-間咲正樹- 小説家になろう 更新情報検索 - 新着順 -
『小説家になろう』サイトの更新情報を検索します
検索結果:237 件
「うーん、美味い! このローストビーフ絶品だよ! 君も食べてごらんよ」
「もう、ウィル、あまりがっつかないでよ。恥ずかしいわね」
今日は婚約者のウィルと二人で、名門ボールドウィン侯爵家が主催の夜会に来ていた。
周りの人たちは、皆貴族らしく厳かに時を過ごしているというのに、ウィルは今日も体面なんて気にもせず、食べたいだけ食べて飲みたいだけ飲むという、子どもみたいな振る舞いをしている。
本当に、ウィルは食いしん坊なんだから。
その割には大した運動もしてないのにスマートな
体型を維持しているので、いったいそのカロリーはどこに消えているのか、甚だ疑問だ。
「でもさ、せっかく料理人たちが腕を奮って作ってくれた料理だよ? それを食べないで眺めてるだけなんて、そっちのほうが失礼だとは思わないかい?」
ウィルはいつものようにニッコリと、屈託なく微笑む。
「……まあ、それは確かに」
普段の言動は子どもっぽいのに、たまにこういう核心を突いてくるから侮れない。
どっちが本当のウィルなのかしら……。
「エスメラルダ、ただ今をもって、君との婚約を破棄する!」
「「「――!!!」」」
その時だった。
ボールドウィン家の嫡男であるヒューバート様が、婚約者であるエスメラルダさんに対して、右手に持った短い鞭を向けながら、そう宣言した。
だが、この婚約破棄は、巷に溢れている婚約破棄と違って、どこか違和感があった――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-26 21:03:08
3635文字
会話率:54%
IN:0pt OUT:6pt
総合ポイント:846pt 評価ポイント:774pt
「映画凄い面白かったですね!」
「え?」
映画館で偶然隣の席になった、二十代中盤くらいの同年代の美女から声を掛けられた俺。
これをキッカケに俺と美女は仲良くなり、毎週末一緒に映画を観に行くような間柄になった。
彼女の名前は三奈戸伊織さんといった。
三奈戸さんは見た目の割に子どもっぽい一面もあり、そのギャップに俺の心は惹かれていった――。
そんなある日。
どうやって三奈戸さんに告白しようか悩みながら、会社帰りに一人で裏路地を歩いていると――。
「あっ、脇田さん
!」
「っ!」
後ろから不意に、声を掛けられた。
こ、この声は――!
「あっ、三奈戸さ、ん……?」
振り返ると案の定、そこにいたのは三奈戸さんだった。
だが、三奈戸さんの格好を見た俺は、その場で完全にフリーズした。
――三奈戸さんは、高校の制服を着ていたのである。
な、なにィイイイイイイ!?!?!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-19 21:01:54
5558文字
会話率:45%
IN:0pt OUT:7pt
総合ポイント:0pt 評価ポイント:0pt
「セルマ、ただ今をもって、君との婚約を破棄する!」
「「「――!!」」」
貴族学園の教室に入った途端浴びせられた、私の婚約者であり、我が国の王太子殿下でもあらせられるロバート殿下からの台詞に、私は思わず言葉を失った。
「あ、朝からタチの悪いご冗談はおやめください殿下。みなさん困惑されているではありませんか」
突如始まった王族の婚約破棄劇に、クラスメイトたちからの視線が集中する。
皆一様に畏怖と好奇が入り混じったような表情で、事の成り行きを見守っている。
「もちろ
ん冗談などではないさ。君にはつくづく失望したぞセルマ。君がイジメをするような、最低な人間だったとはな! 君のような人間は、僕の婚約者に相応しくない!」
「イ、イジメ……!?」
まったく身に覚えのないワードが出てきて、一瞬意味が理解できなかった。
「しらばっくれても無駄だぞ! 僕がこの目で、何度もその現場を見ているのだからな! そうだよな、ララ!?」
「は、はい……」
ロバート殿下に呼び掛けられ殿下の隣に立ったのは、男爵令嬢のララさんだった。
ララさん……!?
