私の朝の身支度は、枕に擦れて絡まった髪を梳かす所から始まる。容姿に自信を持っているわけではないけれど、人から褒められることが多いさらさらの黒髪は私自身も気に入っていた。いつも通り朝ごはんを食べて、着替えに歯磨き。いつも通り始まっていく生活も
、放課後になれば少しだけ非日常の色を帯びる。
異世界探検部。
恐らくこの学校以外には無いであろう個性的な部活名に違わず、その内容にもボランティア活動の他に「異世界へ転移した場合に備えたサバイバル訓練」というものがある。最初はその独特な雰囲気や部活内容に戸惑っていた私も、部長や他の部員の明るい性格のおかげで一か月もすればもう馴染むことが出来ていた。
「織絵!おはよ!」
「おはよう綾香。今日も迎えに来てくれたの?」
家を出てからまだ数十秒。学校に行く道の最初の曲がり角を越えた頃、同学年の友達である綾香に声をかけられた。彼女は私が危ない目に遭わないよう何かと世話を焼いてくれていて、いつもこうして家のすぐ近くで待っている。こうして綾香と一緒に登校するのはすっかり通例となっているけれど、今日はもうひとつ人影があった。
「織絵、綾香。二人とも今日の部活には来るよね?」
そう言って彼女の背後から顔を出したのは、異世界探検部の部長を務めているあさひ先輩。実は「部」という漢字がついているにも関わらず異世界探検部はまだただの同好会に過ぎず、あと一人部員を集めなければ部に昇格することが出来ない。最初は自分一人で発案した活動に私達二人を巻き込み、同好会という形で活動権をもぎ取ったのがこの人だ。
「あれ、あさひ先輩?」
「おはよう織絵。今日は学校に行く途中に相談しておきたいことがあるの」
高身長の綾香とは対照的に背が低いあさひ先輩は、学年が違いにも関わらず綾香とは頭一つ分以上の身長差がある。しかしその態度はいつも堂々としていて、部活を引っ張る人物にふさわしいものだった。
「それで、相談事っていうのは来月のボランティア活動についてなんだけど…」
予定の兼ね合いや準備すべき物など細かな点について話しながら、あさひ先輩も交えて三人で学校に向かう。その後ろからじっと私を見つめる男子生徒がいることに、私達三人は気付かないままだった。
※この作品はカクヨムにも掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-26 15:39:29
5959文字
会話率:50%
私には前世の記憶というものがある。
そのせいか、とにかく表情が無い。
周りの人間からも、「人間じゃない」とこ「冷たい子」とか言われている。
でも、私には、私の大切な宝物…姉様達さえいればいいの。いつか、この世界でも別次元でもいい。もう一
度お会いしたいなぁ…。
これは、とあるチート&秘密持ちの無表情JKが自身の前世の姉達を探す旅…なんだけど、何故か別次元の危機を助けたり、あの神話の神に愛されてたり、命を狙われてたり、何だか大変です!?
※実際に私、おちゃわんが描いた絵を参考に物語を作っております。設定ガバガバですが、そこはご容赦ください!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-18 12:04:16
1047文字
会話率:11%
世界は地下から這い出る魔物との闘い、隣国との戦争、様々な困難があったが今はだいぶ落ち着いてきた。そしてもうすぐ西暦3000年を迎える。
エンガイ・リキヤは大国の王の息子、三男に生まれた。
彼は生まれつき足に障害を持っており、走ることな
ど到底できない身体であった。
彼の国では年に一度、王位継承の儀というものがある。この儀で勝ち抜き、現在の王に勝てば次の王となれる。苛烈な大炎の巻き起こる決闘に挑む強者は多い。
そして彼も、そのうちの一人になろうとしていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-12 03:09:27
1937文字
会話率:37%
夢日記というものがある。
自分が見た夢の内容を日記として書く。
夢は現実のようなときもあれば、ファンタジーでおかしな時もあって。
面白いときもあれば、苦しくて辛くて怖いときもあって。
目が覚めるまでの別世界だ。
SNSで最近は
やっている#夢日記。
自分の見た夢をSNSで投稿し、面白い内容だとたくさんの人に高評価・拡散してもらえる。
最初はROM専だった俺、|平野大星《ひらのたいせい》だけれど、ある日見たいつもと違う夢を#夢日記で投稿してから悪夢は始まった。
ゆめこ。のユメであそびましょ?
