鬱病を患って生きる気が起きなくなった神崎 郁斗(かんざき いくと)はある日、自殺する。
しかし死んだ郁斗を待っていたのは、天国でも地獄でもなかった。
郁斗の生きていた世界より残酷で、それでいてどこか優しい世界。剣も魔法も何でもありの異世界だ
った。
異世界に飛ばされた郁斗は、そこでとある狐娘に助けられる。その娘はとても強く、人を助け、よく笑う、普通の女の子のようで。
--それでも、心の中はどす黒く汚れて、壊れていた。
まるで死ぬ直前の自分のように、全てに絶望して生きる気力を失っているその娘を見て、郁斗は『この子を助けたい』。そう願うのだった。
「俺を一緒に連れて行ってくれ!」
「はい、いいですよ。貴方には伸びしろがあります。きっとこの世界でなら、『死にたい』なんて思わなくても済むぐらい強くなれますよ」
元自殺者の人間と死にたがりの狐娘、2人の果てのない旅が今、始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-19 13:21:53
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