ノイングラート帝国皇立学園。
その最高学府、ベルンカイト校では本日、中等部の終業パーティが開かれていた。
パーティはダンスホールを使った立食形式で、終業する3年生と多くの来賓が、豪華な食事を楽しみながら歓談を続ける。
同盟国であ
るランドハウゼン皇国の第二皇女、アリア・リアナ・ランドハウゼンも、終業生の一人として、このパーティに参加していた。
アリアは本年度終業生の主席。彼女の元には、ひっきりなしに祝辞の声がかけられる。
ランドハウゼン皇国は、三大国でも容易には攻め込めない強国だ。
アリアを通した皇国との繋がりは、誰もが欲しいところ。
それにアリア個人も、人気、実力、容姿、全て揃った魅力的な姫である。
男達の様々な思惑が渦巻いた結果、アリアはパーティ開始から1時間半、全くの休みなく来賓の相手をし続けることになった。
途切れることのない話し相手に笑顔で応え続けるアリア。
若年とはいえ、皇族たるアリアは平然とそれをこなしていくが、よく見ると、こめかみに一筋の汗が滴り、笑顔もどこか引き攣っている。
腰も僅かに落ち、膝上まで露出した脚は時たまブルっと震えて見せる。
疲れから来るものではない筈だ。
普段からよく鍛えているアリアは、例え2時間立ちっぱなしになったとしても、疲れを見せたりはしない。
なら、酔ったか? それも違う。
相手に付き合い、いくつもグラスを空けはしたが、アリアは毒物全般の分解が早い体質だ。酔いは精々ほろ酔い程度。
では一体何が、表面を取り繕えなくなる程に、アリアを追い詰めているのか。
(早くっ……早く終わって……!)
……分解されたアルコールは無くなるわけではない。血流として全身を巡り、やがて体外に排出されるのだ。
(このままじゃ……私……!)
汗や息、そして――尿として。
(こ、ここで、漏らしちゃう……っ!)
歓談と演奏に賑わう会場の中、アリアは耐え難い尿意に襲われていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-10 20:36:17
10504文字
会話率:18%
最強と名高いパーティにおいて、役立たずの自覚のあるレノン。幼馴染の勇者に大魔法使い。聖女に拳王・大賢者。肩身の狭さに今日も雑事をこなしながらパーティを盛り立てている…つもり…だが。
「レセル、これがパーティの総意だよ」
勇者アランの言葉に
、レセルは絶望するしかない。
お願いだから!俺の話を聞いてくれ!!
レセルの言葉は仲間たちには届かない…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-03 17:57:26
7069文字
会話率:35%
パーティー会場での突然の肩たたき。振り向けば婚約解消って、何なんですの?ああ、そう。私が悪役令嬢だと仰りたいのですわね?いいでしょう、その喧嘩。買って差し上げましてよ。
からの、危うく物理的に握りつぶしそうになったりする公爵令嬢のお話。
最終更新:2021-02-15 19:49:48
4154文字
会話率:43%
両親の再婚によって新しい姉が出来たアリア。しかしその姉はアリアを冷たい視線で見つめてくるだけ。慣れない貴族階級制の学園で起こるいじめ、姉との確執。平凡な少女アリアを救うのは…。
最終更新:2020-08-17 05:35:32
7935文字
会話率:28%
教室の隅に置いてある花瓶
素行の悪い私
いつも窓の方を向いてる君
私と君の物語
最終更新:2021-11-26 11:42:31
732文字
会話率:47%
主人公、中山ひなは、修学旅行二日目の夜に、同じ部屋のメンバーと百物語もどきをしていた。
怖い話を1人ずつ話すのだが、九十九話の怖い話を話すのはネタが無いからと、1人1つの怪談話、合計六つの怪談を話すこととなった。
怪談を話し終えると、ろうそ
く代わりのスマホのライトを1人ずつ消していく。ライトはスマホと懐中電灯合わせて合計七つあり、夜が明けるまでは全部消してはいけない。必ず1つは残すというルールがある。
そして、最後の大トリとして選ばれたひなは、自分が作った怪談話を語り始める。
ただ、登場している人物、阿部美佐子は彼女の友達の阿部加奈子の妹。つまり実在する人物の名前である。
その内容は、阿部美佐子が学校のいじめが原因で投身自殺を図ったというものだ。
だがそれは失敗に終わる。美佐子が落ちた先に、1人の少女がいた。その少女が美佐子の下敷きとなってしまう。美佐子は助かったが、その少女は無くなってしまった。
被害者の少女の遺族が美佐子を責めるも、死ねなかったショックが強く彼女は何も耳に入っていなかった。
家族からも軽蔑の目で見られ、監視の目が強化され自殺をすることも出来なくなり、美佐子は絶望の淵に立たされたように思った。
そんなある日、美佐子は夢の中で1人の少女と出会う。
その少女はまるで聖母のような優しさを持った、とても綺麗な人だった。
名前を聞いたが無いと答えられたので、テーブルに置かれた花瓶に咲いている、一輪の白いユリと似ていると思い、ゆりさんと呼ぶようになった。
景色や風の音、紅茶の香り、味、テーブルの心地よい冷たさ、五感がとてもよく再現された夢の中で、美佐子は時間を忘れて少女と話し、次第に打ち解けていく。
だがある日、とある訪問者が訪れて……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-14 17:26:18
10193文字
会話率:28%
貴方は、松葉牡丹という花を知っていますか?
