知らないうちに見知らぬ森の中にいたハヤト。気がつけば浜辺に座っていたユメ。噎せ返すような死臭の中に佇むゴウ。養母から激しい虐待を受けるアイリ。橋から身投げしようとしていたツトム。
見知らぬ土地、見知らぬ街で、見知らぬ人たちと感覚の思うがまま
に共同生活を送ることになった5人が、自分たちは何者なのか、この世界は何なのかの答えを求める、そんなお話。答えがあるのかわからない、そんなお伽話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-02-13 11:40:16
1285文字
会話率:6%
絶えず流動し、しかし大きな変化が生まれる事無くただ怠惰に回り続ける退屈な世界。
主人公――天原優生(アマハラ ユウキ)はそんな停滞した世界で人並みの生活を送り、何の面白みもない平凡な人生を歩んでいた。
良く言えば平和、悪く言えば刺激の
無い日々――それに別段の不満を抱く事無く優生は社会の流れに身を委ね生きていく。
自分はそれでいいと思っていたし、何より彼はその現状が永遠に続くものだと信じていた。
だが、その幻想はモノクロの景色によって全て塗り潰される。
眠りの記憶――『夢』の中に突如として現れた白と黒の二色が織り成すもう一つの『世界』。
そこで遭遇する、黒一色で形成された夥しい数の化け物達。
そして、無慈悲に化け物を狩る粗暴な少女との出会いが優生の『世界』に風穴を開けた。
「思い上がりなさい、自分は世界最強だって。そして"想像"し、創造するの……アンタの思い描く最強の自分の姿を!」
戦う意思は刃となり、守る意思は鎧となり、翔る意思が翼となる集合無意識世界の戦い。
訪れる世界規模の危機(クライシス)。
その果てにモラトリアム達は何を見つけ、何を掴み、何を失うのか。
これは、守りたい者の為に世界を賭けて戦い続けた少しイタい少年少女達の記録。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2015-10-02 08:46:25
3781文字
会話率:17%
全身サイボーグの弾造は、古めかしい太刀に宿るハラペコ付喪神としゃべるリヴォルバー式ハンドキャノンの泣き虫魔銃を相棒に、魑魅魍魎が跋扈する不夜城新宿・歌舞伎町を征く。
『仇討ち』代行として、雨雲さえも貫く超高層ビル・セントラルタワー75
階を目指す。
時は22世紀、九州より突如発生した奇病は瞬く間に北上し、日本全土を覆い尽くした。
発熱、倦怠感、皮膚の炎症、筋肉・関節の痛みから膠原病かと思われていたが、次第に目鼻耳口、手足の指、肘より先、膝より先の喪失が症状として現れた。原因不明の欠損病は世界各国でも次々に報告された。
しかし世界は、発生源などどうでも良かった。
各専門家がつばをとばし熱弁していたように、日本に端を発する世界恐慌の到来に震えていたからだ。
そうした状況にあっても各国から医療分野をはじめとして、法人も含む多種多様な人材が名乗りを上げ、崩壊しかかっていた日本への支援に駆けつけた。
しかしながら欠損病に対する根本的な治療薬は見つからないままに1年が過ぎ、指や眼がない子が生まれる新生児が増えるにつれて、対応の仕方を変更する議論がなされた。
導き出された結論は、サイバネティックスによる人体機能の補完だ。
醜い軍事用に開発が進められていたパワードスーツから極限を生きる宇宙関連技術、機械と人体をつなぐ医療分野のほか、電子工学・機械工学などや情報通分野がともに苦悩し作り上げた義肢や義眼などが、欠損病に苦しむ日本の新たな手となり眼となった。
謎の欠損病の収束を迎え、崩壊しかかった日本は新たに生まれた産業とそれに付随するサービスをもって停滞した世界の経済状況を牽引することとなった。
都心の大規模な再開発事業と経済特別区の設置がそれを後押しするも、日本経済復活の立役者たる新興企業は国内企業を次々と傘下に収め、優遇政策・軽減税率の適用により超巨大企業に成長し、富は役員の報酬・株式の配当という形で日本国外へ流出していった。
その一方で安易な移民政策が、各地で軋轢を産んだ。
片や正規・非正規の移民、片や超巨大企業という異なるベクトルの流れに翻弄される日本――特に東京は混迷を極め、人ならざる存在をも招き寄せてしまった。
現在小説投稿サイト『taskey』 様においても同時掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-30 14:04:16
48998文字
会話率:18%