みんないっしょなら楽しいわ!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-29 03:55:58
1237文字
会話率:27%
「ぐへへ^q^ ソフィーちゃん。オイラと一緒にお風呂に入ろうよ~」
「近寄るな! このヘンタイ!!」
かつて勇者とともに世界を救い続けた、伝説の聖剣ーー通称勇者の剣。
そんな聖剣でも隠せない欲望というものがある。
「幼女ってええなあ」
彼の中で芽生えた思いは地を超え、姿を超えて、やがて一人の幼女のもとまでたどり着く。
たとえその地でどれだけヘンタイ扱いされようとも。
かつての伝説の聖剣の名を呼ばれることはなかろうとも。
それでも、ソフィーちゃんがかわいいからすべてOKっす!
幼女こそ至高
幼女こそ正義
幼女はすべてを解決する。
おいらはソフィーちゃんのためにすべてをかけてやるっす!
(この話は別の短編コメディ作品「迷惑しかかけてこないくそ勇者の剣をドロドロに溶かしてキーホルダーにしてやった!」〈https://ncode.syosetu.com/n6893he/〉のスピンオフ的な立ち位置となっています。
このまま読んでいただいても楽しめますが、もし気が向いたらこっちの作品も読んでいただけると嬉しいです!!)
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-12 21:02:44
5369文字
会話率:37%
幻想世界。それは孤独な人々が創り出した様々な色が共存する世界。この世に住む人の5分の1は幻想世界に覚醒し、ある人は火を扱え、ある人は獣人であり、ある人は新たな世界すら創り出す。そんな幻想世界にも階級が存在し、王族、貴族、商人、農民、そして、
流浪人または冒険者と呼ばれるものがいた。幻想世界では、天界より創造世界の管理を任された幻想神アルテが君臨し、世界の均衡を保っている。さらに、いくつかの掟が存在し、一番重要な掟に「現実世界で幻想の存在を決して公表してはならない」というものがある。少しでも口に出したり、現実世界で公表しようものなら問答無用で幻想世界における一番の重罪で捕まってしまうのだ。しかし、もしかしたら、現実世界においてとても身近で大切な人にすでに幻想世界で会っているかもしれない。これは、現実世界では平凡な男子高校生である青年が、出会った仲間たちと幻想世界でちょっとした冒険をするお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-02 20:00:00
1856文字
会話率:40%
汐ノ目系列校が所在する汐ノ目の町─────この世のあらゆる超常や犯罪が集うこの町を防衛すべく学園は影の治安維持組織を設立した。
高等部に本部を構えるその名は異能対策委員会、通称Itaf───────多数の能力者を抱えるスペシャリスト集団で
ある。
しかし、そんな彼らも超人ではあれど一介の人間、その手数には限界というものがある。
それに加えて2年前の2月、最盛期のItafを襲った実働班壊滅事件も重なり、今や秩序の担い手は減少しつつあった。
そこで設立を提言されたのが実力行使を旨としない次世代の防人達。
汐ノ目小中学校に集う彼らの名を『異能自警団』(Irregulars vigilantes)──────通称Ivis(アイビス)と言った。
※本作は合同連載小説「イレギュラーズ・プロジェクト」の外伝でありその設定と世界観を共有しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-04 17:09:43
60850文字
会話率:34%
全世界で大流行したゲームシリーズ「Unlimited adventure 」。その最終版がには様々なうわさが飛び交っていた。そんな噂の中には、ゲームをクリアすればゲームの世界に行けるというものがある。ゲームが終わることに絶望していた青年は
、そんな根も葉もないうわさを信じ、ついには本当にゲームの世界に行ってしまう。生まれ変わった青年はいかにしてゲームのような世界を生きるのか。
異世界転生ハイファンタジー!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-25 23:58:26
8348文字
会話率:32%
宗教国ベルゼンブルク。
科学技術が発展している帝国と魔族が多く住む魔族連邦国に東西で挟まれ、北には生物が死に絶えるほど凍えた土地、永久凍土がある中立国だ。
