「我は執行する…」
学者風の服が赤い光を放ち、やがて体へと光が収束していくと、漆黒と真紅に象られた鎧をまとった姿に変貌する。その手には巨大な鎌が握られていた。
「全てを絡め取る手"ハイディングバインド"」
―
―見えざる手が相手を宙に磔にし、動きを封じる
「死を司る神の力"パワーオブダークネス"」
――黒い霧が体を包みこみ、異常な力の高まりをみせる
「そして、死がおとずれる…"リープ・リーパー"!」
――両手で持った大鎌が赤い光を放ち――
そこで意識はぷっつりと途切れる――
VRMMORPG「ワールズオブワーズファンタジー」
通称「WWF」と呼ばれるゲームにどっぷりとはまっている坂道雄治。彼は最古参のプレイヤーながら全くの無名であった。
スキルレベル制のシステムを採用しているWWFではスキル同士の親和性が高い『特化クラス』型の成長が好まれているが、雄治の作ったキャラはスキル同士の親和性が薄い「魔法戦士」という中途半端な『ネタクラス』だった。
そんな事を気にする事もなく、死の魔剣士を自称して中二病設定をあれこれ考えては楽しんでいた雄治。
ある日“リアルログイン”現象が起きて、ゲームの中で五感を感じるようになるのだが…
“リアルログイン”という異変の中で、ある事件を切欠に彼の『ネタクラス』に秘められた無限の可能性が引き出されていく。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-19 13:53:29
338675文字
会話率:35%
ファンタジー世界、エクイノクスワールドでは七つの国家が覇権をめぐり、抗争を繰り広げている。その世界での戦争は“ドリームス・トルーパー(DT)”という人型兵器と浮遊石を素材にした“戦岩”という浮遊戦艦での衝突が主流になっていた。
主人公ファ
ーゴ・ダルオンの住むステルの街はクストール国領内にあり、北の国境を隔てて邪教国家ロマニーと隣接している。
ロマニーからの侵略に備えて、街ではファーゴの父、クガルが隊長を務める防衛隊が編成され、ファーゴも入隊している。彼は昼間、新型DT“ダークネス”に乗って街を防衛するための訓練に明け暮れ、夜は酒場のバイトとして働いていた。
そしてある日の夜、ロマニーがステルの街への侵略を開始した。侵略の先陣を切ったのは、魔道士ベルディア率いるロマニー軍第五艦隊であった。ファーゴはダークネスに乗り、禁忌兵器ザップガンで応戦するが味方は次々と殺されていく。
激戦に継ぐ激戦で、ステルの街が廃墟になろうとしたとき、ファーゴの幼馴染のラフィが三匹のヘルハウンドを引き連れて戦場を縦断する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-11-06 13:29:45
100113文字
会話率:53%