心地良い風が緩く巻かれた胸下ほどある髪を揺らし、君の頬を撫でる。
春色のカーディガンの袖を伸ばして君は誰かに微笑んでいる。
暖かくなったから薄手のものを選んだのだろうか。少しだけ寒そうだ。
君はオレンジ・ピールの乗ったほろ苦いチョコレートケ
ーキを、きっと背伸びして食べている。
可愛らしいその仕草もその笑顔も僕を惹き付けて離さない。
あの日から僕は、彼女をオレンジ・ピールの君と呼んでいる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-10-29 20:21:14
2226文字
会話率:45%
一見したところ学生を思わせる、チェックのスカートにダークブラウンのカーディガン。そしてシャツを引き締める赤いネクタイ、朱染めのエプロンに紅茶色の髪と瞳が、彼女を見る者の目を捉える。彼女の名はアルマ。イギリスはロンドンのブルームズベリーに店
を構える『カフェ・アルト』のオーナーにしてマスターである彼女を、訪れる客たちは親しみを込めて『深煎りの魔女』と呼ぶ。並々ならぬこだわりで淹れられる彼女の珈琲に入れ込む客は数知れず、上品で気の利いた焼き菓子は紳士淑女を魅了してやまない。これは『カフェ・アルト』を訪れる客人たちの、ほのかに苦くてほろ甘いオムニバスストーリー。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-07-20 10:42:55
54006文字
会話率:58%
「寒い。寒すぎるわ。太陽、私のコートはどこ?」
「月乃さんが「暑いからロッカーに置いておく」って言ったんじゃないか。一階のロッカールームまで降りないと無いよ。というか、コートは校舎内で着用禁止。カーディガンじゃないと怒られるよ」
「私のカー
ディガンはどこ?」
「……ごわごわしてるから着たくないって言ってそもそも学校に持ってきてない筈だけど」
月乃さんは頓珍漢な事を言い出したりする節がある。
そもそも暑いと言ってみたり、急に寒いと言ってみたり、変に忙しい人なのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-12-24 22:30:56
11168文字
会話率:27%
肌寒くなってくる季節。 人の暖かさが素敵な季節です。
最終更新:2012-09-26 22:15:31
324文字
会話率:0%
ある会社、真夜中の喫煙室。残業中の不機嫌な男と泣きそうなカーディガン女。すぱー、俺でよかったら話くらい聞くぜ。タバコの煙が立ち込める、互いの姿も曖昧な密室で(そんな大層なものではない)のお悩み相談の一幕。
最終更新:2012-09-03 02:00:29
1434文字
会話率:0%
「そういえばさ、みはる、図書委員って大変なの?」
「大変っていうか……メンバーが嫌なんだよね。みんな、内申のためって感じで」
「そっか……。 でもさ、確か荻崎君いるよね? それだけでもラッキーじゃない?」
「……オギサキ君? 誰それ?」
「
えっ、嘘! 知らないの? 二組の荻崎君を?! 信じられない!」
「そんなに有名なの?」
「だって、この学年で一番モテてるんだよ! 女子なら知らない人はいないって!
カッコよくて、運動神経抜群で、頭も良くて……!
それに、すーっごく優しいんだって! 三拍子+アルファ!! 最高じゃない!!?」
「ちょ、亜紀、声でか過ぎ……」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-04-08 16:24:07
8272文字
会話率:19%
秋をイメージした短編 第2弾
今回は「紅葉」
別れと新しいスタート。せつなさの中にちょっと温かいイメージをいれてみました。
夏前に父を亡くした彼女。恋も失い傷心の彼女の前に・・・
最終更新:2010-11-09 00:42:24
3057文字
会話率:29%
初めまして、俺の名前は紅(こう)赤(せき) 灯(ひ)焔(えん)。はっきり言って、この名前よりも『地獄(じごく)の業(ごう)焔(えん)』という二つ名の方が有名だ。
そんな俺は金属アレルギーで常に手袋をしている。喧嘩をするときは別だけど……。
好きな事は家事と星を見ること。逆に、嫌いな事はピーマンを食べる事、ゲームをやる事、数学の勉強をする事に自分勝手なやつを見る事の四つ。
こんな自己紹介で悪いんだけど、俺は今体育館の中にいる。その理由は――
入学式
それが行われるのは桜と梅が咲き、新しい出会いを予感させる季節――春という季節がやってきた事を意味していると思う。
初々しい制服なんて自分で言うものではないけれど、初めて着る制服――ワイシャツに、黒ズボン、紺色のカーディガンと水色に黄色の校章があるネクタイ――に身を包んでいる俺は校長の挨拶を右から左へと聞き流す。
朝とも昼ともいえない微妙な時間帯に、暖かな陽射しが窓から差し込む体育館は俺ら新入生を祝福するというより眠気を誘っている。
「ふ、ふぁ~~」
欠伸をしながら壇上を見上げると校長の話はもうすぐ終わりそうで、
「最後になりましたが保護者の皆様……」
とお決まりのセリフを言っている。
早く終われ!
そう心で呟きながら来賓が壇上に上がるのを見ている事しか出来ない俺は、
「すいません。気持ち悪いので保健室に行ってもいいですか?」
近くにいた先生に声をかけて許可を貰い体育館を後にした。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-05-24 15:00:21
66823文字
会話率:34%
薄桃色のひざ丈のプリーツスカートがふわりと揺れた。
彼女は真白のブラウスを着ており、その上からスカートよりも淡い色合いのカーディガンを羽織っていた。
キーワード:
最終更新:2010-05-01 21:31:38
1417文字
会話率:52%