花言葉は「可憐」「無邪気」だそうです
─────────────────────────
私は、したり顔でひとり暮らしをしている
昔は、いつも決まって
2輪の松葉牡丹の微笑む部屋で
お気に入り
の本を読む。
たまに、本屋へ行って新作の本を買うと
喫茶店の窓辺の席で珈琲なんかを啜りながら
物語に入り込む。
そんな私の過去は
まるで古い花瓶のように罅がある。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-11 11:04:16
1972文字
会話率:12%
幼い頃より、人が纏う妙な色が見えるという謎体質をもつ、大学一年生 葛籠留久。そんな彼が女に振られて一丁前にへこんでいると、愉快な怪物が現れた!どうやら怪物はお腹が減っているようで···。
最終更新:2021-07-19 22:00:53
6548文字
会話率:29%
妻を花瓶で殴りつけた所、頭から血を流して倒れてしまった為動揺した俺は慌ててアパートを飛び出しいつの間電車に乗っていた。しかし妻らしい女も乗っているのに気づき、慌てて停車した金沢駅で降り、逃げ込んだ近江町市場で不思議な浅野というJKに出会う。
浅野は男しかいないうらみ町に隠れればいいと言うが……。
静かだが恐ろしいホラーをどうぞ!
夏のホラー2021参加作品。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-15 16:55:26
5561文字
会話率:18%
地元を離れ、知り合いもいない町で仕事に追われる毎日を送っていた三咲の元に、毎月贈られてくる差出人不明の白い花束。ストーカーかもしれないと思いつつも、被害を受けたことのない三咲は呑気に花を花瓶に飾っていた。しかし、職場の後輩である白川菜々に、
三咲の家のポストに花冠が贈られてきたことを相談したことで、三咲を取り巻く事態が急変していき…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-19 21:48:36
19911文字
会話率:23%
間違いだった、間違いだった、間違いだった。
キーワード:
最終更新:2021-06-14 21:13:29
224文字
会話率:0%
幼い頃から仲良くしていた親友が、ゾンビになってしまった。
通り過ぎた思い出が、つかまえる暇もなく流れて行く。
ゾンビと恋は出来ますか?
そういうお話です。
最終更新:2021-04-22 01:22:59
7898文字
会話率:15%
悪運の強い男"灰雲孝杉"(あくうんたかすぎ)17歳。曳かれそうになる事1382回。マンションから花瓶が落ちてくる事455回など、死の危険に合いながら間一髪で助かってきた孝杉。
そんな彼に恋した乙女はーー「死神」だった。
実は、孝杉が何回も危険な目に合っていたのは、死神の仕業だったのだ。
どんな緻密な計画を立てても死なない孝杉に、死神ちゃんはとある提案をする。
「寿命が尽きるまでお傍で寄り添います!」
それが、孝杉と死神ちゃんの奇妙な生活の始まりだった。
「これで死神の仕事サボれる♪ アイス食べて刑事ドラマ見よ~♪」
「勝手にアイスを食うなああああーっっ!!」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-20 16:16:05
9539文字
会話率:58%
「わ〜るいわるい、せ〜んせいにいったろぉ〜」
「さぁ! ちゃちな凱旋や! このクソガキギャラリーがっ! 悪の素晴らしさを終えたらぁ!」
「で、君がこの教室の花瓶を割ったのね」
「えっとですね、先生。僕はこの花瓶のデザインがどうも、しょ
うに合わなくてね。あの、蕁麻疹でてきたりして、むしゃくしゃしてたらいつの間にか……」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-12-11 22:51:59
3090文字
会話率:86%
無明を胸に抱く私は二千二十年東京オリンピック歌姫として国歌斉唱の栄光を授かる。
私は心中に救う無明に言う。
もう私は完ぺきな神のごとき光に包まれている、もうお前に居場所はないと。
私が無明の存在を知ったのは、祖母に添い寝してもらっているとき
に、妹がそこに割り込んできた時だった。私は涙を流し、ベッドを濡らした。
その次に無明が現れたのは音楽大学の声楽家の時私より歌がうまい女の子にあった時だ。その子のパパとママはイタリアの楽団に所属していて、あの子の歌はイタリア仕込みらしいと聞いた時だった。無明は私をさいなんだ。
