夕暮れの土手の上をふたり乗りの自転車がゆっくりと走っている。
漕いでいるのは、背の高い女の子。
荷台で横乗りしているのは、小柄な女の子。
キィコ、キィコ、と軋み音を立てながら、自転車はオレンジ色の光を受けながら走っている。
ゆっくりと、ゆっ
くりと走っている。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-19 17:00:00
2150文字
会話率:43%
悪魔が封印されている街、リーマス。いつか封印が解けるその時のために誰もが備えているその街で、「アイテム士」というまるで戦闘に向いてないクラスを得たフェイは、Cランクパーティ『白銀の翼』で酷い扱いを受けながらも必死で強くなる道を探していた。
が、ある日、フェイはダンジョン内の橋でバランスを崩して落ちそうになる。助けを求めるフェイにリーダーであるアバロンは信じられない言葉を放つ。
「この世はクラスが全て。なのに、お前のクラスはアイテム士とかいうクソクラスだ。今までは幼なじみのよしみで我慢してやっていたが、もう限界だ!」
しかも、役に立たないなんて理由でパーティから仲間を追放すれば、俺達の信用はガタ落ちになるため、事故死に見せかけるつもりだというのだ。あんまりな話に抗議をするが、結局フェイは橋から落下。迷宮の最下層へと落ちていく。
だが、〔アクロバット〕というスキルのおかげで助かったフェイは落下した先で宝箱を見つける。
「こんな最下層で見つかるんだ。レアアイテムに違いない」
いや、そうでなくては困る。願うような思いで中身を確認すると、何とクラスチェンジが出来るという激レアアイテム! 早速使ってみるのだが、ついたクラスはなんと「アイテムマスター」!
落ち込みながらも覚えたスキルを確認すると……
◆◆◆
〔アイテム再生〕
今まで使用したことがあるアイテムを再び生み出すことが出来る。ただし、使用するとレベルが1になる。
◆◆◆
これってまさかさっきのクラスチェンジアイテムを手に入れられるってこと? 再度使ったクラスチェンジアイテムで「パラディンロード」にクラスチェンジし、超パワーアップ!
ここから不遇クラスからの逆転劇が始まる!
※この作品はノベルアッププラス様にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-16 07:00:00
496221文字
会話率:34%
新型ウィルスの感染爆発により、全世界で変異人類とでも呼べる存在が生まれた近未来。
変異者たちは蔑称から定着してしまった《吸血鬼》と呼ばれていた。
所詮は単なる病気であるため吸血などは行わなかったが、社会は未だ完全に理解してくれていない
。病気が治った者たちは偏見を受けながら、何とか変異を受け入れて普通に生活していた。
そんなとき、吸血鬼ハンターを名乗る男による吸血鬼の連続襲撃事件が発生する。
吸血鬼による組織《D機関》に所属する双羽稜久と犬蓼彩華の二人は、自称ハンターをおびき寄せるオトリになっていた。
二人に食い付いたのは、自称吸血鬼ハンターの『ペストマスク』
ヘンタイみたいな通り魔を追い詰める二人だったが、ペストマスクは吸血鬼にしか使えない筈の変異能力《波動》を使って二人を退ける。さらに巻き込まれた女子高生、蒼井莉子が吸血鬼化を発症してしまった。
しかし、彼女は吸血鬼を極端に恐れており――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-14 20:48:50
74518文字
会話率:39%
就職に悩む24歳の新城春奈は、不採用続きの日々に落ち込み、海辺で気分転換をしていた。ふと見つけた最新型スマホから届いたメッセージをきっかけに、謎の男とつながる。彼は「私と海と電話」と名乗っていた。
彼は未来を予知する能力を持ち、春奈に次々
と驚くべき予言を送ってくる。恋も仕事も失っていた春奈は、彼の言葉を信じて動き、就職を果たす。
ある日、彼は「7月4日には絶対に海に近づくな」と警告する。しかし春奈は仕事の責任を優先し、観光客を案内するため海岸へ向かう。
直後、彼の予言どおり、トンガの噴火を皮切りに巨大地震と津波が発生。
巨大地震の原因は、南太平洋上に巨大大陸が浮上してきたのだった。
