『朝日』は自分が通う高校の卒業式で退屈を貪っていた。
しかし桜の由来を話し始めた校長によって、中学生の頃の記憶が呼び起されることになる。
親友の孝太と中学に入学と同時に訪れた『狩宿の下馬桜』の下で出会った『木内さくら』は、名の如く可憐で、
二人の心を鷲掴みするのは容易であった。
数日を待たずに朝日とさくらは交際を始めたが、わずか三か月で引き裂かれることになる。
永遠の誓いとも取れる言葉を最後に交わしてから三年が経っていた—―。
何の連絡も取れなくなった『さくら』を何度も諦めようとする。
忘れようとするほどに思い出される愛がある。
気が付けばいつも思い出される『さくら』という存在に朝日は苦しみ続けていた。
朝日とさくらには、どんな縁があるのというのだろうか—―。
運命を呪いたくもなった朝日が、辿り着いた先にあったものとは—―。
※この作品は「エブリスタhttps://estar.jp/novels/10942750」にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-13 13:42:46
39445文字
会話率:24%
「困ってる人を見ても、助けたりしちゃ、いけないんだぜ。自分にとって、命取りになるからね」
夏っぽい夜風を感じると、いつも思い出される言葉だ。
その言葉を耳にした時、俺はまだ八歳で、社宅に住んでいた。マンションの三階。その夜、俺は珍しく度
の過ぎた悪戯をして、お仕置としてベランダに閉め出されていた。後にも先にも、そこまでの仕置を受けた事はない。
多分、当時の俺は夏休みを目前にして高揚していたのだ。何を思ったのか、父の部屋から車の鍵を拝借して、運転席に座った。そして、見様見真似で車を走らせたのだ。駐車場の中だけの話だったし、自転車よりもノロノロとした速度だったから、そこまで叱られるとは思わなかった。
叱られる事に慣れていなかった俺は、大きなショックを受けた。十七年経った今でも、よく覚えているくらいに。
あの夜、ベランダで俺がひとり、打ちひしがれていた時、隣の家の網戸がガラガラと鳴った。続いて、蒸し暑い空気を割くような、シュパッという音。目をむけると、向こうもこちらを見ていた。
スッと背の高い、薄い体。少し外国人風の顔立ち。湿った夜に、赤い点のような輝きがくっきりと見えた。独特の香りが鼻をつく。先程の空気を割くような音は、ライターだったのだと知った。淡い煙が夏に溶けていくのがキレイだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-20 13:05:51
9750文字
会話率:30%
この「小説家になろう」というサイトを知らなかった頃、私はmixiの日記に色んなことを書き散らかしていた。おふざけであったり、多少は真面目なこともあったり、小説まがいのことも書いたり、見た夢のことも結構書いた。それらは私の記憶の底で埋(うず
)もれ、すでに固まってしまったようにも思えるが、時として読み返すと、まだ固まり切れていない物が何かで掻き回されたように、もわぁ~と浮き上がって来て、書いた当時のことが思い出される。それらはしばらくするとまた沈み込んで、後から後から書かれたものに覆い被せられ、鎮まるのだが、再び掻き混ぜられることを待つようにじっとしばし眠っているようでもある。
今回、かつて私が書いたものの幾つかをここに納めておこうと考えた。読むに耐えない馬鹿馬鹿しいものばかりだが、折に触れ、掻き混ぜてやろうと思ったのである。
その多くはエッセイみたいなものか、実際に見た夢の話である。どんなつまらないものが入っているのか『知りたい人のみ』(限定)お読み下さい。
※ ほとんどの文章はmixiの日記から引用しているが、多少手を加えている。また、オリジナルも少し混じっている。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-08 07:30:21
30952文字
会話率:4%
「君が何処にいようと私が何処にいようと私が君を私が導いてあげる。──だって私は星詠みだから」
『星詠み』として地球を救うため、地に降り立った彼女──如月霧花は、隕石の降る夜、その言葉を最後にこの世から姿を消した。
季節外れの金木犀の香り
、夜空を彩る星々の輝き、そして彼女の満天の笑顔。それらと共に刻まれる数々の記憶は全てが輝いていた。
──それから月日が経ち、彼女という星を失った僕──土田陽太は色褪せた生活を送っていた。
思い出される彼女との記憶。しかし、どれだけ手を伸ばしても彼女はもうここにはいない。そんな後悔と共に過ぎる時間を僕は過ごす。
──しかし、彼女が消えてから丁度一年、運命の歯車は動き出す。その夜、夜空にはあの日と同じ隕石が──
彼女との記憶に隠された本当の意味と様々な伏線。これは星で結ばれた二人の男女が作り出す美しき物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-05 20:09:57
11076文字
会話率:49%
現実から離れる一瞬の帰郷。
微かに思い出される過去の記憶が見せるもの。
最終更新:2023-04-08 20:54:46
4281文字
会話率:18%
『赤の魔女は恋をしない』https://ncode.syosetu.com/n4848ib/
50年ほど後、長命なハーフ・エルフの魔女デーティアと猫の物語
魔女デーティアは町の食堂青い雌鶏亭の大女将ハンナの死後、彼女が可愛がっていた猫をひ
きとった
最初は青い雌鶏亭の内々の騒ぎをおさめるためだったが、実はその猫は現国王縁の猫だった
国にも50年あまり前が思い出されるお家騒動が起こっていたのだ
12話完結
毎朝4時に更新予定です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-04 04:00:00
