竹内浩二は長年勤めた工場をリストラされ、迷ったあげくタクシーの乗務員になり十年経っていた。ある日忘れ物の古い携帯電話を見つける。それは昔、今の妻沙織と知り合う前の彼女恵美子が天国からわざと置いたのだ。
天国の恵美子は死んだ時の二十四歳のまま
だった。浩二の一人娘香奈と同じだった。古い携帯電話で恵美子と浩二の話は昔のように弾んだが、妻沙織とは冷めた関係だった。ある日浩二はタクシーで大事故を起こし、天国に行った夢を見るが、天国での恵美子は何故か冷たい態度だった。目が覚めた病室に沙織と加奈が心配そうに浩二を見ていた。沙織も加奈も本当は浩二を愛していたことに気付く。後日沙織の決意を聞くと驚いた。沙織もパートを辞め、タクシー乗務員になると言ったからだ。(了)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-28 15:39:07
40525文字
会話率:23%
「何故だっ! 何故、貴様は我の呪いを受けないっ!」
叫んだのは目の前にいる魔族ではない。心配そうにこちらを見ている女王でもない。ラースリッドの右手に握られている、ひと振りの魔剣だった。
人間には必ず火・水・風・土の四大属性が備わっている
。生まれた時に司教から、その子の守護属性を教えてもらうのが慣習だった。
ところが生まれたラースリッドには、属性が備わっていなかった。司教が叫ぶ。
「祝福を得られなかった、呪われた子だ」
両親が他界し、叔母の家に預けられたラースリッドは16歳になる。呪われた子として、周囲から蔑まれる日々を送る。
ある日、ラースは王都へ引っ越す叔母に置いていかれる。不思議に思ってると、魔物の軍勢が住んでる町へ押し寄せてくる。
なんとかしたいと手に取ったのは、所有者の体を乗っ取り、生ける屍とする暗黒の魔剣だった――。
呪われた子として意味嫌われていたラースリッドは、いかにして英雄と呼ばれる存在にまでなっていくのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-03-29 16:29:47
167944文字
会話率:40%
「異人」と総称される存在との戦争により荒廃した世界。 無数にある大陸の一つ、そこに行方不明事件が原因で廃れた村があった。 小柄で華奢な体を覆うように黒いマントを着た者――「黒マント」は、その村に足を踏み入れた。 そこで出会った賞金稼ぎのミル
、村の少年ジョニーと事件を調べる途中、森を歩いていた三者に助けを求める女性が現れる。 ジョニーが心配そうに手を差し伸べた時、女性は異形のモノへ変貌し、ミルは剣を抜き、黒マントは佇むだけであった。 黒マント、ミル、ジョニーは三者三様の行動により、運命を大きく変えていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-11-09 14:00:00
76046文字
会話率:34%
「異人」と総称される存在との戦争により荒廃した世界。
無数にある大陸の一つ、そこに行方不明事件が原因で廃れた村があった。
小柄で華奢な体を覆うように黒いマントを着た者――「黒マント」は、その村に足を踏み入れた。
そこで出会った賞金稼ぎのミル
、村の少年ジョニーと事件を調べる途中、森を歩いていた三者に助けを求める女性が現れる。
ジョニーが心配そうに手を差し伸べた時、女性は異形のモノへ変貌し、ミルは剣を抜き、黒マントは佇むだけであった。
黒マント、ミル、ジョニーは三者三様の行動により、運命を大きく変えていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-03-22 23:47:47
76169文字
会話率:34%
目が覚めた感覚があった。
視界に映った見覚えのない天井。
良くある小説なんかでは、「ここはどこだろう?」なんて下手な台詞があるけど、あたしはわかってたんだ。
ここが病院であること。
きちんと昨夜の出来事はあたしの記憶にある。
目覚めた
ここが天国でないなら、染みがうっすらついた、もとは真っ白であったろう天井は、間違いなく病院だ。
隣には、泣き崩れた母の姿も、心配そうに見守る父の姿もなくて、ぼんやしとした思考回路のまま、あたしはナースコールも押さずに、再び眠ることにした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-01-21 01:49:50
232文字
会話率:0%