「昨日のテレビ見た?」
「見た見た、安眠枕のことだよね?」
「違うよ、イケメンタレントの話だよ」
「イケメンタレントを見ても、疲れは取れないが?」
「アンタは、仕事疲れの中年サラリーマンか!!」
「だってさ、進路のこと考えたら辛
くって」
「それは、わかる」
「でしょ?だから、お布団モコモコで、
つい快眠しちゃうんだ」
「おぃっ、それは違うだろ」
「全ての始まりは、一週間前」
「話だけは聞くけど」
「抱き枕党と、ぬいぐるみ戦隊の
パジャマが売ってて」
「パジャマかい」
「どっち買おうかなって、悩んでて」
「知らんがな!」
「両方買っちゃったの」
「それで、どうしたの?」
「着心地がよくて、モコモコって」
「それ聞いた」
「モコモコー、モキュモキュー」
「言語がバグってんのよ、アンタ。
羽毛も、コイツになんとかいってよ」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 11:54:50
1023文字
会話率:72%
お腹が大きく出て、太い胴体、首が短く、
頭に一対の角が生えている。
牛の特徴を持った人間、
美濃毅(みのこく)は、その立派なお腹を一叩き
すると、蕎麦屋に入る。
アイドル候補生の弓泉は、
美濃毅の隣の席に足を組んで座り、
天ざる
を注文した。
美濃毅は、かつ丼、山芋麦ご飯、天丼を
店員に注文すると、セルフの味噌汁を三人前
を無言で持ってくる。
店員は、美濃毅の容姿を一瞥する、
視線が、だらしないお腹に吸い寄せられ、
米俵のようなその塊に、
ほんの数秒の無音が訪れた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-11 07:39:18
1006文字
会話率:18%
人々は、変わってしまった。
人成をくれるという約束を破り、
裏切ったのだから、
罰を与えなければ。
呪物コレクター風見アザミは、
遠縁から連なる、数多くの呪いにより、
肌は茶色でドロっと溶け、蝿が集っていた。
なぜ私が、身代わり
に
選ばれたの?
私がこんなにも、
醜いからか?
もう私に供物をくれる
人もいない。
だからお前らは、
私と同じなってしまえ。
空には無が漂う、
夜がそれを呑み込んだ
と感じるほど、
闇が濃い。
宇宙は数字と、因果関係が
あり、ある星を0にすれば、
全てが無になる。
ある星とは、太陽のことだ。
そう、私は太陽を堕とす。
列京アリブラン学園の正午、
小さな肉の塊が、校庭に落ちた。
塊の上に烏の脚、
嘴で肉を啄んだ。
烏は、眼から黒い血を流し、
硬直した。しばらくすると、
翼を広げ、空へ羽ばたいた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-30 07:57:46
2082文字
会話率:7%