春奈は観光客を避難させ、自らは最後の一人を助けるため命を賭すことになる。
しかし間一髪で救われた春奈は、夢の中で彼と再会し、彼が未来から来た魂であり、未来の世界で自分と生まれる前に結ばれる約束をした相手であることを知る。
目覚めた春奈は、自分が生きていること、世界が壊滅的被害を受けながらも再生へ向かっていることを知る。
そして2年後、新ムー大陸を水平線の向こうに見ながら、春奈は彼と再会し、「私と海と電話」が「あいしてる(I・SEA・TEL)」という愛の暗号だったことに気づく。春奈の心には、未来への希望と愛が満ちていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-14 09:42:35
5727文字
会話率:55%
冒険とは難解だ。
武術の試合のように誰が敵なのか誰も教えてくれない。
冒険とは割に合わない。
100時間の我慢も、100年の努力も、一瞬にして0に還る。
冒険とは残酷で、冷酷で、苛酷で、
森に産まれ、祖父の教えを受けながら森で育っ
たカロは祖父の死をきっかけに街へ出る事を決意する。
音を立てず、風を揺らさず、匂いを溶かす。生きる事を学んだカロは冒険者として一歩を進み始める。
仲間や敵と出会い、人の世界で生きる事を突きつけられるカロは生まれながらにして自分は冒険の中に生きている事を実感していく。
自分らしくあるために冒険者として進んでいく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-13 07:20:00
30321文字
会話率:22%
地方のとある商店街にある「桜川商工会」。そこでは、日々、地域の小さな事業者たちが訪れ、支援員たちが静かに汗をかいていた。新人職員・森田悠斗は、ベテランの先輩・秋山真由の指導を受けながら、不器用ながらも地域の人々との信頼を少しずつ築いていく。
老舗和菓子店のどら焼き職人、八百屋の店主、そして小さな店先でチラシを配る少年――彼らの商いには、長年積み重ねてきた誇りがありながらも、共通する悩みがあった。「人が来ない」という現実。その光景は、悠斗自身のある過去の記憶と重なっていく。
ある日、彼は一人の少年と出会う。その出会いが、悠斗の心に火を灯す。街を元気にしたい。子どもたちが胸を張って「家の店」と言えるようにしたい。やがて彼は、「桜川マルシェ」という新たな挑戦を提案する。
しかし、それは“理想”だけでは乗り越えられない壁にぶつかることでもあった。周囲の無関心、先輩職員との対立、そして組織が抱える複雑な事情。地域支援の現場に潜む現実と希望の狭間で、若き職員たちは何を選ぶのか。
これは、過疎化が進む街の片隅で、それでも「諦めない」を貫いた人々の、小さくも熱い再生の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-11 19:26:27
38601文字
会話率:43%
死霊が見える特異体質のカレンは財政難の実家を救うため裕福な家へ嫁ぐことを強く望んでいた。しかしゴースト令嬢と揶揄されるカレンは今回の婚約も破棄されてしまう。
そんなカレンを妻に迎えたいと申し出たのは、この国で死神のようだと恐れられている死霊
術師のシドだった。隙あらば愛を囁いてくるシドに翻弄されつつも、カレンは一ヶ月の間、彼の領地であるメルスウィン領へ行くことに。
はじめて目にするメルスウィン領。そこに暮らす人々。そして死霊術師の本来の役割を知り、カレンはシドに対する印象を少しずつ変えていく。
いまいち本心の見えないシドの愛(時に鼻血)を受けながら、カレンのメルスウィン領での生活が始まる。一ヶ月後、カレンが選ぶ選択とは。
愛する家族のために裕福な家へ嫁ぐことを望むカレンと、生きた人間との距離感がいまいち掴めない死霊術師の、手探りから始まる溺愛ゴーストラブコメディ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-08 08:59:34
33265文字
会話率:57%
北アルプス・剱岳の北方稜線。渉は単独で高難度の冬季登攀に挑んでいた。山頂を目前にした時、些細なミスから滑落し、足を負傷する。極限状態の中、彼は亡き父の幻影を見る。「まだ来るな」。渉は満身創痍で自力下山し、麓の美緒の診療所に担ぎ込まれる。