32579文字
会話率:31%
宗一郎は、同窓会のために久しぶりに故郷を訪れていた。懐しの街で思い出されるのは雅紀のこと。あの日、宗一郎は雅紀と二人で辻占を行った。 ※カクヨムにも投稿
最終更新:2023-03-23 18:21:12
5531文字
会話率:12%
剣の奥義を極めたと、自他共に認める、老師と呼ばれる剣士。
だが、日々重なってくる老いは、
彼から、生きる目的さえ、失わせていった。
命の終わりが近づくなかで、思い出されるのは、〖月〗という名の女性剣士。
老人の生涯でただ一度の、短い恋で
あった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-02 11:00:00
1351文字
会話率:13%
今も後悔している。誰かに傷つけられたことよりも、誰かを傷つけたことの方が、よく思い出される。
自分の心のすり傷は癒えるけれど、相手につけた傷は自分の記憶の中でいつまでも癒えない。
缶コーヒーを用意してくれてありがとう。何のお返しも
できなくてごめんね。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-26 22:07:01
988文字
会話率:25%
孫娘のマリーが屋根裏部屋から見つけてきたぬいぐるみは、おじいちゃんの初恋にまつわるものだった。
雪降る夜に、懐かしいあの日が思い出される。【冬の童話祭2023】
最終更新:2022-12-19 10:02:58
2973文字
会話率:43%
突然の終戦を迎え、故郷へと迎へ向かう最中、思い出されるのは戦争で失った幼少時代であった。物心ついた頃から剣をとり、騎士見習いとして戦場で過ごして得たものは虚無と罪悪感だけだった。人助けをしよう。奪った命の分だけ人を助けよう。戦火で家や親を
失った子供が溢れるこの国で、まずは『孤児院経営』など始めてみてはどうだろうか。……ほら、頑張らないと。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-18 15:56:27
7023文字
会話率:28%
私が過去に書いたエッセーです。主として私が所属していた文芸誌のコラム欄に書いたもので、執筆時期は1983年から2012年に渡ります。題材は文学・文化・政治・世相・趣味と多岐です。読んで頂ければ当時の出来事で思い出されることもあるかも知れませ
ん。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-20 11:12:49
135072文字
会話率:3%
最愛の姉を失った少年。彼の前に「甦生人形」と呼ばれる姉にそっくりな人物が現れる。
一体彼女は何者なのか。何故彼の前に現れたのか。真の目的とは何なのか。
思い出される姉と重ねながら少年が出した結論とは?
最終更新:2022-09-05 17:00:00
19772文字
会話率:46%
思い出されるのは、いつも夕暮れ。
最終更新:2022-08-04 11:00:37
394文字
会話率:0%
現実世界を考える際、きわめて今日的なのはコンピュータとインターネット環境を通じた高度に脳化された秩序的なものとの混合の中で生きていることに気がつく。このような世界を嘆いてソロバンを使い書類に手書きをすることに帰ろうとは好き好んで言える訳で
はない。パンデミックでどうしようもなくなったら、そういえばと思い出されるかもしれない。平時が続く場合においては脳化された社会は進むことが予想される。なるべくはアナログともいうべき状態と今日的な趨勢を同居させる努力が必要である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-16 14:52:42
1438文字
会話率:0%
朽ちる花より残る花
花を見る度に思い出される元彼にはなりたくない。
転載防止のため、[環流 虹向/あなたから貰った花が私のいちばん好きな花]をつけています。
最終更新:2022-05-24 15:00:00
627文字
会話率:16%
主人公(奏太)はたまたま見た夢の中にある一人の少女が現れ、ある約束をする。だが夢から覚めるとその約束も夢の内容も忘れている。だが頭の片隅には少女の記憶がある。重ねる日々の中で少しずつ思い出される約束と消えていく○○。奏太の青春のストーリー。
最終更新:2022-05-03 20:53:30
1063文字
会話率:26%
新婚当時から愛用していた電子レンジが壊れた。古びた家電を偲ぶ。なんだかノスタルジックな気持ちにななる。記憶の動画の自動再生が始まる。思い出されるのは、愛らしい昭和の家電たち。
最終更新:2022-01-26 17:00:00
5544文字
会話率:10%
雪がシンシンと降りしきる中滑る。そこは日常では味わえない楽しみや充実感を私にいつも与えてくれる。
毎年、家族で行っていただけが、大学生になってより一層かけがえの無いものになるなんて入学する前の私には思いもよらなかった。
社会人になっ
てからは大学生に戻りたいほど恋焦がれるほどだ。自宅待機を迫られる中こんなにスキーに行けなくなってしまうなんて思わなかった。
そんな振り返ると後悔が先に思い出されるがその中でも大好きな人に出会えたり出会えなかったり…
社会人の私、雪が振り返る学生ストーリー…?
というか、恋愛ってしたっけ?にっきみたいになっちゃうかも。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-22 17:00:22
1529文字
会話率:24%
無邪気に喜ぶ女性を見て思い出される、過去の出来事。
最終更新:2022-01-13 20:00:00
2864文字
会話率:43%