『妹さえいればいい』こそを至上のモットーとしている、究極のシスコンである僕明石月祐は、妹の麟と二人っきりで生きていけるように、実は多元的夢の世界であるこの現実世界を含むすべての世界を支配している美少女夢魔に、『永遠の夏休み』の世界へと異世界
転移する願いを叶えてもらったのだが、その代わりに『夢魔のお仕事』を手伝うことになったのであった。
現実世界の暮らしに疲れ果てた極普通の女性たちの、SF小説そのままの『美少女全知JS』や『美人タイムトラベラー』やミステリィ小説そのままの『美少女JK名探偵』になりたいという願いを、夢魔とともに叶えつつ、ついでにそれこそSF小説顔負けの真に理想的な全知やタイムトラベルの在り方を提示したり、ミステリィ小説における永遠の未解決定理である『後期クイーン問題』をあっさりと解決したりといった、文字通り八面六臂の大活躍を行っていったのだ。
しかし実は彼女たちは夢魔によって、望みが叶った『夢』を見せられていただけなのであって、真の現実世界においては昏睡状態にあったのである──。
※この作品は『カクヨム』様のサイトにおいても、同時に公開しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-05 20:00:00
182144文字
会話率:42%
高校生ながらもネット上でミステリィ小説を発表している、僕こと横須賀七罪がお付き合いを熱望している一つ年上の先輩で文芸部の部長を務めている防人海鳥は、実は何と三つ子の姉の睦美と妹の空実との三人で一人の存在なのであり、まさしく並列型の量子コン
ピュータそのままに全知的未来予測能力を誇り、ミステリィ小説等に登場してくる『名探偵』顔負けの推理力を駆使して、数々の難事件を解決していた。
しかしあまりに頻繁に並列化を繰り返したために、いつしか三姉妹の人格の境界があやふやになっていき、まさに三つの魂が一つにならんとし始めたところ、いの一番に消えてしまう人格は三人の中で唯一『名探偵』としては何の役にも立たない、ただの文学少女である自分に違いないなどと出す言い出す、海鳥先輩であったが──⁉
※この作品は、『カクヨム』様のサイト上においても、同時に公開しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-04-06 20:00:00
24637文字
会話率:48%
小学校教師である僕がこの春から受け持つことになった幼き少女夢見鳥愛明は、何と人の不幸を予知できるという異能の力を持つゆえに『忌まわしき魔女』として、当時の担任も含めた学級ぐるみでいじめまがいの目に遭って、去年からずっと登校拒否を続けていた
。
確かに彼女はこの国で古くから密かに権力者に仕えてきた異能の一族である『幸福な予言の巫女』の血筋であったが、突然変異の忌み子たる『不幸な予言の巫女』であるゆえに、母親が一族と縁を切って出奔しなければ、闇から闇に葬られるところであったと言う。
一般社会どころか同族である異能の一族からも見放された愛明は、周囲に対してはもちろん、自分自身に対しても絶望して完全に心を閉じてしまっていたのだが、僕はそんな彼女をむしろ『不幸の予言』を使わせることによって、自信を取り戻させようとする。
なぜなら、まさにその『不幸の予言』を使うことによってこそ、何と真に人を幸福にすることができ、あまつさえミステリィ小説における永遠の未解決定理とされていたかの『後期クイーン問題』を完璧に解明して、虚構の存在ならではに御都合主義極まる『名探偵』なんかよりも、もっと理想的に怪事件を解決することすらも可能となるのだから──。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-03-24 20:00:00
153417文字
会話率:49%