「どうして、そんな危険なことをするんですか?」。美緒のストレートな問いに、渉は答えられない。治療を受けながら、二人の間には見えない壁が存在する。
ある日、渉は実家で父の遺品である古い登山ノートを見つける。そこには、父が最後に目指そうとしていたヒマラヤの未踏峰**「ヴァルガ・ヒマール(標高7800m)」**のスケッチと計画が詳細に記されていた。「神々が最後に遺した聖域」。その一文に、渉の心は奪われる。父が追い求めたものの答えが、そこにあるかもしれない。渉はヴァルガ・ヒマールへの挑戦を決意する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-07 12:00:00
2358文字
会話率:28%
完璧主義の優等生・綾瀬凛は、学園広報誌のカメラ担当に任命されるが、高性能すぎるα99IIを前に大混乱。写真部が存在しない学校で、彼女がたどり着いたのは怪しげな『光画部』だった。フィルムカメラ、オールドレンズ、謎の暗室……個性爆発の部員たちと
送る、ギャグと成長の青春記録
※この作品はAIの補助(構成・文章案など)を受けながら、作者自身が最終的な編集・調整を行い執筆しています。
あくまで創作責任は投稿者にあり、AI生成部分においても人為的なチェックを経たうえで投稿しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-05 00:00:00
11645文字
会話率:27%
滅びかけた地球を旅する少年が出会ったのは、心を持つ戦闘AI《ライドロン》だった。
やがて言葉を持たない少女リリィと出会い、三人は少しずつ“家族”となっていく。
だが、地球を救うためには、誰かが犠牲にならなければならない――。
鋼鉄の父と心を
持つ子供たちが、愛と再生を紡いでゆく、感情と絆の終末世界ヒューマンドラマ。
※この作品はAIの補助(構成・文章案など)を受けながら、作者自身が最終的な編集・調整を行い執筆しています。
あくまで創作責任は投稿者にあり、AI生成部分においても人為的なチェックを経たうえで投稿しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-04 12:00:00
12187文字
会話率:32%
とある王国で、優秀さで知られた第二王子が遅まきながらついに婚約を決めた。皇国の第一皇女である婚約者を尊重し、穏やかに愛を育み、国中や諸外国からも祝福を受けながら婚姻を迎えた第二王子は、不運にもそれからほどなくして亡くなったのだった。そのあと
の世界と精霊姫のお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-04 02:39:47
3055文字
会話率:6%
高校生・御影怜は、過去の異常体験「祈端」の真相を追う中、図書室で謎めいた少女・白鷺詩音と出会う。彼女は他人と距離を置き、心に深い傷を抱えていた。詩音の過去を知ろうとする御影は、忠告を受けながらも彼女に関わり続ける。やがて2人の間に静かに奇譚
が始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-03 11:00:09
38504文字
会話率:38%
異世界に転生して神様業を引き継ぐことになったカイト。転生前に好きだったゲームといったご褒美につられて、初心者ながら神様業を開始。
神樹という、この宇宙の根本となる仕組みを支えつつ、相棒のオオアルマジロに助けられながら、加護するヒュム
族の人々の生活を豊かにするため、様々な問題解決を進める毎日。
ダンジョンをつくったり、ダンジョンのアイテムや仕組みをつくったり、いろんなジョブをつくったり。ヒュムの人々を育て、かれらの生活をより豊かにしようとする。
他種族との争いや、他の種族の神々とのトラブル等、ご近所問題の解決も引き受けながら、神様として成長を遂げていくカイト。
ついうっかり失敗して、世界の理を変えて大問題になったりもするけど、信仰心を集め、神樹を育てることで自らの成長(神威格上げ)を果たしながら、様々な能力(神権)を使って問題解決を進めた転生者の神様業をまとめた創世の神話。
