白い花が咲く季節になると吟遊詩人がやってくる。
春先、六枚の花弁の小さな野の花が一斉に咲き誇る。深緑色の茎は細く、淡い黄緑の葉も葦のようだが引き抜いてみようとするとなかなかしぶとく、鎌で刈ろうとすると油のような汁が出る。だからその花
を知る農夫はその花を刈り取らないことにしている。そしてその花をよけて他の雑草を引き抜くので春の季節は一面の白い花が埋め尽くす。厄介な花だが、美しく可憐で匂いもほのかに爽やかなので、鑑賞には向いているのが救いだ。
その花が咲く地方では、春を「白い花が咲く季節」と言う習慣が多く残る。
国で一番南の小さな村では種まきで大騒ぎだ。
子供達は大人の言う事を良く聞いて手伝いをする。労働力は人間の力と、牛によく似たコレカという四つ足である。
この村の母親は一同に働き者で、子供達は母親達の真似をして子守りや水汲みを自発的に行い、寡黙な農夫の父親達は黙って野を耕している。
村の土地はほぼ平坦で、空と大地を遮らない。真っすぐ、一本道が豊かな水量の川と共にどこまでも続くその道に誰かの影が小さく現れると、子供達は目ざとくそれを見つけるのだ。
空が夕焼けに染まる時刻に一番年長の子供が嬉し気に声を上げた。
「ねえ母さん。誰かが歩いてくる」
「そうかい、誰かしらね」
「隣の村のジャイカかしら」
「あの子は無理だろう、子供を身ごもったと聞いたもの」
「それなら靴屋のコードーかもしれない」
「そうかもしれない。でもね、アイダ。いずれ解るのなら見ていなくてもいいのよ。すぐに解るんだから。あちらがくるというのならば、私たちは待てばいい」
「それでも母さん。誰かがくるというのは楽しみよ。それを誰かだろうと想像するのはもっと楽しいわ」
「そうね、それは母さんにも解るわ。…あら、アイダ。母さんには解ったわ。耳をすましてごらんなさい。音が聞こえる、誰かの声と、弦を震わせて音が鳴って、歌が聴こえてくる。誰かの足首に巻き付いた鈴の音が」
※ある世界では白い花の季節に吟遊詩人がやってくる。忌み子と呼ばれる子供と吟遊詩人の出会い。
忌み子の行方が語られ、ある男の成長譚となる。
そして時代が流れ、他の国で戦争が起こり争乱の時代になる時、忌み子と呼ばれた男が次第に時代に選ばれ時代に翻弄される。大人が読めるファンタジー伝記物目指してます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-01 11:28:17
36325文字
会話率:43%
※)自分にとってあまりにも難しい書き出しをしてしまったため、書き方を変えることにしました。「続きを書かない」「内容を改める」という意味ではなく、表現や文体を変更します。
そのため、こちらの作品のタイトルに「旧」を付けて、そのまま残すことにし
ました。
続きは、文体を変えた「ただ、君を目指して歩く」にアップしていきますので、よろしくお願いします。
↓↓あらすじ
長い眠りから目を覚ました青年は、自分がこの国の英雄なのだと知らされた。『長い間この国の国民を苦しめていた内乱に終止符を打った英雄』は、終焉から二年もの間眠り続け、目覚めた時には自分に関する記憶の全てを失っていた。目覚めた土地は故郷でも馴染みの土地でもないらしく、噂以上に青年のことを知る者はいない。自分の名前すら分からないまま、もてはやされ、もてなされ、尊ばれる日々。判然としない毎日が続く。自分は何者で、どこから来て、何をしていたのか。どうして英雄になったのか――。記憶を無くした英雄は、自分を探す旅に出る。金も身分もつても無い。唯一の持ち物は、昏睡前から所持していたらしい、小さな瓶に入れられた白い花のドライフラワーだけ。白い花と共に行く、記憶を無くした英雄の自分探しの旅が幕を開ける。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-18 16:58:45
19458文字
会話率:28%
老木の桜、白い花が今年も、、
最終更新:2020-04-08 09:42:32
254文字
会話率:9%
白い花畑に行き着いた少年。
最終更新:2020-04-03 23:22:10
520文字
会話率:0%
あらすじ
時代が進むにつれ、特に若者の興味は多元化し、ネットでも個人で映像をアップする事ができ、誰でも有名人になれる。普段の生活上、スーパースターなど最早、誰も求めていないものかもしれない。
しかし、それでも人の奥底には、『スーパース
ター』の存在はいつの時代も変わらない普遍的な事であり、心のどこかで待ちわびているはずである。
そのスーパースター、いや、ただのスーパースターではなく、、
『超スーパースター』が現れ、日本人のほぼ全員が覚えるぐらいの凄い人間がプロ野球界に現れたら、、
そして、その超スーパースターが、突然、、、、
高校生に転生したら、、
そのままの実力を持って、自分の高校時代になぜか転生し、高校野球で甲子園を目指す。
この物語は、プロ野球の天才バッター、超スーパースターの
『七瀬 健』が、そのままの記憶と実力を持って、高校生になり、仲間、ライバル、恋、いわゆる『青春』を経験しながら甲子園を目指す物語である。
そして、、、
その不思議な出来事の謎は、、
少し話をそらそう。。
今の記憶を持って、15年前にもし戻れたとしたら、、
あなたは何をするだろうか?
あなたはきっと、こう行動するだろう。。
『今の自分にならないように。。』
もし、今の自分と同じになれるよう行動するとしたら、、、
そんなあなたは、「幸せ」なのだろう。。
しかし、見方を変えれば、「不幸せ」かもしれない。
なぜなら、、、
違う事が出来ない、、「行動力がない」とも取れるからだ。。
『人は行動力がなかったら、そこで終わる。』
という定義があって、その定義に照らし合せれば、、
「不幸せ」ともいえるのではないか、、?