「わ、私がララさんのことをイジメていたとでも仰るのですか!?」
「その通りだとも。――昨日も掃除の時間、君がララに罵声を浴びせているのを、僕はしっかりと目撃していたぞ!」
「ば、罵声って……! あれはいつも掃除の時間になると、ララさんがトイレに行って掃除をサボっているので、それを注意しただけです!」
「だーかーら! それがイジメだと言っているんだよ僕は! 君は軽く注意しただけのつもりかもしれないが、それで心に深い傷を負ったララは、放課後僕の胸で小一時間泣き続けていたんだぞ!」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-12 21:05:54
5882文字
会話率:50%
IN:0pt OUT:37pt
総合ポイント:4836pt 評価ポイント:4500pt
「アハハ、何これー!」
「ん?」
今日も用事もないのに、何故か俺の部屋でゴロゴロしている幼馴染の沙也が、唐突に大笑いした。
「何だ? 何か面白いもんでもあったか?」
「これこれ、見てよ功輔!」
沙也に差し出されたスマホの画面を見ると、そこには時間を止める能力を手に入れた男が、女性にあれこれエッチなことをするという内容の、エロ漫画の広告が流れていた。
「これのどこが面白いんだ?」
「えー!? メッチャ面白いじゃん! そもそもまず唐突に時間を止められるようになるのが意
味不明だし、仮に止められるようになったとしても、それでいきなりエロいことに及ぼうとするのも、思考回路ブッ飛んでるじゃん!」
「そうか? でも、エロ漫画ってそういうもんだからなぁ。整合性を求めるだけ、野暮ってもんだぞ」
「……へー、随分エロ漫画に詳しいんだね功輔は。まあ、功輔も思春期の男子高校生だもんねー。そっかそっかー、うんうん」
クッ、いつもそうやってからかいやがって!
……何とかして沙也に仕返ししてやれないものか?
「……!」
その時だった。
立って部屋から出て行こうとしたまさにその刹那、壁に掛かっているアナログ時計が止まっているのが目に入った。
ああ、また止まってる。
この時計は最近調子が悪く、たまに止まってしまうことがあるのだ。
……あ、そうだ。
ここは一つ、これを利用して――。
「ほえ? どうしたの功輔?」
俺はその場で、パントマイマーみたいにピタリと身体を止めた。
これぞ、時間が止まったフリ!
「おーい功輔? 功輔ってばー?」
俺の顔の前で手をブンブン振ってくる沙也をガン無視して、尚も時間が止まったフリを続ける俺。
さて、沙也はどんなリアクションをするかな?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-05 21:02:10
3858文字
会話率:41%
IN:0pt OUT:16pt
総合ポイント:1888pt 評価ポイント:1646pt
「セレナ、ただ今をもって君との婚約を破棄し、君を我がパーティーから追放する!」
「――!」
冒険者たちでごった返している、朝のダンジョンの入り口前。
そこでわたくしは、婚約者であり、我が国の王太子殿下でもあらせられるレックス殿下から、唐突にそう告げられました。
「あ、朝からご冗談はおやめください殿下。パーティーの士気に関わりますわ」
「フン、もちろん冗談などではないさ! これは極めて合理的な判断だ。君は婚約者としても、パーティーメンバーとしても役者不足。――その自覚は
あるだろう?」
「そ、それは……!」
まったく身に覚えがないとは言えないので、言葉に詰まるわたくし。
確かに幼児体型のわたくしは、女性としての魅力には欠けているかもしれません……。
わたくしのような女が未来の王太子妃では、王家の沽券に関わるという陰口もよく耳にします。
そしてパーティーメンバーとしても、わたくしは攻撃面ではまったくお役に立てていないのが実状……。
「ですが、わたくしがいなくなったら、パーティーのタンク役は誰が担うのですか?」
