八雲紫が敷いた絶対不可侵の掟『スペルカード・ルール』。幻想郷に居る限り破られる筈のないそれが、突如消失した。それを境に人間に対して悪意を持つ妖怪達が人里を襲い始める。霧雨魔理沙は面倒くさがる親友の巫女に喧嘩別れのような捨て台詞を吐いて、単
独で妖怪の群れを撃退しようと奮闘する。そこに人里の住人を避難させ終えた上白沢慧音、本来なら有り得ないことにツーマンセルを組んだ十六夜咲夜と紅美鈴が駆け付け、何とか撃退に成功する。
同時刻、いかにも渋々といった調子で博麗霊夢は身を起こす。事態の収拾に臨もうと身支度を整えていると、いつの間にか現れた謎の青年が賽銭箱にザラザラとお賽銭を流し込んでいた。話を聞くと、彼は博麗巫女に何かしらの恩義を受けていたらしく、これはそのお礼だと語る。余りの金額に霊夢が戦慄していると、その青年は忽然と姿を消していた。不審に思うも、それを記憶に刻むより早く意外な二人が境内に降り立つ。彼女達は現れて開口一番、何処か焦るように、縋るように告げた。
「紫様が、何者かに連れ去られた」
少し時系列は戻り、紅魔館でも騒ぎが起きていた。いつものように地下室で居眠りしていた筈のフランドール・スカーレットがいなくなったのだ。レミリア・スカーレットは自身の能力で、パチュリー・ノーレッジは魔法でフランドールを捜索し、咲夜と美鈴は幻想郷を駆け巡って助力を要請した。その過程で人里を襲う妖怪達を見付け、孤軍奮闘していた魔理沙に、同じく駆け付けた慧音と共に加勢しこれを撃退する。事態を見て、彼女達は同じ結論に至った。ある者は拒み、ある者は望み、ある者は無視し、ある者はため息をつく、その現象──即ち、これは『異変』だということに。
この『異変』は地底世界、冥界、妖怪の山、天界──まさしく幻想郷全てを巻き込む、かつてない規模のものだった。その中心、元凶はたった二人の『外来人』──『人間』と『鬼』だった。
この『異変』の切っ掛けは過去──八雲紫、西行寺幽々子、鬼母神、そして初代の博麗巫女が密接に関わっていた。『過去の清算』を巡り、規律なき死闘が幕を上げる!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-12-24 05:00:00
33261文字
会話率:39%
その日から、少年はすべてを失った。愛する家族も恋心を抱く幼馴染も、みんな彼の存在を忘れてしまったのだ。
くすんだ藤色をした靄を纏った“奴”さえ現れなければ、脳が、心臓がグシャっと潰れなければ少年は、神の子として世界を破滅させる“奴ら”
と己の存在・命を引き換えに戦わずに済んだのだ――。
世界は自分を忘れたのに、存在を抹消したのに、彼らはそんな世界の破滅を防ぐために特殊能力を駆使し戦う。人間には見えない“奴ら”と死闘を繰り広げ昇天させ散華しながら、彼らは戦うのだ。人間には感謝されない命賭けの戦いを、誰が為にするのか。
何の為に彼らは戦い死んでいくのか。
そんな生活の陰で誰にも感謝されないまま戦い散華する彼らを、皆さんは信じますか?皆様の世界が破滅に進むのを、青春を、人生を謳歌する人間の陰で暗躍する彼ら――神人の戦いを知って上げることは出来ますか?
※一旦長期休載します。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-07-19 01:57:49
40503文字
会話率:48%
後に紅霧異変と呼ばれる事件。その最後の勝負の一コマ。
レミリア・スカーレットを、スペルカード残り一枚というところまで追い詰めた霧雨魔理沙は――。
東方Projectの二次創作小説です。
ピクシブ小説に転載してます。
最終更新:2010-06-22 16:45:03
2767文字
会話率:15%