===
メインストーリーは完結しました。
現在、そこでは書ききれなかったエピソードを、ぼちぼち更新しております。
番外編にまとめております。
===
現在、マッチポンプのその後の物語を別タイトルで更新しています。
「やがて神となる少年は恋愛に夢を見すぎている」
引き続き、カイトたちの様子をご覧いただけましたらありがたいです!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-01 17:00:00
1384098文字
会話率:47%
<あらすじ>
一度目の転生でヒュム族の守護神を務めた主人公のカイト。
現在、二度目の転生でヒュム族の平民ライフに挑戦中。
神様時代に自分が作ったダンジョンや魔法を無意識に使いこなし、仲良くなった神々からのサポートを無意識に受けながら、
この世界に残された【偉業】を達成していく物語。
ちなみに現在、主人公は神様時代、そして転生前の記憶(地球)を封印中。前作「マッチとポンプで異世界神様業」を読んだ片の方が主人公よりも色々詳しい状態で物語は進行中。
<前作とのつながり>
前作の人物たちも登場し始めました。
本作からでも楽しめるように書いていきたいと思います。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-20 21:00:00
613102文字
会話率:50%
東京から東北の高校へ転校してきた僕は、そこで運命の出会いを果たした。それは、花をこよなく愛する園芸部の部長、花織先輩だった。
地味な新入部員・ユキチ(仮名)と、植物に囲まれた日常を送る花織先輩。彼女の植物への愛情は深く、まるで花たちの言葉
が「見えている」かのように、その成長を見守っていた。
園芸部の活動を通して、花織先輩から植物の知識や世話の仕方を教わるうちに、僕は漠然と抱いていた「花屋になりたい」という夢を、具体的な目標として意識し始める。先輩の優しく、そして時に厳しい指導を受けながら、花や野菜との触れ合いの中で、僕は少しずつ成長していく。
これは、東北の豊かな自然を舞台に、花と植物、そして大切な人との出会いが、ひとりの少年を花屋の夢へと導く、ハートフルな園芸解説ラブコメディ。ユキチが夢を抱き、やがてその夢を現実のものにしていくまでの、暖かくも微笑ましい日々が描かれる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-26 13:03:43
13860文字
会話率:41%
高校2年生の春、16歳の佐藤美咲(さとう みさき)は医師から末期がんを宣告される。余命は1年。ショックを受けながらも、家族や友人に病気を隠し、残された時間を「普通の高校生」として生きようと決意する。そんな彼女の前に、転校生の藤井悠斗(ふじい
ゆうと)が現れる。無口で少し影のある悠斗だが、どこか優しく、美咲の心にそっと寄り添う存在になっていく。季節が巡り、二人の距離が縮まる中、美咲は自分の命が尽きる前に「恋」を知りたいと願う。しかし、病状が進行し、隠していた秘密が明らかになりつつある時、彼女は最後の選択を迫られる——悠斗に全てを打ち明け、愛を告げるのか、それとも静かに別れを選ぶのか。
折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-05-22 13:15:02
32910文字
会話率:20%
天空に浮かぶ学園島セレスティア・アカデミー――そこでは年に一度、「異世界空中学園」の名を冠した魔法試練が開催される。魔力ゼロの高校生・神楽坂颯は、自分など何の役にも立たないと思い込み、参加を半ば諦めていた。しかし、風属性トップの才女・風祭莉
玖、火属性剣術科最強の先輩・火野紅、碧霧見習い魔女のロリっ子・小鳥遊すずね、黄昏の歌姫ユイ、4人のヒロインに導かれ、颯は“風の契約”を結ぶことになる。
初めは魔力を持つ仲間に頼り切りだった颯だが、試練を重ねるごとに「知識×肉体×絆」が真の力を生むことを学んでいく。浮遊神殿で幻晶獣を討伐し、重力反転の迷宮を抜け、幻影図書館で古の魔法を解析し、元素の泉で四属性の精霊と対峙――仲間との連携が深まるたび、颯の“無力”という殻は粉々に崩れ去った。
