僕がミシンを手に入れたのは、なんてことはない、自分だけの服が欲しかったからだ。もちろん、最初から満足できるものができるとは思っていないし、そもそも、すぐに飽きると思っていた。でも、「もしかしたら」と思ってペダルを踏み続けたら、たくさんの服が
できあがっていた。捨てるのは忍びないけど、このままでは部屋が埋まってしまう。そう思ってフリーマーケットに出展することにした。そこで、サイケデリックでパンキッシュな彼女と出会った。僕が服を売って、彼女が服を買う。ちょっとした会話があったけど、あくまでそれだけの関係。でも、偶然というのはあるらしい。また彼女と出会ってしまった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-10-06 02:59:01
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会話率:41%