この国のしきたりで王位継承者が決まった場合、守護を目的として魔術に優れた者を養子にす
るというものがある。そして選ばれたのが私、メル。
しかし、第一王子でありながら聖人として日々活動するブライド様の周りをいくら妹とはいえ女が四六時中引っ付いているわけにはいかない。
私は第二王子としてブライド様をお守りすることとなったのだが、神に愛されたブライド様は多くの加護を授かる代償に心の半分を奪われていたのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-31 23:19:36
3154文字
会話率:45%
好きな人のセフレになることを申し出て三ヶ月。彼はセックス中だけでなく、セックスが関係ないときにもたくさん「好き」を伝えてくれる男だった。絶対に勘違いしたりしないと心に誓っているけれど、さすがに限度というものがある。
「……あの、さ。別に
セックス中でもないのに好きとか言わなくていいよ」
「……え、なんで?」
セフレを申し込んだ(つもりの)女の子と、好きな子と付き合っていると思って幸せに浸っていた男の子の話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-31 13:01:29
9400文字
会話率:49%
あちら側(あの世や霊の世界)と
こちら側(この世や人の世界)を繋ぐポイント地点というものがある。
明日はあなたもそんな場所に出くわさないとも限らない。
これはそんなお話。
最終更新:2020-08-26 23:58:20
22557文字
会話率:40%
大きな戦争があった。
私は、国を守るためにその戦争に参加し、そして何らかの理由で命を散らせた。
そして気がつくと、そこは私の知らない世界だった。
幸いなことに装備はある。
この世界は、私の住んでいた世界とは違い、魔法がない。
代わりに科学というものがある。
なら、私は魔法を駆使してこの世界を生きることにしよう。
はちゃめちゃハイエルフ賢者の、ドタバタ異世界コメディストーリー、これから始まります。
『異世界ライフの楽しみ方』スピンオフです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-07 10:00:00
52686文字
会話率:40%
この世には『魔法』というものがある。
人口の3分の2の人達は魔法を使える。
そしてその中でも優れた力を持つものがいる。
三花見一族(みつかみ)
三花見家に連なる多数の分家を持つ一族。
一族の共通点として苗字に「三」、姓に「
花の名前」が必ず入っており、社会的地位が非常に高い名家が多い。
三花見一族は代々桁外れな魔力を持っており、そのなかでも三花見家は日本自体を動かす権力を持っている。
国立魔法三花見学園は魔法による魔法だけの学園。
その学園に実花美 皐月は婚約破棄されて転校生として門をくぐった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-24 12:53:59
3396文字
会話率:39%
ある日、由空 琉羽(ゆそら るう)は異世界へと転生してしまう。その世界には、「魔力」があり、「魔法」というものがある。そして、その世界はその魔力の差ですべてが決まっていた。琉羽も魔法がつかえると思い魔力検査をするが、なんと魔力適正は0!?魔
力0の最低ランクから始まった主人公の成り上がりストーリー!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-11 14:25:37
242文字
会話率:0%
その世界には、四つの「界」が存在する。
魔界、獣界、人間界、そして魔界。
その魔界にひしめく多様な種類の魔族の中に、「淫魔族」というものがある。
他者を強制的に興奮・発情させる事が可能な、快楽の権化。堕落のエキスパート。
がしかし、その特性
故に、この魔族の男性は他種族から目の敵にされ、ついに滅んだ。
たった一人の男の子を除いて。
これは、そのたった一人になった淫魔族の男が、淫魔族の男を増やすべく奮闘する、その姿を記した物語。
≪注意≫
主人公は女性を強制的に発情させる事が可能ですが、それで自分以外の男が滅ぼされた関係上、みだりにその能力は使いません。
さっさと能力でハーレムー、みたいな展開は絶対にありません。そこはご承知おきください。
≪お知らせ≫