だが学園理事長の野望は、試練の裏で「碧霧(エメラルドフォグ)」を兵器化し、学園島を支配することにあった。裏切りの側近・蒼井の陰謀をすずねが盗み聞きしたことで、颯たちは真実を知り、理事長との最終対決に挑む。霧の魔導王へと覚醒した理事長を相手に、颯は仲間4人との合体奥義「蒼天絆滅」を放ち、ついに島を覆う霧を浄化する。
霧が晴れた朝、学園島は生徒たちの祝福に包まれる。颯はすずねを隣に誘い、莉玖と紅から祝福の言葉を受けながら、新たな冒険へと足を踏み出す。その背中には、どんな“無力”も超える、確かな「絆」の翼があった――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-21 12:10:00
85123文字
会話率:53%
かつて、世界を魔族の脅威から救った英雄、レオン・ヴァルグレイヴ。彼は一世を風靡した戦士であり、数多の戦場を渡り歩き、数々の英雄的な戦歴を持っていた。だが、彼の全盛期も今は遠い過去のもの。引退し、静かな生活を送っていた彼の元に、突如として魔族
の再来を告げる知らせが届く。
その時、レオンのもとには一人の少女——フィリアがいた。彼女はレオンの娘であり、かつての英雄の血を引く者。だが、フィリアは父のような英雄にはなりたくないと心に誓っていた。しかし、魔族の脅威が迫る中、フィリアは自分の力を試す決意を固め、父と共に王都へ向かう。
王都では、魔族の軍勢に対抗するため、レオンとフィリアは再び戦場へと立つことになる。フィリアは、父の厳しい訓練を受けながら成長し、魔族との激闘に備える。しかし、王女エリスの登場や新たな仲間たちの力を借り、フィリアはただの“英雄の娘”ではなく、一人の戦士として覚悟を決める。
だが、すべてが順調に進むわけではない。魔族の軍勢は予想以上に強大であり、王都はすでに魔族の手に落ちる寸前だった。フィリアは父の剣を継ぎ、仲間たちと共に魔族との壮絶な戦いに挑む。
フィリアは、父が長年隠していた真実を知ることとなり、さらに深い闇に立ち向かうことを決意する。だが、その先に待ち受けるのは——父の過去、そして魔族王との壮絶な最終決戦だった。
父と娘の絆が試されるとき、フィリアは本当の英雄へと成長する。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-18 20:00:00
44651文字
会話率:43%
塩八病院の臨床検査技師・緑は、健診に訪れた男性・犬崎の異変に気づく。だが、同僚の小田は「検査技師の仕事は“診断”ではなく“気づきと報告”だ」と冷静に告げ、緑の暴走を止める。
その数日後、犬崎は激しい肩の痛みで救急搬送される。あの日の異変が
予兆だったのではないか――そう感じた緑は、検査データに隠れた“見えない病”の可能性を探る。そして、小田もまた自らの信念に従い、医師の反発を受けながらも真実へ迫っていく。
診断権のない技師たちが、己の職責と矜持をかけて“救えるはずの命”に挑む――
これは、臨床検査技師たちの静かな闘いの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-15 21:00:00
12082文字
会話率:45%
三大陸に挟まれた小大陸。その中の熊獅国は隣国、宇關に侵攻されていた。宇關の呪術者が作った水のゴーレム軍。その巨体の中に戦士が入り槍を構えている。熊獅の剣士の刀も魔法団の火炎魔法も、ゴーレム表面に阻まれ中の戦士まで届かない。味方の死体が増え
ていく。額から血を流す黒髭の男こそ熊獅の君主、螺鈿。魔法団長が鼻髭を振るわせ馬を駆った。呪文を詠唱し火炎の大弓と二本の火矢を作る。水のゴーレムの拳を掻い潜り、中の戦士に火矢を放つ。穴が開くと突き出てきた槍を胸に受けながら二本目の火矢を放つ! 敵の喉に命中しゴーレムは水たまりとなった! 螺鈿王は困惑する。なぜ中の戦士を倒して、魔法が解除されるのか!? 団長は操作魔法の素材が敵の呪術者の魔力ではなく、戦士の生命力に由るものだと推理したのだ。魔力を持たない戦士に魔法戦をやらせるという驚くべき画期的な戦法。これこそ宇關の国が戦を仕掛けてくる動機となった事が明らかになった。熊獅の魔法団は団長の戦法を真似て犠牲となっていく。螺鈿王も愛馬に跨り剣を掲げて敵軍に駆けて行った。熊獅の勝利。