私のママは女優をしていて、映画で賞を取り、みなママに夢中だった。パパはニュースキャスターで報道番組をしている。
眠らず努力して、何時も皆さんを照らす光とおなり
パパは私にそう言った。
寸暇を惜しんで光を求めた私はF-1レーサーと結婚し、セレブになった。
子供も授かった私はそれにふさわしい世界を求めた。
たとえ中東で世界殺人オリンピックが行われていても。力、技、芸術点を殺人で競う。
オリンピックのオーディションで私よりうまい子がいた。しかし私は組織票で勝った。
花束贈呈の時、その子は私の首筋に牙を立てた。
私のほかに無明を抱えた人間がいるのを私は知った。
開会式の日私は夢を見た、太陽の光に包まれて、空井戸に石を投げ入れる。カラーンと空虚な音がした。
目を覚ました私はベッドサイドの花瓶の水を飲んだ。
腐っていた。
いよいよ国歌斉唱の時、私は息をのんだ。
「き」
「み」
声が出ない。
気が付くと私は暗がりに寝かされていた。
私は無明に問うた。
夜は何のためにあるのか。
生まれて初めて無明は答えた。
「夜は涙の溜まる場所」
と。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-14 10:10:55
2820文字
会話率:13%
―あなたの生活のどこかに自分の影を潜ませて、たまにそれに気がついて少しだけ苦い気持ちになればいい。―
最終更新:2020-10-16 23:09:20
746文字
会話率:0%
私は、隣の席の安藤さんが周りから「安藤さんの胸、いい胸だよね」と言われているのが気になっていた。確かに安藤さんの胸はとっても魅力的だけど、安藤さんには胸以外に良いところがいっぱいあるはず!
そう思っていたのだが――。
安藤さんの胸
は言った。
「これ、落としてたぜ」
安藤さんの胸は言った。
「花瓶の水、代わりに変えておいたぜ」
安藤さんの胸は言った。
「女を泣かせるとは、それでも男か!」
皆は言った。
「安藤さんの胸はいい胸だ」と。
そして私は言った。
「いい胸って『いい人』みたいな、そういう意味!?」
カクヨムにも掲載折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-14 20:56:10
13329文字
会話率:52%
困っているひとがいたらどうしますか?
最終更新:2020-07-18 02:00:00
200文字
会話率:0%
いつも通り部活に向かった和音は、第二音楽室で倒れている菫を発見する。
この作品は、ライブドアブログ、pixivにも掲載しています。
最終更新:2020-07-10 20:00:00
1884文字
会話率:63%
書き物をしていると、百合の香りが漂ってきた。
決して若くはない母が、育てた百合を花瓶にいけたのだ。
百合の母と母の愛を思う。
最終更新:2020-06-29 16:11:58
715文字
会話率:6%
リリアはバルドー侯爵の一人娘だ。
婚約者は、公爵家跡取りであるジル・ガレル。
リリアとジルは、リリアが産まれた時から婚約関係にある。
つまり、完全な政略結婚なのだ。
二人は約十五年間共にありながらも、冷たい関係が続いていた。
それは偏にリリ
アが愛を理解出来ない質である事、そしてジルが他人を遠ざける利己主義な事が原因であるらしかった。
それでも両家の橋渡しの為にそのまま結婚してしまうのだとリリアは疑っていなかった。
そんなある日、血相を変えたジルがリリアの元へ訪れて、
「タイムスリップした」
と、宣った。
冷淡な筈の婚約者ジルは人が変わった様にリリアに好意的になり、リリアに告げる。
「君は、十年後に自殺する」
冗談じゃない!
思わずジルを花瓶で殴りつけ昏倒させてしまった。
リリアは本当にジルがタイムスリップしたのか訝しみながらも、互いの心を通わせていく。
【注意!】
※暴力的なシーンや流血シーンがあります!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-08 16:00:00
58716文字
会話率:28%
私の友達の話なんだけど……本当にいいのね。どうなっても知らないわよ。その友達の名前を、仮にAとするわ。
五月のこと。Aがいつも通り仕事に出ようとしたら、玄関に花瓶が置いてあった。中にはガマズミが入っていて__
最終更新:2020-04-18 11:21:27
1302文字
会話率:0%