作者は何の説明や論理のない突拍子もない気持ちや行動の変化が大嫌いなので、メインキャラクターは特に「なぜそうしたのか」「なぜその感情を抱いたのか」をしっかり描写しようと思ってます。
そこに文字数を使う以上、そこそこ展開はゆっくりになります。
人によっては「グダってる」と思われるかもわかりません、でもそれが嫌になってこの物語を記してるので、これだけは譲れないものとなっております。
逆に、普段ネット小説を読んでいて、「いきなりそんな気持ちになったりそんな行動をとる意味がわからない」と思われる方々には、そこそこ楽しんで頂けるかなと思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-14 21:19:15
20309文字
会話率:34%
とある噂があった。
自殺志願者しか開けないサイト「Suicider」というものがある。
曰く、そのサイトにアクセスした者は楽に行ける。
曰く、人身売買の為のサイト。
そんな噂が飛び交う中、ごく普通の高校生活を送っていた錬鎡(れんじ)は祖母
の入院する病院で、ある少年との出会いを果たす。
「死にたくなければ、死なせたくなければ、来い」
危険かつ壮絶な錬鎡の新たな生活が始まる……。
この作品の一部は作者Twitterにも掲載されています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-06 05:23:41
7700文字
会話率:56%
ある日、目が覚めると趣味だったオメガバースの世界に産まれていたりこちゃん。超人染みたアルファが居て、オメガの発情期があって、運命の番というものがある。
そう、大好きだった世界みたいだから、もう少しだけ遊ぼうか。ネズミの国の耳でも付
けて。
あれ?でもどうやらこの世界、知っているのとは何だか少し違うような…?
友達が出来たり、告白されたり、襲われたりと一年ずつ波乱万丈でいて平凡な日々を積み重ね。自分の為に陽気でいて、自分の為に布教して変態と呼ばれて。
これは秘密と恐れと郷愁を陽気の陰に隠した一人の女性が、根無し草だった状態からこの世界の地に足を付けるまでの成長物語である。
「やぁお嬢さん! 息子持ってない?」「変態行為は止めろ」
幕間→本編に若干関わる話。 ○○話→本編には小ネタとして出る程度。 掌小話→他人から見た視点。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-26 00:04:37
228969文字
会話率:39%
世の中にはVtuberというものがある。
それは夢と希望を与えるものだと僕は思う。
Vtuberオタクの僕がVtuberと出会う。
そんなお話。
最終更新:2019-10-19 14:51:50
3432文字
会話率:11%
ファントム時間仮説というものがある。
西洋の年号には当時の人間の都合で三百年近い水増しが行われたという仮説である。
であれば……二十一世紀初頭に噂された数々の終末論は、本当にただの迷信だったのだろうか。
かつての予言者たちが読み違
えたのは滅亡の時期ではなく、人類が自らの年も数えられないという情けない未来だけだったのではなかろうか。
これは、ある世界の『時間切れ』の少し前の物語。
予期されていたはずの滅亡に、何の備えもできなかった人類の最後の年の物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-09 17:24:25
5976文字
会話率:28%
神野アセナはオオカミに育てられた。
オオカミの頂点に君臨する〈狼王ウプウアウト〉に拾われ、深い森の奥で16年間の月日を過ごしてきた。
父である狼王はアセナに告げる。
「お前は人間界に戻らなくてはいけない」と。このままオオカミとして生きて
はいけない。人には人の生き方というものがある。
女子高生として高校に進学することになったオオカミ少女・アセナは、初めて目の当たりにする人間の日常に戸惑いながらも、少しずつ高校生活に親しんでいく。
狼王に育てられた少女。
そしてその特異な存在は、のちに大きな物語へとアセナの青春を巻き込んでいく──!!
※ブックマークや感想をいただけると嬉しいです。とても励みになります。よろしくお願いします!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-20 20:29:13
14880文字
会話率:40%