攻撃面では役者不足でも、タンク役としては、わたくしより向いている人間はいないという自負はございますから。
「フン、タンク役などもう不要だ。時代は変わったんだ。今はタンク役などに貴重な人員は割かず、パーティーメンバー全員を攻撃面で優れている者のみで構成し、迅速に魔獣を倒すのが最適解な時代なんだよ」
「と、とはいえ、あなた様は我が国の王太子殿下。御身にもしものことがあったら……」
「ええい、うるさいうるさい! 僕の剣の腕は君もよく知っているだろう!? 君なんかに守られずとも、僕は冒険者としてやっていけるさ! ――と、いうわけで、今日から新たに僕の婚約者兼、パーティーメンバーとなる女性を紹介しよう!」
「どーもー、お久しぶりでーす」
「っ!」
そこに現れたのは、男爵令嬢で魔法使いのドロシーさんでした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-29 21:00:00
18649文字
会話率:51%
IN:0pt OUT:25pt
総合ポイント:2020pt 評価ポイント:1698pt
「ねえねえ、星凪さんはさ、好きな人いないの?」
「え? す、好きな人?」
「「「――!!」」」
とある昼休み。
ゴシップ好きで有名な黒川さんが、星凪さんに唐突にそう尋ねた。
その瞬間、クラス中の男子から息を吞む気配がした。
さもありなん。
星凪さんはクラス一の美少女で、大半の男子は星凪さんに片想いしていると言っても過言ではない。
その星凪さんに、好きな男がいるか否かという質問なのだ。
そりゃ気にならないほうが噓ってものだろう。
「う……うん。いないことも……
ないような」
「「「っ!!?」」」
男子たちに電流走る――。
いた……、星凪さんに、好きな男が――!(倒置法)
これは世界を揺るがしかねない大事件だ。
今までまったくそんな素振りは見せなかったというのに。
やはり星凪さんも年頃の女の子。
そりゃ好きな男の一人や二人、いて当たり前だよな。
だがこうなると、俄然誰がその相手かというのが気になってくるが――。
「えー! そうなんだー! ねえねえ、誰か教えてよ、教えてよー!」
「そ、それは、流石にここじゃ……」
うん、そりゃそうだ。
こんなクラス中の人間が聞き耳を立ててるところじゃ、言えるわけないよな。
「あー、そっかー。じゃあゲームしようよ! 今から私が、『はい』か『いいえ』で答えられる質問を4回だけするから、それで星凪さんの恋の相手が誰か推理するよ! それならいいでしょ?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-22 21:03:57
1909文字
会話率:33%
IN:0pt OUT:19pt
総合ポイント:3492pt 評価ポイント:3060pt
「エリシア、ただ今をもって、君との婚約を破棄する!」
「――!」
貴族学園内で開かれている、ダンスパーティーの最中。
私の婚約者であり、我が国の王太子殿下でもあらせられるナイトハルト殿下が、唐突にそう宣言した。
そ、そんな……!
「このような場でご冗談はおやめください殿下。みなさん困惑されているではありませんか」
この場にいる生徒や教師たちが、何事かとこちらを窺っている。
「もちろん冗談などではないさ、エリシア。君には本当に申し訳ないとは思っている。――だが僕
は、もう自分の気持ちに噓はつけない! 僕は、真実の愛に目覚めてしまったんだ!」
「……!」
真実の、愛……?
三文芝居に出てくるような陳腐な台詞に、思わず眉間に皺が寄る。
あなた様は、ご自分の立場がわかっておられないんですか?
いずれこの国を一身に背負う立場でありながら、自由な恋愛が許されるとでも?
「うふふ」
「……なっ」
ナイトハルト殿下の隣に、不敵な笑みを浮かべながら、一人の女性が立った。
――それは私の親友である、男爵令嬢のマーガレットだった。
まさか、殿下の真実の愛の相手というのは――!
