高齢者を火星に追い出そうとする近未来の話。「つづき」を記載。
最終更新:2019-08-18 16:00:00
28604文字
会話率:50%
リケジョ集団が、ホームレス等社会的弱者を実験道具にして、光合成人間を作る話。人間のサガとして、有史以来連綿と続く同類への差別意識を短編化。
リケジョ集団は、甘言でホームレスたちを研究施設に誘い込み、小麦の遺伝子を組み込んで小麦人間を作成し、
新種の小麦として米国の穀物業者に売り込もうとするが、知らないうちに自分たちの体内にも小麦遺伝子が紛れ込み、小麦化が始まってしまった。
アウシュビッツや陸軍石井部隊など、人体実験は過去の話ではなく、今でも治験など常識的に行われている。学者の情熱と差別が重なったとき、ホームレスは動物におとしめられ、実験動物となった。ひと昔前まで「働かざる者食うべからず」が世間の常識だった。現在でもこの意識は心の片隅に常在菌のように残っていて、社会の体力が弱まったときに鎌首をもたげるのだ。現在インドでも、首相が票集めのためヒンドゥー以外の宗教を言論攻撃している。AIによって仕事を失う未来の人々は、政府や金持ちから厄介者扱いを受けるかもしれない。この作品は近未来において増加が予測されるホームレスと、科学の発展により神の手を与えられた科学者集団の恐ろしい関係を描いている。
この作品ははてなブログ、noteにも掲載しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-13 18:00:00
19298文字
会話率:45%