七夕の夜、炭焼き小屋に住む源三郎のもとに、ひとりの美しい女が訪ねてきた。
さらさと名乗るその女は源三郎の妻になることを望み、そのまま炭焼き小屋に住み着く。
さらさには普通の人間とは思えないあやしいところがあった。その正体は狐狸妖怪の類ではな
いかと怪しみつつも、源三郎はさらさと仲むつまじく暮らす。
だが、冬が近づくにつれ、さらさの身にある変化が現れた。
妻の身を案じる源三郎は、意を決してその問いを口にする。
「そなたは本当に――ひと、なのか」
果たしてさらさの正体は。そして、妻の正体を知った源三郎は――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-12-24 20:36:32
12263文字
会話率:34%