物の怪に襲われたことをきっかけに、自殺願望を持つ人に近づくと耳鳴りと頭痛がする能力を手に入れた主人公、言咲優心と霊感少女の可愛川秀華が織りなす物語。
主人公×ヒロインが主です。
最終更新:2025-06-21 22:57:25
37281文字
会話率:38%
耳鳴りが始まったのは、いつからだっただろうか。
否、正確には――耳鳴り「という言葉でしか括れぬ何か」が、僕を蝕み始めた時のことを、僕自身がよく覚えていない。朝の街を歩いていたときか、夕暮れの駅で、誰かの罵声を遠巻きに聞いたときか。あるい
は、それよりずっと前、母の胎内でさえ、既にその「ざらついた残響」は響いていたのではあるまいか。
ヴィジュアルスノウ。
視界に走る白い砂嵐。
目を閉じても、まぶたの裏でさえも消えない雑音の粒子。
それは、ただの病だと医者は言う。脳の誤作動、視覚皮質の異常な興奮。
だが、僕には信じられない。
あれほどに確かな“意味”を持ったノイズが、ただの電気信号の誤作動などで済まされてよいものだろうか?
街を歩けば、人の顔が溶けていく。
電車の窓に映る自分の輪郭さえ、まるで濁った水に描いた炭の絵のように、曖昧で、醜くて、崩れている。
それでも、僕には見えてしまうのだ。
――薄汚い「人間」の姿が。
偽善の笑顔に宿る、打算の軌跡。
親切の裏に潜む、支配の欲望。
恋慕の眼差しの奥でうごめく、破壊への衝動。
そのすべてが、白い砂粒となって視界を侵し、金属音めいた耳鳴りとなって僕を貫いてくる。
これは病か。
それとも――啓示か。
神よ、答えてくれ。
なぜ僕だけが、こんな世界を「見せられて」いるのだ?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-17 22:43:32
1104文字
会話率:3%
朝の光が窓から差し込み、東京都心に位置する私立星陵高校の教室を穏やかに照らしていた。五月も半ば、中間テストが終わり、生徒たちはどこか浮ついた空気に包まれている。三年B組の教室では、担任である田中先生の退屈な古典の授業が緩やかに進んでいた。
「……故に、この歌は古くから男女の情景を」
田中先生の単調な声が子守唄のように響く中、俺、**黒木蓮くろき・れん**は窓の外に目を向けていた。高層ビル群の合間に見える、わずかな青空。都会の喧騒は、この教室の中まで届くことはない。退屈な日常。しかし、それが崩壊する日だとは、誰も想像していなかっただろう。
俺は別に成績が良いわけでもなく、運動神経が特別優れているわけでもない。クラスの中心にいる陽キャでもなければ、隅でひっそりとしている陰キャでもない。どちらかといえば、存在感が希薄な方だ。だが、自分なりに冷静に物事を観察し、判断する癖はついていた。特に、人々の行動原理には興味があった。群れることで強くなる者、群れることで弱くなる者。人間なんて、所詮そんなものだ。
その時だった。
突如として訪れた異変
一瞬、教室全体が白く輝いた。強烈な光に目を閉じると、耳鳴りがキーンと響き渡る。まるで、高速のエレベーターが急降下するような胃の浮遊感と、全身を包み込むような圧迫感。それは数秒間続き、次に目を開けた時には、見慣れたはずの教室が、まるで何かの装置の中にいるかのように揺れていた。
「な、なんだ!?」
誰かが叫ぶ。田中先生も呆然とした顔で立ち尽くしている。教室の窓の外に見えていたはずの高層ビル群は、跡形もなく消え去っていた。代わりに広がっていたのは、見渡す限りの深緑の森。そして、視界の遠くには、まるで空に浮かんでいるかのような巨大な岩の塊がいくつも見えた。
「うわああああああ!」
「地震!? いや、違う!?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-16 17:11:05
9617文字
会話率:29%
霊感とも言えない、うっすら感じる程度のサラリーマンの、とりとめのない心の声です。厄介な仕事相手に会うのは気が重いとため息を吐いたとき、思わぬ相手に励まされるというお話。
最終更新:2025-06-13 15:49:26
2033文字
会話率:0%
初めまして、天川裕司です。
ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。
また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。
どうぞよろしくお願い致します。
少しでも楽しんで頂き、読んだ
方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬
【アメーバブログ】
https://blog.ameba.jp/ucs/top.do
【男山教会ホームページ】
https://otokoyamakyoukai.jimdofree.com/
【YouTube】(不思議のパルプンテ)
https://www.youtube.com/@user-vh3fk4nl7i/videos
【ノート】
https://note.com/unique_panda3782
【YouTubeドラマにつきまして】
無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、
