「俺」は太陽神から寵愛を受け、予知能力を授かった。
だが、予知能力による「死への恐怖」は精神を蝕み、
ついには「俺」という人格とそれを象徴する名前を消すことで、
恐怖に対して安寧を得た。
だが、名前を失った「俺」に対して、太陽神はなにも興
味を持たなかった。
私ももはや、太陽神への愛を忘れ、「死と再生の神」と自らを謳う蛇と出会い、
死と生命の根源へと向かう旅に出た。
もはやそこには太陽神の寵愛という記憶を共にしない「誰か」がいるだけである。
蛇はそんな私をにらみ、こう告げる。
ならば予言者よ、汝に問おう。
「その旅路の最後には、一体だれが待っているのか?」
遥か彼方なる未来は未だ霧がかっていて、見通せない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-28 16:33:27
4196文字
会話率:16%
商店街の一角にある「ギヤラリー夢酔」。胡散臭く不景気臭いその店に、男はしかし、吸い込まれるように足を向けた。女主人が見せてくれた「イコン」は、物心つく前に他界した祖父の「生きた証」だった。死と隣り合わせにある時にこそ、命の輝きのとうとさが分
かるのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-02-19 21:00:00
7457文字
会話率:29%