彼が見つけるのは幽霊の弱点じゃない。その、涙の理由だった。
平凡な日常を愛する、ごく普通の高校生、相田和人。クラスのその他大勢でいることが、彼の信条であり、ささやかな幸福だった。
しかし、ある日を境に、彼の世界は〝ノイズ〟に満ちてしまう。
見えなくていいはずの、この世ならざる者たちの姿が、彼の目に映り始めたのだ。
そんな彼の前に現れたのは、学園一の完璧美少女と名高い、西園寺麗奈。才色兼備な彼女の正体は、部員一人の「オカルト研究会」を切り盛りする、残念な天才だった。
「君、見えてるわね?」――その一言から、彼の平穏は、完全に崩れ去った。
半ば強引にオカ研に入部させられた和人に与えられたのは、悪霊を祓う強力な力ではない。それは、この世に未練を残した魂の、最後の“声”を聞く、あまりにも優しく、そして、切ない力だった。
彼の武器は、力や魔法じゃない。ただ、話を聞くこと、それだけ。
対話を通じて、彼らの心のわだかまりを解き、涙と共に、安らかに天へと送る。彼が見つけるのは幽霊の弱点じゃない。その、涙の理由だった。
悩める野球部のエース、物静かな分析家、不思議な霊媒体質のイケメン…。個性的な仲間たちが、次々と彼の元に集まり、賑やかすぎる日常が幕を開ける。
これは、戦いの物語じゃない。魂と魂が触れ合う、優しくて、少しだけ、涙が出る物語。
さあ、あなたも、彼らの声なき声に、耳を澄ませてみませんか?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-17 22:00:00
91854文字
会話率:20%
MBTIの16の性格タイプは、大まかに4つのグループに分類される。紫=分析家、緑=外交官、青=守護者、黄色=探検家。
この紫グループ【NT型】に属する人間が、なぜか集まっていた。
そんな『友達少ないよサンチーム』の日常。
※MBTI診断は
遊びの範疇だと思っています。
自分の物の考え方や行動のクセの方向性を知ることで、強みになる部分は伸ばし、よくない傾向にある部分は改善に努めるヒントになる。
そんなものだと思っているので深く考えずに読んでいただけたらと思います。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-15 12:00:00
1228文字
会話率:44%
「仕事中に、しかも、私の傍でバーベキューしないでくれないかな?」
『カクヨム』にて開催中の「『その溺愛、過剰です!?』コンテスト」(2024.7.1~9.2)参加作品です。
2024.9.1.見直しも兼ねて、順次公開していきます。
最終更新:2024-09-03 14:24:20
35438文字
会話率:37%
イギリスの大学に留学した清田涼音。念願の研究を進めるため、司祭・宗教学者・精神分析家の三つの肩書きを持つ天才学者、フィン・レディと知り合う。学者としても人間としても魅力的なフィンに涼音は次第に陶酔していく。しかし、それはフィンの表の顔に過ぎ
なかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-21 14:57:10
13655文字
会話率:52%
今、日本ではとある奇病がエピデミックを引き起こしていた。
別に生死に関わるような重大な病気ではない。
その名は根号ルート失感情症アレキシサイミアという。
根号ルートは数学でお馴染みの、ある値をaとして、b^2=a(bを2回かける
とa)となるbのことだ。
失感情症アレキシサイミアというのは、アメリカの精神科医・精神分析家としてハーバード大学医学部教授を務めたP・E・シフネオスが提唱した性格特性で、ギリシャ語から作られた造語である。
日本語では失感情症と言われている。
根号ルート失感情症アレキシサイミアにかかると、人間の元の感情全てをaとした時、その内の半分の感情bを表現する言葉を見つけるのが難しくなってしまう。つまり、言ってしまえば、自分の感情が、元の半分しか使えなくなってしまうという事だ。
俺はこの事を、√感情ルート感情と呼んでいる。
その中、高校生になったばかりの俺、津田マサキは√感情bを感情aに戻そうと、あるパートナーと一緒に患者を探していた。
今日は高校の入学式がある。
一体、どんな波乱が待ち受けているのか、
楽しみで仕方なかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-26 11:47:30
807文字
会話率:0%
主人公である黒川カズは、アニマルマスクをかぶった連続通り魔強盗犯キャットマンに襲われ、恋人を殺され、自分も死にかける。生き残った黒川は事件の後遺症で記憶障害を負い、犯人の顔を見たはずなのに思い出せない。そして恋人が殺される場面を悪夢として
何度も見るようになる。さらには色盲になり、現実世界で色の判別が不可能になってしまう。
事件から一年経っても犯人は捕まらず、手がかりはない。あるとすれば自分の失われた記憶のみ。だが黒川は何も思い出せずにいた。
そのため犯人につながる手がかりを探ろうと、わらにもすがる思いで夢占いの館という名の店を訪れる。そこで夢占い師のアリスと出会う。
アリスの説明によると、彼女は精神分析家のフロイトが著した、夢判断という本を参考にした方法で夢を解釈し、その意味を教えてくれるという。
最初はただの占いだと思い、あまり信じてなかったが、夢を見る仕組みやその解き明かし方を聞いていくうちに信じるようになり、悪夢について相談する。するとその夢解釈によって、大学時代のサークル仲間のなかに犯人がいることが発覚する。
それを知った黒川は、三人の容疑者に接触して探りを入れる。そしてその影響で見たであろう夢をアリスに解釈してもらうことで、事件につながるヒントを得て、犯人であるキャットマンを特定しようと動き出す。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-08-16 00:00:00
148387文字
会話率:69%
友人と互いに精神分析をしようか、ということになり、スーパーバイザーに会いに行く。レンタカーを借りて北へと走らせる。けれど、頼みの分析家は、アポがないことを理由に、わたし達を追い返してしまうのだった。
最終更新:2014-05-25 10:48:50
1646文字
会話率:28%