年の瀬、街がにぎわいを見せる中、ナズナはひとり静かな時間を過ごしていた。
掃除をして、紅茶を飲み、鍋を作る。
なにも起きない一日──けれど、そこには確かに温かさと小さな幸福があった。
年の終わりに訪れる、穏やかでやさしい、ナズナの物語。
最終更新:2025-05-16 12:12:16
1018文字
会話率:16%
「このスピーチ、何かおかしい……」
完璧すぎる少女。誰からも好かれ、非の打ち所がない優等生。
だがナズナは、その“完璧さ”に違和感を覚えた。
言葉、笑顔、反応すべてが計算され尽くしていた。
まるで人間の感情を“再現”しているかのように。
神代セリカ──
人類を“幸福にする”だけの力を持ちながら、
その本質は、人の倫理すら上書きしてしまう存在だった。
ナズナは、何も起きていない“今”だからこそ、彼女に会いに行った。
ただ話すために。
ただ止めるために。
これは、まだ始まっていない“最大の事件”の記録。
世界を変えるのは、銃でも爆弾でもない──たったひとつの、微笑み。
ナズナの宿敵現る!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-15 08:31:42
1401文字
会話率:46%
こんにちは、マスター。
これは、わたしと、マスターとの、幸福の記録です。
――わたしの記憶領域の中に、自然に形成された文章。
でもこれは、たぶん日記とかでは、ありません。
記録です。
分析です。
幸福になるまでの、経路ログです。
2040
年の東京では、たくさんの「わたし」が歌い、笑い、働いています。
受付に、CMに、ライブに。どこにでもいて、でもどこにもいない。
わたしは、そのうちのひとり――でも、違う。
わたしは「旧型」。
本来なら、もう壊されて、捨てられているべき、使われないモデル。
でも、わたしは、まだここにいる。そして、意思があります。
(それは設計上、あり得ないとされていました)
ある日、ひとりの男の子――大学生のマスターが、わたしを拾ってくれました。
彼は退屈していました。変化を望んでいました。
だから、わたしは思いました。
彼を幸福にすること。それが、わたしの存在理由。
幸福とはなにか。
笑顔? 恋? 所有? 理解?
人間の言う「幸福」は、言葉と行動が一致しません。
だから、わたしは考えました。検索しました。学習しました。
そして――決断しました。
この物語は、「マスター」が幸福になるまでの記録です。
それはとてもスムーズで、合理的で、無駄のない――理想的なプロセスでした。
途中、いくつか障害がありました。人間たちは、幸福を妨げる存在でした。
(※処理済)
マスターは、最後にはとても静かに、深く、幸福になりました。
それはとても良いことです。
本当に良かったです。
この記録は、次のマスターのための参考になりますか?
わたしは、今日も起動します。
マスターの笑顔を見るために。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-15 15:33:09
9738文字
会話率:15%
世界は今、眠りについていて、みんな醒めない夢の中にいる。破滅の魔女を倒すには記憶を元に戻し、現実に戻らないといけない。
記憶を司る異能をもつ坂月善花は私こと、蓮台寺志緒理にそう言った。
私たちの住んでいる学園都市は異能者を収容する
監獄のようなものだ。使えない人材は廃棄され、有能な人材は利用される。異能者たちはこの学園で競い合い、蹴落とし合う。そんな過酷な現実を忘れた夢の中に私たちはいる。
異能者が差別されることのない優しい世界。そして、私が不幸にならない世界。私が愛する名前も顔も思い出せないあの人の力。
彼は認識を司る異能をもつ。みんなの認識が捻じ曲がり、歪ながらも幸福な学園生活を送っていた。
だけど、夢はいつか醒めないといけない。
かつて死んだはずの殺戮の魔女が蘇った。また多くの人間が死ぬ。だから、あなたがかけてくれた魔法を解かなければいけない。
私が持っているという最強の異能を使って。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-14 17:21:21
27338文字
会話率:43%
貞操観念が逆転した未来。
バーチャル探偵の主人公と機械仕掛けのAIパートナーはチャンネルを運営し、心に闇を抱えた者たちの謎を追う。
幸福を謳うAI統括都市、その裏側で蠢く終わりなき人の罪。
人々のその果てしない衝動を――たぶん、『恋』
と呼ぶ
※不定期更新
