素間を失った庄助は、気力を失ったまま興行に出る。
火事で死んだはずの庄助が、生きていたと間の山は大騒ぎとなる。庄助の無事を喜んだ松右衛門から、大杉の主が、庄助の葬儀を出すと、騒いだ事件を知らされる。前代未聞の大騒ぎを訝った松右衛門は、庄助の
父親は、幸福家の四男ではないかと告げる。
小屋を失った庄助は、太兵の使っていた小屋へと足を向ける。村の巫女、美月の手で浄化された小屋で、素間、太兵を偲び、美月を想う。
御座へ戻るようにと、庄助を迎えに来たおこうは、太兵が使っていた小屋の一帯に残る、鬼子母神、お花の怪談で庄助を怯えさせる。怖がる庄助だが、あれはただの噂話だと、自らに言い聞かせる。
眠れない庄助は、筵を捲って小屋に入ってきた影に悲鳴を上げる。影は庄助の悲鳴に驚いて出て行くが、天井からぶら下がった髪に、庄助は肝を潰す。
美月との関係は許さないと、騒ぎ立てながら、母は庄助に迫る。
男の精を吸い尽くす鬼子母神お花と、庄助の精を求める母は、庄助には、どっちもどっちの化け物にみえる。
呼び出しのかかった母に従って、庄助は、村の集会場に出かける。呼び出しは、村の大事に、主たる村人を集め、主様のご意向を覗う集会だ。
各々に色の混ざり合った衣に身を包み、面を被った集会に、初めて参加する庄助は目を見張る。庄助は、玉家の中に美月の姿を探すが、美月はいない。気落ちする庄助をよそに、母は玉家のおこんと、言い合いを始める。剣呑な雰囲気の中、村長は、美月が神隠しにあった、明日から、間の山は物忌みに入ると告げる。
太兵、素間に続き、美月までをも失っては、生きていけんと、庄助は村を出る。とにかくにもまず、件の仲間を当ろうと、浦口大夫の邸を見張る。ところが、浦口大夫は極悪人で、素性がばれて夜逃げをした後だった。庄助にそれを告げた印地打ち誠二郎は、共に浦口邸に忍び込もうと誘う。
誠二郎は信用ならんと思う庄助だが、忍び込んだ邸で血の跡を前に、おそらくは殺された、浦口邸の手代、駒次郎に手を合わせる誠二郎の姿に、気を許し始める。誠二郎は、駒次郎の女から頼まれて、駒次郎の無実を証明する品を探しに来たのだという。
自分は悪党ではないと、庄助に訴える誠二郎の話に、耳を傾ける庄助は、近寄る気配に気を取られた隙に、誠二郎に刃物を突きつけられる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-28 10:00:00
29473文字
会話率:31%
高校一年の廃道善人は、廃墟写真に心を奪われ、カメラマンになることを夢見ていた。
入学式の日、母と姉の母校で、青鬼子希望という美しい先輩に出会った。十六年前に母と姉の命を奪った、廃墟での転落事故の真相を知りたければ、廃墟研究部に入れと要求する
先輩。なし崩し的に入部することに。
だが、すぐに後悔していた。なぜなら、先輩は頭のおかしな人だったからだ。
ミステリーツアーだと強引に連れて行かれた夏合宿では、先輩と二人きりで、廃墟の地下室に閉じ込められた。『古今東西 奇妙な死に方 百選』という物騒な本を熱心に読む先輩は、「どんな理由があれば殺せるのか」という、倫理的で不穏な問題を突きつけてくる。無事に合宿から戻ることはできるのか。
※タイトルを「僕の先輩は頭がおかしい。」から「廃墟で殺されるのにうってつけの日」に変更しました。
グロ系シーンがあります。苦手な方はご注意ください。
いろんな主人公の視点がありますので、キャラ名をご確認ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-03 22:00:00
164247文字
会話率:39%
とある王国、とある領主の館にて、人ならざるもの、生まれ堕つ。
プレラティ侯爵家の長女であるその子は、燃える赤い髪と、金色に光る狼の眼差しを持っていた。忌み子、鬼子と殺意を向けられる中、同席した司祭が歓喜の涙を流しながら高らかに宣言す
る。
曰く――この女児こそ、人類の希望たり得る勇者である――と。
殺意、疑心、怒りと、少しの畏怖。それらがないまぜになった状態で、赤子の父はひとつの決断を下した。
このモノを、この女児を、男として跡継ぎに育て上げる、と。
これが、この宣言こそが、神に祝福されし子の、本来ならば喜んで受け入れられるはずの、"勇者"である女児――ウォルター・ヴォルフガング・プレラティにとって、地獄のような日々の始まりの音となった。
待ち受けるは試練の数々。そして定められし『魔王』との決着。過ごした幼少期故か、決して人を受け入れぬ孤高のウォルターだが、彼女の前に現れたのは――?