お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです(BGMのみ)。
基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。
創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪
出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬
でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、
どうぞよろしくお願いします(^^♪
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-08 02:34:12
272文字
会話率:0%
十歳の頃、初めて異世界の恋愛小説を買った。
その小説は読んでみるととても面白く、泣けたことを覚えている。
初めて出会ったロマンチックな場面もあれば、時にはすれ違い、甘い場面もあり、それに胸を高鳴らせた。
その中でもう一つ面白かった要素がある
。
——それは、『悲劇のヒロイン』
今でもヒロインが言った言葉は覚えている。
『何でみんな、私にばかり意地悪するの?』
『私が可愛くないから? ……そっか、私可愛くないから……』
などなど、挙げればキリがない。
無論イライラしたこともその『悲劇のヒロイン』が出てくる場面では絶対ある。だが、全てのヒロインが悲劇を演じている訳ではないと思ったのも事実。だったら、自分がなってみせよう。そう思った。
そして、もう直ぐ、あと少しというところで、車に轢かれた。
浮かれていたのだろう。友達も増えて、人生が上手くいって。
クラスメイトの『——ちゃん!』という声は、鬱陶しい耳鳴りと共に消えた。
これが、自分の前世の物語だ。これって、転生だよね……と思いつつも、ベッドから降りて部屋を見渡す。
目に留まったのは硝子で造られた机の上にある一冊の本だった。
「あれは……?」
不思議に思いながら、警戒心を放ちながらその本の最初のページを開くと、その本の右側には『王立シュミレーク学園』左側には『クレイア魔法学園』と書いてあり、クレイア魔法学園だけは赤い丸で囲まれている。
だが、気になったのはそれではなく——。
「王立シュミレーク学園って……『私の初恋は貴方だから』の舞台じゃない!」
乙女ゲーム、『私の初恋は貴方だから』
攻略対象者たちと仲を深め、愛を育んでいく乙女ゲームだ。
この本のタイトルは『クララ・エウン・ヘコシーリル』
「これが、今の私の名前……?」
だが、乙女ゲームにそんな名前のキャラはいなかったはず。
なら、考えられることは一つ。
(私は、モブキャラ……?)
とても都合の良いキャラに転生した。そう思い頬が緩む。
(だって、ヒロイン自体に転生したら、つまんないじゃない?)
自分に問い掛けながら、クララは自らの胸元で手を絡める。
(モブから『悲劇のヒロイン』に、成り上がってみせる!)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-28 18:24:29
6846文字
会話率:33%
大きな金融会社の偉いところにあたる、
代々受け継がれてきた真邊(まなべ)家の一人息子、真邊(まなべ)大子(たいし)。
彼は子供の頃から病弱で、学校もいけずに寝込んでばかりの日々を送っていた。
中学生になる頃には身体を丈夫にしようと、散歩や家
の手伝いをはじめる。高校生になった大子は、手伝いや通学をできるまでに回復したのだが、ある時期から謎の耳鳴りに悩まされていた。
いつ耳鳴りが起こるかわからないため
原因を探す彼の物語がはじまる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-10 00:00:00
29757文字
会話率:24%
星井須 タァは普通の高校生だった。
しかしある日、謎の耳鳴りとともに記憶が消え、黒い機械装甲を身にまとえるようになっていた。
果たして魔族、魔法を使える人工生命体、魔行犯罪者、様々な脅威に脅かされ不安を募らせる人類を救済するヒーローに星井須
タァはなれるのか!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-04 02:04:13
24299文字
会話率:48%
夢は現実の裏側に繋がっている──
日常の隙間から滲み出す、旧き神々の影。
桜咲く山で、耳鳴りの夜に、あるいは言葉に出せない違和感の中で、
人はいつか、“見るはずのなかった夢”に触れてしまう。
クトゥルフ神話風短編集。
最終更新:2025-04-12 17:19:57
4535文字
会話率:10%
気を抜いたら──、いや気を抜かなくとも。
持病の、耳鳴りは、鳴り止まないのです。
最終更新:2025-04-10 22:45:18
200文字
会話率:0%
友達を見つけるのは、とても難しいことだ。
最終更新:2021-11-02 00:55:28
200文字
会話率:0%
毎年恒例になれば良いかなぁ。
御目出度い時季にはホラーを。
シリーズ、第2作目かもしれません。