「――ガハッ」
「「「――!!!」」」
その時だった。
あまりの光景に、私は自分の目を疑った。
殿下が突如吐血し、その場に崩れ落ちたのである――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-15 21:00:00
21353文字
会話率:53%
IN:0pt OUT:42pt
総合ポイント:2114pt 評価ポイント:1830pt
俺がこの高校に入部して、早や二ヶ月。
そろそろみんながどれくらい親しくなったか確かめるためと言って、担任の先生が、『一人三問、自分に関するクイズをみんなで出し合う』というレクレーションを開いたのだが、俺のように未だに友達が一人もいないボッチ男には、ハッキリ言って拷問以外の何物でもない。
そんな中、クラス中の視線を一身に受けているのは、『氷の女王』の異名を持つ雪村さん。
雪村さんは男女問わず魅了する絶世の美貌を持っているにもかかわらず、普段は誰かと会話することは滅多にな
く、いつも教室で一人本を読んでいる、孤高の存在。
それだけに、雪村さんがどんな答えを書くのかが一番の注目ポイントだったのだが、雪村さんはここまで出された問題全てに対して、『わかりません』としか答えていなかった――。
「よし、では、次は福永の番だな」
「あ、は、はい」
そして遂に、俺が問題を出す番がきてしまった。
だが、大丈夫。
俺は無難な問題を用意してきたからな。
その問題とは――。
「で、では、第一問です。俺の身長は、何センチでしょうか?」
これである。
これなら大体見た目で、誰でも何となくはわかるからな。
因みに答えは173.4センチ。
まあ、雪村さんの答えは、どうせ今回も『わかりません』なんだろうが……。
――が、何と雪村さんが出した答えは、『173.4センチ』で……!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-08 21:07:39
3643文字
会話率:25%
IN:0pt OUT:22pt
総合ポイント:3846pt 評価ポイント:3370pt
「ジュリア、ただ今をもって、君との婚約を破棄する!」
「……!」
貴族学園のとある放課後の教室。
各々が帰り支度をしていると、私の婚約者であり、我が国の王太子殿下でもあらせられるダリル殿下が、唐突にそう宣言した。
「……どういうことでしょうか殿下? 随分急な話でビックリしてしまいましたわ。私があまりそういった冗談が好きではないことは、殿下もよくご存知ですよね?」
「フン、もちろん冗談などではないさ! こんなこと冗談で言えるものか! 僕は君のことを、つくづく見損なった!
まさかキャシーに対して、あんな陰湿な嫌がらせをしていたとはな!」
「ダリル様、あまりジュリア様を責めないであげてください! わ、私は本当に……、気にはしていませんから……」
「キャシー、無理をするんじゃない! 辛い時は素直にそう言っていいんだぞ!」
「ダリル様……」
ダリル殿下が、男爵令嬢であるキャシー嬢の肩に両手を置きながら、慈愛に満ちた瞳を向ける。
クラスメイトたちも、何事かと遠巻きにざわついている。
「話が見えないのですが? 私はキャシー嬢に対して、嫌がらせなどした覚えはございませんよ?」
「フン、そうやって白を切るというなら、こちらにも考えがある! ついて来い!」
そう言うなりキャシー嬢の肩を抱きながら、さっさと教室から出て行ってしまう殿下。
私はフウと一つ溜め息を吐いてから、野次馬のクラスメイトたちと共に、殿下の後を追った。
「これがその証拠だ!」
ドヤ顔で殿下が指差したのは、校舎裏にある壁の一角。
そこには夥しい数の、ありとあらゆる落書きがされていた。
この壁は、通称『匿名掲示板』。
最初は誰かがほんの悪戯で悪口を書き始めたのだが、それに対して他の人間がどんどん便乗していった結果、今では虚実入り交じった、まさしく匿名掲示板と言えるものにまで発展してしまったのである。
「これがいったい何だというのでしょうか?」
「よく見てみろ、ここを!」
殿下が指差した箇所に目を向けると、そこには『男爵令嬢のキャシーは本当に生意気』と書かれていた。
「それが何か?」
「まだとぼけるのか! これを書いたのは、君だと言っているんだよ僕は!」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-01 21:03:47
4007文字
会話率:56%
IN:0pt OUT:39pt
総合ポイント:4510pt 評価ポイント:4192pt
「実は俺は、NTR属性を持っているんだ!」
「…………ん?」
「俺は、NTRれることに快感を覚える、生粋のNTR男なんだよッ!!」
「先輩ッ!?!?」
同じソフトテニス部の尊敬する阿藤(あとう)先輩から、突然衝撃のカミングアウトをされた俺。
「だから俺から――妹の麻里子(まりこ)を寝取ってほしいんだッ!」
「――!!?」
阿藤先輩の妹であり、ソフトテニス部のアイドル的な存在でもある阿藤麻里子さんは、重度のブラコンで、阿藤先輩のことが大好き。
そんな妹のことを、阿藤
先輩も溺愛している。
だが、生粋のNTR男である阿藤先輩は、俺に妹を寝取ってほしいと懇願してきたのであった――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-23 21:04:39
4930文字
会話率:49%
IN:0pt OUT:30pt
総合ポイント:904pt 評価ポイント:796pt
「……ふぅ」
今日も聖女としての仕事で疲労困憊の私。
軽く伸びをしてから自宅の扉を開けた、その時だった。
「あっ、聖女様が帰って来た!」
「わぁ、凄い! 本物の聖女様だー!」
「っ!?」
妹のドリスと同年代くらいの、二十歳前後の二人の女の子が、私のところへ駆け寄って来た。
だ、誰、この子たち!?
