病床の孫娘の看病の果てに、命を落とした侯爵夫人のシビーユ。
彼女は孫娘クロエの体の中に入り込み、自身の葬儀に参列することに。
「私を顧みない貴方の愛なんて」
さっそうと現われた夫ハロルドが手にする物を見た途端、クロエの体でもって
シビーユは怒りを爆発させた。
「もう遅い」
怒りに身を任せる幼子の声が、ハロルドの眼前で木霊する。
彼が成すべきこと。それは、シビーユの怒りの受け皿と化すことだけだった。
十二年の時が過ぎても、ハロルドの贖罪は終わらない。
孫娘のクロエとフローラは、静かに見守ることしか出来なかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-13 14:19:25
2846文字
会話率:35%
中世北欧北海帝国最盛期の頃。
デンマークで一人の少女が、惨状を見た。
いつまでも一緒だと思っていた人間との別れと止まらない憎しみ―
そして少女は、人格を変えてしまった。
ヨーロッパ全土を駆け巡り、人を斃す。
誰がなんと言おうととめ
られない。
溢れ出る感情―
憎い、悲しい、恨めしい…
限界に達した彼女は、ひとつの解決策を見出した。
それは、『感情を、切断すること』・・・ 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-04-06 17:49:56
11751文字
会話率:36%