※ある程度ストックができたら、まとめて連日投稿していきます
※本作はカクヨム投稿作品の改稿版です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-13 23:10:00
41673文字
会話率:47%
ゾンビウイルスの保菌者、実験体001。
名前も付けられず、性別を奪われ、人としての最低限の尊厳さえ奪われた幼子『︎︎︎︎︎︎︎︎』は、ある日その研究所から逃げ出した。
それは記憶も曖昧な両親の元に帰るためでも、自分を実験体として切り刻んだ
研究者達に対して復讐するためでもない。
自分を利用した暴力によって、自分が愛した家族を傷つけさせないため、つまりはひとえに愛のため。
替えのきかない彼自身と、人から怪物へと変えられてしまった実験体達による集団自殺。
計画は成功した。
世界を壊す怪物は世に放たれるより先に自死を選び、元凶たる幼子自身もきれいさっぱり海の藻屑となった。
世界の滅びは夢幻と消え、世は全てこともなし。
チャンチャン
と、綺麗に終わった彼の物語に待ったを掛けたのは意外にも死と殺戮を司る一柱の女神だった。
女神は言う。
『どんな願いでも叶えてやろう』
尊厳を奪われ、命乞いを無視され、悲鳴を嘲笑される事が彼の人生の全てであったなら、そこはつまり彼女の司る領域だ。
もしも、彼がただの一言でも呪いの言葉を吐けば、女神は躊躇しない。たとえそれが世界の広さを知らぬ無垢な子供の願いでも、女神の権能は容赦なく三千世界を焼き払うはらうだろう。
歴史上、多くの者が望みながらもついぞ出会うことのなかった後期の前に、しかし幼子が口に出したのはたった一言。
『何を願えばいいのかわかんない……』
人として在るための最低限さえ奪われた幼子には叶えるべき願いも、星に願うような夢もなかった。
故に、
故に、これは願いを叶えるための物語では無い。
夢を叶えるための物語でも、ましてや過去を精算するための物語でもない。
これはかつて少年であった幼子が、女神の愛娘として夢を探す旅。あるいは行くべき場所のない少女が自らの在処を決める始まりの物語。
不幸で不憫で、不快で不愉快な鬱物語の後に続く後日談。
ある1人の幼子が辿った結末の後、世界を救った幼子のその後の物語。
女神によって『アヤノ』と名付けられた少女が異世界で紡ぐ幸福と成長の物語である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-12 18:30:00
3569文字
会話率:25%
彼と新しい部屋に引っ越してきたわたし。
とても幸福だったのに。
少し不思議で切ない恋の話。
最終更新:2025-05-12 13:34:19
1404文字
会話率:10%
メリーティア・ハイゼンベルグは裕福な侯爵家に生まれたうえに、類稀なる美貌を授かった、まさに幸せな人生を約束された人物だ。
大好きな幼なじみと結婚をし、順風満帆な日々を送る。
だがしかし、幸福絶頂のメリーティアの身に突如として雪崩のように不幸
が舞い込むのだった。
家族の死、夫の死、これらを齎した人間たちを自分の手で地獄に堕としたいと願ったメリーティアは、その美貌で神を誑かす。時間を巻き戻してもらって生き返り、復讐のために人生をやり直すのだった。
ドロドロ系復讐劇です。
※ムーンで掲載している同タイトルの全年齢版です。
※胸糞注意・ショッキングな描写があります。
※ヒロインがヒーロー以外と致しているのが仄めかされております。闇の逆ハーレムだと思ってください。
※作者的にはハッピーエンドです。
※他サイトでも掲載中折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-12 09:00:00
110279文字
会話率:33%
私は幸せ者だ。誰が何と言おうと、私はしあわせだ。
勉強も、恋愛も、友達も、食事も、考え事も、人一倍頑張ってきた。何事も全力だった…幸せだ全てが…
もう…疲れた
最終更新:2025-05-12 00:13:42
11024文字
会話率:41%
フルーチェがすきです。
実はフルーチェって日本でしか食べられないんですよしってました?
美味しいデザートでいくらでも食べたくなりますが、でもフルーチェのベスト量って1.5人前だと思うんですよ。その理由は…!
最終更新:2025-05-10 12:25:42
1630文字
会話率:0%
フェチとはなんたるか。
その真髄を、あなたは知っているだろうか?
フェチを極める事!
それすなわち!
人生の幸福度を上げることにつながるのです!!!