――何もいらなかった。ただ生きるために耐えてきた。そんな自分が――ただひとつ、心から、欲しいと思うものを見つけた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-15 22:15:23
15017文字
会話率:29%
神から与えられた土地、上の国にある七つの里は強力な妖力や神通力をもつ大妖怪達によって納められていた。
主人公の紫苑は七つの里の中でも強い力を持つ鬼の一族の姫として生まれたが、母が人間であるため一族の者から煙たがられて育った。
ある日、腹
違いの兄と一緒に訪れた七つの里の中の一つ妖狐の里で運命的な出会いを果たす。
自分と似た境遇の妖狐の少年と上の国から逃げて一緒に暮らす事を夢みるが、ひょんなことから兄との衝突で隠された力が蘇る。
どこまでも主人公に一途な妖狐の少年は鬼の里まで紫苑を助けにやってくるが……
幼い鬼子と妖狐の切ない初恋物語です。
こちらは、現在執筆中の長編小説の過去編として執筆しました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-10 19:13:26
49119文字
会話率:30%
鬼子母神前を崇める美濃地方【北杜(ほくと)の国】には、いま戦雲がたちこめていた。前皇太子の忘れ形見であり、仏門に入っていた僧兵将軍【奈落仁八房(ならくじんやつふさ)】が正義を唱えて反乱をおこしたのだ。城主の妹であり国の主力軍総大将【彼岸姫北
上散良かひがんきほくきたはらら】は、その立場ゆえに、反逆者となった従兄(いとこ)を討つ覚悟を決めねばならなかった。しかし、幼い日、恋心を抱いた奈落仁と戦うたびに美姫の心は揺れ始める。
偶然に同じ夢を見ていた、中学三年生の北条千海(ほうじょうちゆ)、岡田麻美(おかだあさみ)は、赤点の補習免除の為、無理やり参加した学内文芸コンクールの作品で盗作を疑われ、反抗むなしく教師から逃げる途中の事故でふたり一緒に異世界に飛ばされる。そこは今と異なる歴史を持つ、未来の戦国時代だった。ふたりは生き残る為に架空の戦国武将の姫とその従者のフリをすることにした。そこで見る切なく美しい愛の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-15 19:00:50
15374文字
会話率:65%
三十歳の誕生日。ニートで童貞の『ローン・ウィークリー』の元に一枚の手紙が届く。
差出人は『職業訓練生(ハローワーカー)』を養成する、『ホグワーク公共職業訓練校』の『浜井鬼子』だった。
喋りだす手紙の口車に乗せられ、ついホグワークに行ってし
まうローン。
何をやっても上手くいかなず、全然続かない彼の『冴えない人生』を変える物語が、今始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-08 00:54:28
10008文字
会話率:62%
こんにちは。九州大学文藝部です。
今年の春から、部誌のオンライン公開を行うことになりました。今回は新入生号をお届けします。楽しんでいただければ幸いです。
九州大学文藝部の日々の活動はTwitterでご覧いただけます:https://twit
ter.com/kyudaibungei
また、カクヨムでも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-03 13:05:28
7117文字
会話率:52%
日本国憲法と自衛隊という決して交わらない両者が一時的に…
キーワード:
最終更新:2020-05-09 02:49:34
1887文字
会話率:0%
僕は、神代の国に居ます。僕らの周りには、沢山のお友達がいます。けれど、僕と同じ姿をした人はいない。どうして?僕は、探す。僕の仲間を。
「僕」は、この世界にはいない神代の国へ赤子の時期に神隠しにより連れ去られ、真白の子達によって育てられた。僕
は、鬼子と皆から呼ばれる。
僕は、人間だ。だけど、僕以外の人はいない。僕は、真白の子が「隠して」持ってきてくれた娯楽作品の事しか知らない。僕は、「外の人」に憧れる。外に出たいけれど、出ることはできない。だから、僕は尋ねる。このお話は、周りの愛しいモノ達に、「人」の事を尋ねて回る旅。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-21 20:26:15
