『身体のどこかに月の形をしたアザを持っている者は至急王宮を訪れよ』
そんなお触れがすべての始まりだった。
王都から遠く離れた僻地に領地を構えるグラシリル男爵の一人娘、エリネット・グラシリルは、貧乏貴族ながらも領民と一緒になって農作業をす
るなど、細々と、だけど確かに幸せに暮らしていた。
だが、件のお触れが届いたことで、エリネットは両親からうなじに月のアザがあることを知らされる。
至急王宮へ向かったが、そこで大臣だという男性に、アザは王家の血が流れるものだけに現れる体質の証拠だと告げられ――?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-11 11:16:43
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