気がつく前に、“そこ“にいます。
最終更新:2019-01-01 00:00:00
1344文字
会話率:10%
西暦2082年
日本の片田舎で過ごす青年 僕。
ある日、ひどい耳鳴りと耳が塞がるような感覚に襲われ外に飛び出ると自宅の庭に15mほどある人型の物体が転送されてきた。
驚くのも束の間、僕は機械に諭されるようにヒトガタを
操縦し想像もしない人類の未来、過ち、愚かさを知ることとなる。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-03-26 15:51:37
2427文字
会話率:40%
耳鳴りがずっと続くようになりました。
今は経過良好です。
ちょっと、まとめてみたよ~。
最終更新:2025-02-26 14:00:00
1448文字
会話率:20%
【第12回 小説 野性時代 新人賞 投稿作品】
慶応の時代、オチヨは島で鯨漁を取り仕切っている父親に殴り殺され、海に捨てられてしまう。数日後、浜辺に打ち上げられた鯨の死体からオチヨの遺体が現れると、島に変事が起き、父親は変死してしまう。人々
はオチヨの祟りだと思い、神社を建てオチヨが使っていた櫛を奉納する。その櫛を盗る者には祟りが起きるという言い伝えが島には残った。
時代は現代。部活としてユーチューブに動画を挙げるタオ、良太、太一、ヒカルの四人の高校生。鯨女神社で肝試しの撮影を行う。奉納されている櫛を撮影者の太一が盗ると、一頭の鯨の影が神浦の海へ飛んでいくのをカメラが捉える。翌朝、肝試しを行ったメンバーには原因不明の耳鳴りが起き、夜には不気味な鳴き声が響き、巨大な鯨が背中を海面に打ち付ける現象が起きる。
それから四人は自分たちが祟りにあっていることに気がつき、祟りを説いてもらおうと行動するが・・・・・・。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-22 11:06:14
150735文字
会話率:40%
星に手が届きそうな夜はいつも耳鳴りがする。
キーワード:
最終更新:2025-02-07 00:13:40
519文字
会話率:0%
これは、とある秋に差し掛かった日のこと。
私はいつも通りに大学の授業を終え、帰ろうとしていた時のこと。
イヤホンで流れる好きな曲に耳を傾けていると、耳鳴りが…。
その耳鳴りと共に聞こえる私を呼ぶ声。
その声の正体とは?そして、その意味は一体
…。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-12-04 16:39:53
1010文字
会話率:0%
ある夜、森の中。風に揺れる草木のざわめき、枝が折れる音。虫の鳴き声や鳥の羽ばたき。それらとは明らかに異なる、不気味な音が響き、男は手を止めた。耳鳴りのようなその音は徐々に大きくなり、やがて激しい光とともに周囲を包んだ。思わず仰け反り、男は
顔を手で覆う。
やがて光が収まり、森に静寂が戻った。しかし、男のすぐそばには奇妙なものが残されていた。それはまるで石炭ストーブのような形をした、大きな鉄の塊だった。
「なんだ、これ……。急に現れたけど、宇宙船か? いや、でも空から落ちてきた感じはないな……」
そう呟きながら空を見上げた瞬間、ギイイ……と、扉が開く音がした。
「おっ、これは驚いた。こんな場所で人に会うとはな」
「えっ」
男は思わず声を上げた。暗がりの中、その鉄の塊から老人が現れたのだ。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-11-24 11:00:00
2223文字
会話率:85%
主人公は30代後半の孤独な男。
東京で編集者として働いている。彼の生活は淡々としていて、特に目立った出来事もなく、毎日が流れていく。しかし、ある日、彼は突然耳鳴りに悩まされ、次第に周囲の音が消えていく現象に気づく。音が失われた世界において、
彼は普通ではない現象や奇妙な人々に出会い始める。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2024-10-20 16:43:10
7770文字
会話率:28%
現在耳鳴りで苦しんでいる方向けの短編になります。
小説や物語ではありません。
藁にでも縋りたい。そんな思いで調べて、こんな場所を発見した方向け。
最終更新:2024-10-20 05:12:51
2625文字
会話率:0%
大学生の北窪優は、奇妙な耳鳴りやスピーカーからの不気味な音に悩まされる。
キーワード:
最終更新:2024-10-01 15:24:03
15627文字
会話率:42%
霊道上にあるという噂の喫煙所で煙草を吸っていた私は、なんの前触れもなく酷い耳鳴りに襲われた。
筆者の実体験を元に描いた当時としてもヒヤリとし、だいぶ時間が経過してからまたヒヤリとした出来事を描いた作品です。
キーワード:
最終更新:2024-09-09 20:00:00
352文字
会話率:0%
耳鳴りがするほどの真夜中の静寂。
その中に聞こえる人の話し声のような幻聴。
話し声に耳を傾けていると・・・
最終更新:2021-04-15 10:00:00
893文字
会話率:43%