わがままで猪突猛進なご令嬢がいた。
彼女は一度気になると確認せずにはいられない性格だった。
ある日の夜会で聞いた噂、それは霊場となっている古城に住むデュラハンのことだった。デュラハンは悪行を働いた者の魂を古城に集めているという恐ろしい存在
。
そのデュラハンが驚くほどにイケメンだというのだ。まことしやかに噂されているデュラハンの素顔が見たくて仕方ない令嬢。
彼女は思い立つ。
――――凸りましょう。
しつこく追い回し、素気なく扱われる日々。
「いたっ……今のでちょっと怪我したみたいですわ。お城に入れ――――」
『帰れ。怪我などしないだろうが』
「チッ!」
『令嬢が舌打ちするな』
たとえ霊の溜まり場である古城だとしても。
たとえデュラハンに嫌がられようとも、絶対に見ると決めたからには見る――――!
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17356文字
会話率:46%