3570文字
会話率:23%
怪異請負人、そう呼ばれる霊能力者の少年・堤勇樹は高校のオカルト研究部に属しながら、怪異に挑んでいくことになる。
しかし、怪異の裏に「鬼子母神」と呼ばれる秘密結社がいることが分かり、勇樹は悪の秘密結社と戦うことを余儀なくされる。
最終更新:2020-04-11 18:09:48
1596文字
会話率:59%
さらう さらう 子をさらう___
しらない しらない 鬼が出る___
かみさま畏れぬ 鬼が出る___
鬼がさらう子 鬼に成る___
鬼が哭くから 子も鬼に成る 子鬼なる___
鬼と子鬼で ケラケラわらう___
鬼が哭く山と名付
け噂された【鬼哭山】から望む村【神去村】に代々伝わる童歌
童歌に出てくる1匹を好んで生きる鬼『モノ』と、1人を拒んで生きたい子鬼『アオ』
童歌にして隠されたモノとアオの『生まれてきた意味』を探す物語
可笑しな1匹の鬼と可笑しな1人の子鬼の可笑しな出会いが紡いだ物語
いざ開幕___
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-20 09:37:59
2794文字
会話率:51%
もしも桃太郎の桃がおばあさんに拾われなかったら……と言う物語です。
※本作品は他サイト様でも掲載しています。
最終更新:2019-10-10 23:49:33
114739文字
会話率:55%
鬼子は、どうしても大きなツノがほしかったのです。
最終更新:2019-06-23 08:29:49
2119文字
会話率:64%
むかしむかしあるところに、双子の少年たちが居ました。
白髪金眼の少年たちを村人は鬼子と呼び忌み嫌いました。
ですが、本当に少年たちは鬼子だったのでしょうか。
本当の鬼子とはなんなのでしょう。
最終更新:2019-05-19 22:03:49
1060文字
会話率:0%
幼い頃に子供らしからぬ明確な自我と有り得ぬ知識を発現した女の子・鬼灯要。そんな彼女の住む家は所謂ヤクザという家だった。
最終更新:2019-05-13 00:00:00
19893文字
会話率:52%
昔々、鬼子母神という人食いがおりました。
鬼は人の子を拐し、その肉を食らって暮らしおてりました。
お釈迦さまは、暴虐の限りを尽くす鬼子母神を見とがめ、その末の子を隠してしまいました。
鬼子母神は末の子を思って泣きはらし、心を改めましたとさ。
めでたしめでたし。
本当かな? これでいいのかな?
「ねぇ。鬼はそのまま泣き続けて死ねばよかった、と思わない?」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-02-04 19:53:33
12703文字
会話率:33%
青空市場の襲撃は二日目に決まった……。
森が燃え、都は落ちる。
関係の薄い現在・過去・未来の混じった話。
現在:大鬼《オーク》と座卓の魔族たち(仮)
過去:鬼子ノ森《もり》(仮:炎の日Ⅰ)
未来:王都炎上(炎の日Ⅱ)
キーワード:
最終更新:2019-01-20 01:48:11
30662文字
会話率:41%
第三次世界大戦後、世界は放射能の汚染により独特な進化を遂げていた。
歴史は失われ、大抵の地域は分裂し交流を失っている。
物語は、大海に浮かぶ島「最果ての島」から始まります。
島民から嫌われている少年と少女のボーイミーツガールの話であり、
お
供の自動人形を巻き込んだ冒険物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-08-14 00:18:31
34469文字
会話率:24%
2010年秋、某巨大掲示板はとある投稿者の発案に大きな盛り上がりを見せていた。日本鬼子(ひのもとおにこ)。中国で日本人を侮蔑する際に使われるその名詞を萌えキャラにしてしまおうという。それは日本や中国はおろか、全世界で話題となった。だが、そ
の裏でこんな不可思議な出来事が有ったのを知る者はごく僅かだった。
かつて有ったムーブメントを題材にした創作です。
お楽しみ頂けましたら幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-08-08 14:49:04
159315文字
会話率:38%
賽の河原での鬼子の苦難。
最終更新:2018-06-28 18:24:36
3374文字
会話率:44%