「ちょと待ってマスター!つまり私に冒険者ギルドの長をやれと!?」
大きな猫耳が特徴の獣人族の女の子ミミは、冒険から帰ってくるなりギルドマスターから無慈悲な要請をされる。
「ああそうだ。ミミにはギルド長になってもらう。当然だがこの本部では
ないぞ?新しく設立する支部の…それも臨時のギルド長だ。ブリランテ公国を知っているか?世界地図では北に位置するピアーニ島にある小国の一つだ」
「ピアーニ島?ブリランテ公国?どっちも知らん」
不貞腐れながら口悪く答えるミミだったが、これは既に決定事項のようでマスターの考えは変わらない。
必死の抵抗も虚しく、ミミは同じ冒険者ギルドの仲間であるアドルと共にブリランテ公国へと派遣されるのであった。
それから一年の後。
通年気温も湿度も比較的低く、もうすぐ初夏になろうかというのに降り注ぐ日差しが温かな公国に、商人ギルドの女性ギルド長であるエイルが視察に来ていた。
エイルは公国の商店街を一通り見て回ると難しい顔で考え始める。
「商人ギルドとしての公国での最終目標は上層にいる貴族との繋がりだ。故に商人ギルドと貴族を結べそうな人物がいいが問題は誰に店を任せるか…だな。話題性は当然欲しいがコストをかけるには懸念点がある。ん?ギルド?そういえば公国には一年前から冒険者ギルドがあったよな。確かギルド長は…」
エイルは指をパチンと鳴らすと歓喜して躍り上がった。
「そうだミミだ!ここはミミに任せよう!アイツならどちらの条件に対しても申し分ない!」
一転して真剣な面持ちを見せたかと思えば次の瞬間には再び笑顔になるエイル。
冒険専門なお気楽獣人族であるミミにお店の経営など任せても大丈夫なのだろうか!?
ミミを中心として色々な人物を巻き込みながら繰り広げられる物語の結末は!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-17 13:18:07
19680文字
会話率:43%