違う世界をただ歩く。目的はないし食うに困って野垂れて死ぬかもしれない。頼りになるのは日本語翻訳の怪しい〈カタログ〉と〈ポイント〉
最終更新:2024-05-28 09:34:22
3025281文字
会話率:16%
母を幼くして亡くし、継母に虐げられながら成長した男爵令嬢のアメリア。唯一の肉親であった父まで事故で亡くして悲しみに暮れていたところ、偶然継母が遺産を独り占めするためにアメリアを殺す計画を立てていることを知る。
そして、アメリアは親しくし
ていた商家の息子ローレンスに助けを求めた。しかし、彼の提案で駆け落ち同然で領地を出たのに、「必ず迎えに来るから、君はここで待っていてくれ」とアメリアは置いていかれてしまう。
アメリアは、彼が迎えに来てくれるのをずっと待っていた。母が遺した魔法道具により、アネモネの花に姿を変えて。
しかし、ひと月経っても、半年経っても彼は迎えにこない。そのうち人の姿へ戻ることもできなくなり、彼を捜しに行くこともできずにいた。
そんなある日、魔獣に襲われそうになっていたアメリアは、破魔の騎士クラウドに救われる。よほど花が好きなのか、クラウドは「怖かっただろう、もう大丈夫だ」と花(アメリア)を家まで持ち帰る。
アメリアは助けられた恩を返そうと、クラウドが留守の間に何かできることはないか……と軽く掃除を始めたのだが。
「君がいてくれるだけで、心が癒される」「君は今日も美しい」
花に語りかけるだけにしてはいやに熱っぽい言葉に、ドキドキが止まらない。
花の姿で持ち帰られてしまった男爵令嬢アメリアと、実はアメリアの本来の姿に一目惚れをした騎士クラウドの、少しズレた恋物語。
【カクヨムでも掲載中】折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-31 01:22:29
139722文字
会話率:26%
「僕は宇宙に恋している。瞬く星や、渦巻く銀河の先を見てみたいと、そう思っている。でも、僕は学者であって宇宙飛行士じゃない。だから、君に見てきてほしい。宇宙の全てを。僕と、世界中の人の夢を乗せて」
私を生み出した彼はそういった。
これは2
035年にロシアの宇宙基地で完成した私、次世代ロケット『イデアール』と開発者の若き宇宙物理学者ユーリが、お互いの夢に思いを馳せながら時代の荒波に巻き込まれていく、数奇な運命の物語――。
近未来を舞台にした2部構成SF短編。1部目は少女の心を持つロケット『イデアール』が、意思疎通できないとわかっていても話しかけてくれる開発者のユーリとの毎日や、憧れるロシアの先輩ロケットの話などをロケット視点から描いていく。
そして2部目、彼女の知らないユーリの視点から時代の流れと真実が語られる。
第一回星新一賞に応募。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-06-09 22:34:56
8453文字
会話率:40%