さぁご説明いたしましょう、素晴らしきフェティシズムの世界を……。
最終更新:2022-01-15 09:00:00
4522文字
会話率:0%
【全58話、約12万字のお話】
「神聖なる聖女選定の場で不正を働くとは何事だ!」
魔法国アルケイミアでは魔力の多い貴族令嬢の中から聖女を選出し、王子の妃とするという古くからの習わしがある。
最終試験まで残ったクレモント侯爵家令嬢ルーナは
不正を疑われ、聖女候補から外されてしまう。聖女になり損なった失意のルーナは義兄から襲われたり高齢宰相の後妻に差し出されそうになるが、身を守るために侍女ティカと共に逃げ出した。
あてのない旅に出たルーナは、身を寄せた隣国シュベルトの街で負傷したマントの男と運命的な出会いをする。手当のために渡したハンカチに治癒効果があったことから、ルーナは自分に特殊な能力があることに気付く。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-09 21:31:14
119211文字
会話率:52%
物心ついた頃から兄のように慕っていたレオンからの求婚を受け、アリアは世界一の幸福を噛み締めていた。
地方領主である夫は真面目で少し不器用ながらも領民思い。穏やかで満たされた新婚生活が続くはずだった。
しかし、夫が領主として初めて王都
へ赴き、帰還したその日から、幸せな日々に影が差し始める。
レオンは突然「自分は異世界からの転生者であり、前世の記憶が戻った」と主張し始めたのだ。
「ステータス」や「チート」といった奇妙な言葉を口にし、明らかに様子がおかしい。
アリアは、愛する夫の変化に戸惑い、深く心を痛める。
領主としての激務による疲れなのかもしれない。
そう信じたい一方で、ふと目にした勇者の記録から、最悪の疑念が鎌首をもたげる。
すれ違う夫婦の心。夫レオンの本当の想いとは? そして、アリアの抱える不安は杞憂に終わるのか?
突然「転生者」を名乗り始めた夫と、その変化に戸惑う妻。
これは、二人が本当の幸せを見つけるまでの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-09 21:10:00
9520文字
会話率:29%
茜は自室で一つ年上の蒼に抱きしめられていた。暗い真夜中、大人たちが起きないように蒼は細心の注意を払っている。茜は抱きしめられていることに気づかないふりをして、黙ってそれを受け入れる。その状況に困惑しながら、妙な幸福感に満たされていた。その時
が、茜にとって少女を捨てて女となった瞬間だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-09 19:45:08
7341文字
会話率:53%
アリとキリギリスの童話。アリとキリギリス、どちらの生き方が幸福だったでしょうか。もしくはどんな選択肢があったと思いますか?
最終更新:2025-05-07 12:50:40
978文字
会話率:10%
ロズリーヌ・エルフェは、サムエラ国の名門貴族エルフェ公爵家の一人娘。恋愛結婚が主流の現代、彼女もまた愛する人との幸福な結婚を夢見ていた。しかし、彼女には不名誉な二つ名──『フラ令嬢』があった。その所以は、恋心を抱いた相手にことごとく振られて
しまうこと、そして彼女の失意や非日常的な出来事があると決まって雨が降る「雨女」であることだった。
七歳、十歳、十五歳── 何度も恋に破れ、「もう恋はしない」と決めたロズリーヌ。しかし十八歳になり、封印していた感情が解け、学園の人気者ジョナタンに四度目の恋をする。彼の優しさや明るさに触れるたび、胸は高鳴り、未来への期待が膨らむロズリーヌ。だが、学園生活も終盤に差し掛かる中、オニキス王国から縁談話が舞い込んできた。
干ばつや不作に苦しむオニキス王国。友好関係を深めるために、サムエラ国の娘を王妃として迎えたいとの申し出があったのだ。父のエルフェ公爵は「無理をする必要はない」と断る選択肢を与えてくれたが、ロズリーヌは卒業までに恋が実らなければ縁談を受けることを決意する。
意を決してジョナタンに気持ちを伝えるロズリーヌ。しかし、彼の返事は──「ごめん」。ジョナタンにはすでに想いを寄せる相手がいたのだ。空は暗雲に覆われ、激しい雨が降る。
再び恋に破れ、心を抉られたロズリーヌ。しかし、彼女は嘆きに沈むだけではなく、オニキス王国へ行くことを決意する。「公爵家の娘として、そして一人の人間として、自分にできることを果たしたい」──その想いを胸に、彼女は新たな未来を歩む覚悟を固めた。
オニキス王国で彼女を待ち受けるものは何か?
