は不安だったのだ。そして彼の言葉でその不安が払拭された。
「私、学校の人や色んな人から『怖がり』『ビビり』って言われてたけどね。貴方と一緒なら、何処へだって、何だって、何も怖いものなんてないんだよ」
そう言って明るく笑い、抱きしめている彼に抱きしめ返した。
彼女のそばにいる彼は現実の存在ではない。言うなれば、統合失調症による彼女の妄想だ。妄想に浸れば浸るほど彼女の心は救われ、そして不愉快な現実と切り離されていく。煩わしくも楽しい人間関係など、そこには無い。
客観視するならば、彼女は紛れもなく孤独な存在と言えた。だが、本当に孤独にさせたのは誰か。
彼女は妄想にしか拠りどころを見いだせず、妄想にすがるしかなかったのだ。そこまで追い込んだのは誰か。彼女の精一杯の努力を一蹴したのは誰か。
怒りにもならない理不尽なこの境遇に、誰が同情するというのか。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2015-08-24 18:59:49
815文字
会話率:29%
朝起きてきちんと髪を整えて、寝癖ひとつないようにして、少しでも可愛く思われたくて雑誌とにらめっこ。夜寝る前は丁寧にケアをして。
好きな人が私の事を好きでいてくれた、それだけのことが、なんでもない日常をとびきり綺麗なものに変えてくれる。/高校
生カップルのほのぼのした日常。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-05-29 16:23:40
5154文字
会話率:38%
「おはよー椎名くん、寝癖ついてる」
「おはよー佐和さん、どこらへん?うしろ?
」
「いや、ここ……」
「(…もうお前ら付き合えよ!!)」
衝動的に書きたくなったものです
アイディアはあるが、文才は無い!豆もやしです
高校生の緩い
日常を緩く柔らかくかけたらいいなとおもいます
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-04-29 11:21:58
1552文字
会話率:54%
寝癖頭にジャージ姿、女らしさ0の心都。そんな彼女の幼馴染みは、校内きっての「美少女顔」を持つ少年だった。自分よりも遙かに可愛い彼に恋してしまった心都に降りかかる、受難と苦悩と少しのときめき……。基本コメディ、時々シリアスでまったりもったり
進む幼馴染みラブストーリー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-11-26 23:49:51
635382文字
会話率:41%
これは、ちょっと変わったお姫様と、王子さまのお話。
笑いあり、涙あり、恋あり、罵倒あり!?
そんな作者の空想×現実話。生暖かい目でご覧ください笑
最終更新:2014-08-03 00:21:16
1942文字
会話率:53%
ある日殺し屋になった男、榛名、この殺し屋のモットーは美しくあれ、何事もかっこよく!
初投稿なのでこう・・・色々多目に見てください
最終更新:2014-02-19 16:00:00
248文字
会話率:43%
俺は極普通の男子中学生 椎名律麒、学校では「律」って呼ばれてる
天気の良い朝、俺はいつもと同じ時間、場所、早さで登校していた。
「おーい、律ー」彼は俺の悪友 早坂雄次、良い友達なんだが、お世話好きなのが時々厄介
「今日は寝癖が一段と際立って
ますなぁ」
「ワックスだ!」
と、たわいも無い会話から俺たちの1日は始まる
「ふーん、そっかぁ、つまんねぇ」
なにがだよ‼
「でも最近つまんないよなぁ、なんかないかなぁ、急に変な力手に入れるとかさぁ」
「お前は中二病か‼」
彼らはまだ知らなかった、この世界の裏側で大規模尚且つ秘密裏に行われている戦いを、そしてそれに自分達が巻き込まれて行くことを、、、、、、、、
そんなこんなで、校門をくぐろうとした時、それは起きた、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、世界はまた、動き始める折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-08-04 21:43:32
3840文字
会話率:80%
貧乏男子高校生、世浪 檪(よなみ れき)はお嬢様、お坊ちゃん高校に女子高生として入学することになった。いわゆる、『女装男子』や『男の娘』というものにあてはまる。
そこで美少年との出会いが大きく運命を変える。
その美少年は実は・・・
※ボーイ
ズラブではありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-05-27 22:29:46
12734文字
会話率:36%
シュベルツ学園。
一般科、武力科、化学科、錬金化。
のクラスに分かれて、そのクラスに沿った生徒を育てる学園だ。
主人公は、そんな学園の一般科に所属する、只の目立たない生徒だった。
常に、寝癖の付いている長めの髪、茶色の眼鏡をかけた、いか
にも、優等生というのは、表面上。
「まぁまぁ、いいじゃん? それよりも、次って武力の授業でしょ? 僕はちょっと眠……いや、頭が痛いから休むって伝えておいてくれない?」
「お前、絶対今、眠いっていいそうになっただろ?」
「あ、バレた?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-01-13 19:11:47
3928文字
会話率:37%
頭は寝癖、黒縁フレームのメガネ、白いYシャツ、ジーンズと言ういでたちのこの男、なぜか首には聴診器が・・・果たして何者なのか。
最終更新:2006-10-01 14:18:09
1238文字
会話率:39%