「やっほー。おかえり、お姉ちゃん」
「――! ……ドリス」
テーブルに頬杖をついているドリスが、プラプラと手を振ってきた。
「えーと、あなたたちは、ドリスのお友
達かしら?」
「はい! 今日酒場で知り合ったんですけど、聖女様の妹だって言うから絶対噓だと思ったら、マジだったんで、マジビビッてます!」
「ねー! 普通そんなの噓だと思うよねー!」
「オイオイ、フザケんなよお前らー。さっき奢ってやった酒代、徴収すっぞ」
「アハハ、ゴメンゴメンー!」
テーブルの上には夥しい数の酒瓶と、いかにも高そうなツマミが広がっていた。
またこの子は……!
私が仕事で汗水垂らしている間、昼間から酒場で飲んだくれた挙句、初対面の女の子を連れて自宅で優雅に二次会とは……!
しかもその酒代は、私が仕事で稼いだものである。
私が聖女になって間もない頃、家計が潤った途端、ドリスは仕事を辞めてしまった。
それ以来今日までずっと無職で、私のお金を使って贅沢三昧の日々を送っている。
流行り病で両親を亡くした私にとって、今やドリスはたった一人の肉親。
ついつい甘やかしてしまっていたのが、完全に裏目に出た。
仕事が忙しくて、なかなかドリスと向き合う時間が取れなかったというのもあるけど、そろそろキツく言わないと……!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-16 21:09:15
11686文字
会話率:50%
IN:0pt OUT:35pt
総合ポイント:3158pt 評価ポイント:2888pt
「よっしゃあああああ!!!!」
画面に表示された『00:04:58』というクリアタイムを見て、思わず雄叫びを上げた。
遂にずっと目標としていた5分を切ることに成功したのだから、さもありなんといったところだ。
大作アクションRPGである『ニャッポリートクエスト』――通称『ニャポクエ』のやり込みプレイを始めて早や半年。
普通にプレイしたらクリアまで50時間は掛かるニャポクエを、ここまでの短時間でクリアした猛者は、世界で俺だけではないだろうか?
そりゃ雄叫びの一つや二つ
、上げたくもなるってもんだろう。
「――ん?」
その時だった。
テレビ画面から突如、目を開けていられないくらい眩しい光が発せられた。
な、なんだこれは!?
「う、うおおおおおお!?!?」
そして俺の身体は、その光に吸い込まれていった――。
「よくぞ参った、勇者タツロウよ。どうかお前の手で魔王ニャボステートを倒し、この世界に平和をもたらしてくれ」
「…………は?」
光が収まると、目の前にカイゼル髭を蓄えた王様風のオッサンが立っていた。
こ、この光景は、親の顔より見たニャポクエのオープニングシーンじゃないか――!
つまりこれはあれか?
俺はニャポクエの世界に、プレイヤーキャラとして転移したってわけか?
……ククク、燃える展開じゃねーか。
神様もなかなか粋なことをしやがる。
つまりこれはあれだろ?
今度は自分の身体で、『00:04:58』というタイムを更新してみろってことなんだろ?