、、、
何やら、哲学っぽい話しになったが、、
これは、不思議な野球小説である。。
『超スーパースター』、、、、
あなたに取って、そんな人が一人でもいたら、あなたはきっと幸せなのだろう。。
もしそれが、自分に非常に近い人だったら、、、
私だけの『スーパースター』は存在するのだろうか、、、折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-13 22:00:25
360763文字
会話率:21%
僕らは自ら銃をもって突き進む
友が目の前で亡骸となろうとも
愚者に運命をゆだねることを否定する者よ
死なくして勝利はあらず
自らの血で白い花を赤く染めようとも
自由の御旗のもと
銃をもって突き進め
「委員会」による全体主義国家「北の
楽園」、独裁国家「南の帝国」の二大国家が台頭している世界
二国間の戦火は今も消えることはなく、兵器開発競争は熾烈を極めていた
帝国軍が国境を越え侵攻を開始した日、兵器開発の責任者であったアサマ・エルネストに機密情報流出の疑いで逮捕命令が下る
エルネストの養女「ライク」は、彼の病身の孫娘フウロを連れ兵器「シルバー」を奪い楽園より逃走、全ての願いが叶うと伝えられる「黄金の泉」をめざす
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-22 08:14:17
171702文字
会話率:47%
その村では、人が生まれると白い花が渡される。
村人はその花を片時も肌身離さずに生活する。
すると、その白い花は持ち主から何かを吸い取るようにして、少しずつその花弁の色を赤色へと変えていく。
そして花が真っ赤に染まる時、持ち主の寿
命が訪れる。
死体は泡のように消え、後には血のように真っ赤な花だけが残る。
それは悲しくないように、せめてもの名残として。
花は村外れの崖の上の花畑に墓守によって植えられ、世界が終わる日まで咲き続ける。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-06 16:00:00
5805文字
会話率:11%
机上には白い花が無造作に置かれている。男はその花を見て昨年のある日を思い出す。
男が目を背けていた現実-故郷で起こった自分の幼馴染である颯希(さつき)が昨年に死んだという事実。
颯希は梅雨時に町はずれの人の寄り付かない与白山(よじろや
ま)で土砂崩れに巻き込まれ死んだ。なぜ彼女がその日その山へと向かったかは、男以外誰一人として知らなかった。だが、男は皆には何も知らないと伝えた。嫌なこと・辛いことからすぐに逃げてしまう男はまた逃げていた。
男は事件から一年が経つ今、その現実に向き合おうとしていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-21 19:34:29
1747文字
会話率:0%
今日は書くぞーーーーーーー
最終更新:2019-06-23 01:50:33
417文字
会話率:67%
小さな小さな女の子が絵を描きました。
道に咲いていた赤い花。
それには目があり、口があり。
『私の好きな子』と女の子は言いました。
『この子はね、梅が好きなの』
『そう言ってた』
女の子は花を挟で切り取り、白い花瓶に入れてあげました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-01 01:31:47
9713文字
会話率:20%
白い花に まつわるお話し
最終更新:2019-04-23 14:50:19
263文字
会話率:0%
ウツギの異名である雪見草
2~3mほどの低木に白い花が咲き、開花時には樹氷のように見える。
文章について、忌憚のない意見お寄せ下さい
最終更新:2019-04-12 16:10:14
473文字
会話率:0%
すっかり春、歩いてる道で…
最終更新:2019-04-06 00:17:37
270文字
会話率:0%
我が家の玄関に飾られる白い花。忘れ物を教えてくれる、不思議で便利な花だ。
その花が告げる戦慄の結末とは!
最終更新:2019-03-27 20:55:00
809文字
会話率:35%
フェオドラは義手だが、歴戦の“ガラクタ浚い”である。ユーリイはまだ幼いが、才能ある“機構技師”である。そして酒場の親父は人の良い筋肉達磨である。
最終更新:2019-03-15 21:09:32
7902文字
会話率:38%
物を生み出すのが下手くそになった世界で、私が出会ったのは植物の子でした。その子は私に種をくれて、花を咲かすたび私はその子を思い出します。
最終更新:2019-03-10 19:13:09
2657文字
会話率:20%
白い花と紫色の花の花言葉とをテーマにした詩(気まぐれに作りました)
キーワード:
最終更新:2019-02-18 00:50:06
235文字
会話率:0%
学校の同級生の女の子。
彼女は美しく、誰にでも愛される一輪の白い花。
そんな無垢な花も、少しずつ醜さに侵されていく。
僕は、そんな花の結末をただ見ていることしかしなかった。
最終更新:2019-01-21 00:30:32
3059文字
会話率:8%
どこかの世界に存在する「花咲く都」と呼ばれる場所にある、一軒のお店。
看板には ドールブティック茉莉花堂 と言う文字と、白い花を模した飾りがある。
ドールのためのドレスや帽子や靴やアクセサリー……
そういった品ばかりを作っては売っているお
店・茉莉花堂と そこで働く少女と ドールと いろんな人たち。
「いらっしゃいませ、茉莉花堂へようこそ」
※R15や残酷描写は念の為に
同じ作品をカクヨムさんにも投稿してます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-28 21:00:00
226610文字
会話率:46%
私は目が覚めたら花畑の中にいた。そして女性が一人花の中で立っていた。何もかも分からないまま私は女性の元へと歩を進めた。
最終更新:2018-12-26 22:50:03
6051文字
会話率:53%