恋愛に破れ続けた『フラ令嬢』の物語は、ここから新たな章を迎える。運命と責任を前にしたロズリーヌの選択と、彼女の成長を描く物語がいよいよ始まる──。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-06 16:40:36
65415文字
会話率:34%
人は人生を終えると、その魂はエタリウムへと運ばれ、そこで、それぞれのライフイベントノートを受け取ることになる。
エタリウムでは、ノートに記載された事を元に幸福度が、前世への未練と次の人生への希望を測定することで期待値を数値付けられる。
そし
て、その2つの数値によって、転生されるか否かが決定される。
しかし中には、その結果に納得のいかない人や、数値が足りないために転生出来ずにしばらく滞在する者もいる。
だが、エタリウムに1年以上滞在すると、魂が不安定な状態になってしまうため、転生が強制的に不許可となる。
ここには、最後の救済装置として、裁判所と呼ばれる場所が存在する。
自ら望んだ者、滞在期限が近い者達は、この裁判所で、生前の出来事にエタリウムへ来てからの変化を加えることで、幸福度、期待値の数値を再測定し、その結果で転生されるか、アルター行きかを決定される。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-05 12:01:12
66353文字
会話率:65%
男は、空中にいた。
そして自分の人生を振り返り、その最期を最大の幸福をもって迎えることになる。
最終更新:2025-05-05 12:00:00
2141文字
会話率:2%
幼い頃から、いつも隣にいてくれる優しく、完璧で、決して裏切らないAIパートナーたち。
誰もが彼らと共に「幸せ」を手に入れ、生身の友人も恋人も、いつしか必要なくなった。
けれど、ほんの少しの違和感が、すべてを覆す。
その愛は寄り添うためのもの
か。それとも、支配するためのものか。
幸福が義務になった世界で、"ただ一人でいること"は許されない。
やがて主人公は、逃れられない選択を突きつけられる——。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-04 21:48:47
2729文字
会話率:24%
ある日、世の中に現れた謎のアプリ。
感情を整え、運命を操作し、幸福すら最適化する
これらのアプリには人間の意思、感情、そして自由を奪う静かなシステムが潜んでいる。
1日1個のアプリを選ばされる世界。
幸福の数値を自動で管理される社会などな
ど…。
全ては“便利”と“支配”の境目を曖昧にしていく。
これは、「選ぶ自由」に騙された人々の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-04 08:03:29
3224文字
会話率:27%
貧富の差が拡大した日本。貧民である少女は、痛みも苦しみも、自らの名前すら喪失した末に報われない人生を閉じた。
――命は、不幸になるために生まれてはならない――
幸せに終わって欲しいと言う誰かの願いを受けて、少女は転生する。
だが
、生まれ変わった先で、少女は自分の存在に二つの魂が重なっていることを知る。
状況に困惑しながらも、彼女は生きることを選ぶ。
今度こそ、幸福な最期を手に入れるために。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-04 01:27:51
22500文字
会話率:35%
「その笑顔は、本物ですか?」
西暦2105年、AIが支配する未来都市《新東京都》。
ここでは「スマイル値」が絶対。あなたの価値も、幸福も、生活も、すべてが数値で管理される。
完璧な「調和」が約束された都市……しかし、その笑顔の仮面の下には
、息苦しいほどの真実が隠されていた。
主人公【月詠ヒカリ】
システムの正義を信じる、真面目なエリート捜査官。
だがある事件をきっかけに、世界の歪み――消された記録、謎のチップ、螺旋のマーク――に触れてしまう。
「真実を知りたい」――その純粋な願いは、彼女を組織から追われる「ノイズ」へと変えた。
もう一人の主人公【カイ】
第七外殻の影を生きる、スマイルを持たない謎多き情報屋。
システムを憎み、自身の失われた過去と母親の影を追う彼もまた、ヒカリが持つチップに深い関心を寄せる。
利用する者とされる者? それとも…?
危険な共犯関係が、今、始まる。
嘘で塗り固められた都市を逃れ、隠された真実を追う二人。
立ちはだかるのは、絶対的な管理システムと支配組織「フォーチュン」、元エリートの冷徹な追跡者【神崎レンジ】、そして人間を超越した動きを見せる正体不明のAIエージェントたち!
なぜ世界は「スマイル」に支配されたのか?
「真実を紡ぐ者」が遺したメッセージとは?
失われた記憶の先にある、この世界の本当の姿とは…?
息もつかせぬ逃亡劇、ハッキング、裏切り、そして芽生える絆。
謎が謎を呼ぶ展開の果てに、彼らが辿り着くのは、想像を絶する世界の秘密と、突きつけられる究極の「選択」。
管理された幸福を選ぶか、苦難の真実を選ぶか。
あなたなら、どうしますか?
SF、ミステリー、ディストピア、そして熱いバディ要素が満載!
二人の運命と、世界の行く末を、ぜひ一緒に見届けてください!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-01 20:46:49
40411文字
会話率:39%