概要:舞台は山椒が特産の辻沢町。昔は遊里、今は新興ベッドタウンとして栄えていますが、その裏ではヴァンパイアやライカンスロープの「鬼子」が息づくディープな町です。
時代はメタバースが生活に根差している少しパラレルな現代。長時間没入が引き起こ
す精神障害が問題視され、政府による未成人保護プログラム(月1のカウンセリング、1時間までの使用制限)が施行されています。
主人公は、藤野家の二人の養女、藤野夏波(ナツナミ)と冬凪(フユナギ)の辻沢女子高等学校の三年生の義姉妹です。
夏波は辻女の園芸部に所属し、地元のコングロマリット、ヤオマンHD創業家のお嬢、前園十六夜(イザヨイ)とともにメタバース内に日本庭園をディストリビュート(配置)する活動をしていますが、ヤオマンHDの伊礼社長からの強力なサポートを受け業界でも評判が高まっていることから、高校卒業後は十六夜と二人で環境ディストリビュート会社を起業する予定でいます。
かたや冬凪は養母(ミユキ:N市立大学社会学科准教授)の影響から、辻沢のヴァンパイア伝承についてフィールドワークを行っています。最近の興味は十八年前に起きた辻沢要人連続死亡事案の調査です。その裏にはヴァンパイアの権力闘争があったと考えているのですが、それは伝承であるはずの辻沢ヴァンパイアの実在を冬凪が信じているからです。
周辺の女子の間で、たくさんの人が同じ夢を見たり、瀉血(ブラレ=ブラッドレッティング)という自傷行為が流行したりという日常。夏波と冬凪はそれぞれの道を歩みながら、知らず知らずのうちに辻沢の暗部へと引きずり込まれていきます。
また、辻沢ヴァンパイアの影に隠れるように息づく鬼子たち、伝説の夕霧太夫と伊左衛門の流れをくむ彼女たちが、迫り来る危機をどう乗り越えるのか? 夏波と冬凪たちとは次元の異なる存在の「ボク」の独白で綴ります。
構成:
夏波の一人称語り(第n話)の合間に、鬼子の「ボク」の心内話(No.n)を挟みながら辻沢ワールドを語り尽くします。
更新頻度:
毎日17時10分アップを予定しています。
完成は全50万字前後の長編作品になると思います。(22万字まで準備あり)
よろしくお願いします。
※死語構文:この世界のVゲーニンが流行らした、わざと死語を使う構文。使用時は指をエンガチョにする。言葉の生存確認と使いすぎに注意が必要。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-03 17:10:00
60250文字
会話率:27%
『こんばんまして』
超高性能アンドロイド雪月改二号機さんがやってきたのは、宇宙人たちの隠れ里なのだった…。
『ロボ子さんといっしょ!』は各章が独立したオムニバス形式をとっています。後書きが登場人物紹介になっていますので、途中からでもお楽
しみいただけます。
■補陀落渡海編
超高級アンドロイド雪月改二号機さんがやってきた家にはあやしいおっさんが。やがて警視庁公安や宇宙を巻き込む大騒動に。
ロボ子さん始まりの物語。
■かぐや編
大きなキツネと遊ぶ少女の正体は?
千年、そして一万年の孤独。あなたは今でも地球の夢を見てくれることがありますか。
■1月はあこがれの国
11次元の歪みはロボ子さんを不思議な体験に誘う。そして村は大雪に閉ざされていく…
■同田貫一家の事情編
番外編。同田貫一家の少年三人組にもたらされたのは一号機さんのネジ。
市民、欲情は義務です!
■加洲清光編
新しい宇宙船に密航して虎徹さんの旧友がやってきた。やがて殺人事件が。
ホワイダニットミステリ編!
■三人組高校に行く編
同田貫組の三人組が地球の高校に。目つきの悪い美少女にプライドの高い美少女にのんだくれの美女が彼らを翻弄する。
嬉し恥ずかし少女漫画風ラブコメ編!
■長曽禰興正編
宇宙巡洋戦艦不撓不屈。それには虎徹さんのお兄さんが乗っていた。地上にやってきてたちまち虎徹さんたちをパニックに陥れたお兄さんの絶対無敵な性格とは。
■郷宙尉補さん、はじめてのおつかい編
番外編。天才的方向音痴の郷宙尉補さん、おつかいを命じられ決死のおつかいに出る。
■如月さんといっしょ!編
アンドロイドの如月さんが一人で旅をしてきた。ちょっぴりメルヘン。実は本格ミステリー仕立て。
あなたは気付けますか?
■十四夜亭においで!編
加州清光さんと野良ロボ子さんがはじめた喫茶店はなんだか不思議。
ちょっとだけグルメ編。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-26 21:00:00
542745文字
会話率:48%
夏休み。
暇で暇で死にそうな竹内小賦(たけうちおぶ)。戯言とはいえ、行けるものならあの世へ行って、神さま仏さまに会い、説教してやりたいと漏らす。そのあと甥っ子の賢人(けんと)といっしょに、河原でザニガリを捕まえては岸壁に叩きつけて遊んでいた
。
その夜、ふしぎなお告げの夢を見る。なんと千手観音菩薩から一枚のチラシを受け取るのだ。それは『裏野ドリームランド』への誘いだった。
明くる日、テーマパークの場所と思われる日南高等学校近くの山をめざし出かける。
すると、そこには廃園となって久しいテーマパークがあり、そこで謎の托鉢僧・祐遍和尚(ゆうへんおしょう)と出会う。
祐遍に導かれるがまま、絶叫マシン『観音浄土クルーズ』に乗りこむ小賦。
祐遍いわく、『観音浄土クルーズ』は、仏教の教義における観音浄土へ、生きながらめざすヴァーチャル・リアリティーのアトラクションだといい、肉体的には安全だと請け合うが……。
それは恐るべき地獄への幕開けにすぎなかった。
小賦は祐遍と『船』に乗りこんで出かける。この船旅は『補陀落渡海』そのものを再現したものだという。
補陀落渡海……それは、かつて日本仏教がおこなった捨て身の行、宗教的実践の極致だったのだ。
小賦ははたして、無事ゴールすることができるのか?
架空世界からもどるには、観音浄土へ行くとは名ばかりで、そのじつ自死するしかないのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-08-01 23:23:31
68678文字
会話率:28%