夜の盛大な酒盛り。螺鈿王も酒を飲み干している。そこへ黒髪の中年男が引きずられて来た。宇關国の国王、波多王である。彼の前に大樽が引き倒された。首の無い少年の死体が飛び出す。そこへ螺鈿が頭部を投げ寄こした。それは彼の息子、宇關の皇子、孔勳であった。咆哮し血涙を流す波多王。「熊獅を滅ぼす! 子孫を祟ってやる!」螺鈿が大剣を抜き、生々しい音と共に首を斬り落とした。
一年後。熊獅の王宮から産声が響き渡った。しかし赤ん坊を抱く助産師の悲鳴が。「これは悪魔の呪い!?」赤子の右腕は太く普通の四本分はある。戦士の様に褐色で傷だらけ。左腕は右腕の半分。しかし色白でしなやかだった。ただその顔は美しく姫の様な皇太子である。螺鈿王は一週間後、赤子を王宮から追放した。たった一人の世話係をつけて。
皇子は二十年間、苦労と愛情に包まれて成長する。そして三大陸の世界戦争の気運の高まりによって人生の大きな岐路に立たされる。デジタル科学力をもった新たなる敵の侵略。友好国だったはずの隣国からの宣戦布告。そして憎み続けた父、国王との死別。巨腕に憑りつきし呪いの力は果たして主人公・峻怜に何をもたらすのか。幼馴染み、年上の美女との恋や人工的に生まれた幻獣、更に地獄界をも巻き込む長編冒険譚が幕を開ける。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-12 08:00:00
2157文字
会話率:11%
プロローグ
「全然暇にならないじゃん」
連続15連勤明けで、やっと家にたどり着いた薬師の ルリィ・オミナイ は、撒き散らされた書類の山にうんざりして、いつものようにため息をついた。
「だからさっさとあんなヤツら見捨てて、オレ達だけで
、好きな事だけして過ごそうって言ってるじゃ無いか」
久しぶりの帰宅で、家中の窓を全開にしたのがまずかった。
銀の鬣をなびかせて風を全身に受けながら、ゲッコウ は呆れ、いつも言っている悪態をついた。
「こんなんじゃ何のための《魔女の家》なのかわからないわ」
ここにきたら思う存分、このベルベットのような美しい毛並みをすいてくれると思っていたのに。と ニコ がそれに続く。
「「毎日美味しいものをたらふく食べさせてくれるって言ってたのに」」
金眼で睨む2頭の幻獣に、ルリィは「ヴっ」と呻き机に突っ伏した。
「こんなに疲れてるのに、2人は私に料理させるんだ?」
優しく無い。優しく無いよう。ルリィの嘆きも聞こえないふりをして、2頭は「さっさと飯を作れ」とキッチンに移動するように促す。
「アウルス様が全然休ませてくれないのが悪いんだ」
重い腰を上げ、渋々書類を集めながら、文句をつけるルリィに2頭はそれでも追い打ちをかける。
「「お腹が減った!」」
「私もお腹減ってるよ!?」
床に散らばった書類をそのままに、ルリィはキッチンへ向かう。
ここは《魔領域》の[帰らずの森]にある《魔女の家》。それは、神秘の魔力で護られ、悪意外敵を拒み、望む者が認められると現れる森の中の隠れ家で、《聖領域》で暮らす人間達にとっては御伽話にもなっている。
そこで[魔女の薬屋]を営む店主のルリィは、2頭の幻獣の腹を満たすために、今日も突然の依頼で減ってしまった大量のポーションを作る傍ら、すき焼きとプリンを作るのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-10 06:00:00
124422文字
会話率:38%
不登校高校生の清阪 |奏達《かなた》は気がつくと羽の生えた人たちの住む天空の世界にいた。
この世界では、羽の色による差別があり、黒い羽を持つ人種は白い羽を持つ人種から迫害を受けている。
王族の娘でありながら黒い羽として生まれ、さらに片翼のた
め空を飛べないシルフィは、迫害を受けながらも空を飛ぶことを夢見ていた。
そんな彼女に恋をした奏達もこの世界で言い伝えられていた伝説の悪魔にそっくりだった。
不思議な力を持った空を飛べない天使と、悪魔にそっくりな戦闘力ゼロの高校生のまっすぐな想いがつなぐ恋愛冒険ファンタジー!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-05 17:00:00
131114文字
会話率:29%