――その挑戦、受けて立つ!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-09 21:04:38
4997文字
会話率:26%
IN:0pt OUT:19pt
総合ポイント:720pt 評価ポイント:668pt
「もう別れよ、アタシたち」
「――!!」
平凡な高校生男子の俺は、一週間前から付き合い始めたギャルの枢辺(くるるべ)さんから、唐突にそう告げられた。
あまりに理不尽な展開に理由を問い詰めると、何と俺への告白は『噓告白』で、最初から俺を弄ぶのが目的だったという……。
「そういうわけだから、明日からもう話し掛けないでね、マジキモいから。じゃーねー」
「あ……あぁ……。ああああああああああああああああ!!!!!!!」
――こうして人生に絶望した俺は、山奥の崖から飛び降り
、自ら命を絶つことに。
だが、崖から飛び降りた、その刹那――。
「――佐川君(さがわ)ッ!!」
「っ!!?」
『氷の女王』の異名を持つ、クラスメイトの源城(みなしろ)さんが、俺の手を掴み――!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-02 21:02:23
8258文字
会話率:42%
IN:0pt OUT:46pt
総合ポイント:808pt 評価ポイント:700pt
「あれ!? シェリル様、そんなブレスレット持ってましたっけ!?」
貴族学園のとある昼休み。
伯爵令嬢のシェリルは、男爵令嬢のドリーから、不意にそう訊かれた。
婚約者から贈られたブレスレットだと説明すると、ドリーは――。
「えー! シェリル様の婚約者って、あの名門侯爵家の長男の、ハミルトン様ですよね!? わー、いいないいなー! しかもこれ、最近発売したばかりの新作じゃないですか!? 超高いやつですよッ!」
瞳をキラキラ輝かせながら、ブレスレットをじっと見つめる。
すると――。
「えへへー、シェリル様、お願いがあるんですけど」
「……!」
おもむろに両手をすり合わせながら、上目遣いを向けてきた。
「このブレスレット、一日だけ貸してくれませんか? 明日友達の家でパーティーがあるんですけど、そこに付けて行きたいんです! お願いします! 私たち友達じゃないですか! ねー、シェリル様? 私たちは友達ですよね?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-26 21:00:00
7581文字
会話率:48%
IN:0pt OUT:27pt
総合ポイント:10904pt 評価ポイント:10028pt
入社二年目の平凡なサラリーマン筒井(つつい)は、『氷の女王』の異名を持つ美人キャリアウーマンである先輩の浅霧(あさぎり)に、入社以来ずっと片想いをしている。
だが毎日筒井は仕事で浅霧に叱られてばかりで、男女の仲になれる雰囲気は微塵もなかった。
そんなある日、筒井は官能小説投稿サイトで、浅霧が書いたとしか思えない、こんなタイトルの小説を発見してしまう――。
『キャリアウーマンは性奴隷!? ~オフィスで繰り広げられる、禁断の雌犬調教~』
最終更新:2024-01-19 21:03:43
5010文字
会話率:38%
IN:0pt OUT:28pt
総合ポイント:994pt 評価ポイント:870pt
もうわたくしは疲れた。
――後は好きにすればいいんだわ。
最終更新:2024-01-12 21:02:34
6789文字
会話率:48%
IN:0pt OUT:23pt
総合ポイント:11196pt 評価ポイント:10254pt
「お兄ちゃん、起きて起きてー」
「んん?」
夏休み初日。
優雅に惰眠を貪っていると、9歳になる妹の葉那(はな)に無理矢理起こされた。
「勘弁してくれよ葉那。俺は夏休みの間は毎日昼まで寝るっていう縛りを課すことで、呪力を底上げしてるんだよ」
「そういうのはいいからー。ラジオ体操に連れてってよー」
「ラジオ体操?」
葉那が?
確かにラジオ体操は夏休みの風物詩ではあるが、毎日家でアニメばかり観てる、生粋のインドア派である葉那がラジオ体操だと?
どういう風の吹き回しだ
?
ひょっとしてこの葉那はもう死んでいて、遺体をドラゴンが操っている状態だとでもいうのだろうか?
「あのね、ブリキュアがラジオ体操やってるんだって!」
「…………は?」
どゆこと?
「ほらお兄ちゃん、あそこだよ!」
「……おお」
眠い目を擦って葉那と二人で駅前の公園に来たところ、そこには既に10人近い人が集まっていた。
しかもそのほとんどは、葉那と同年代の女児ばかり。
「よい子のみんな、よく来てくれたね! これから私と一緒に、ブリキュア体操頑張ろう!」
「「「おー!」」」
その女児たちの前でカッコイイポーズを決めているのは、現在放送中の『バーニングブリキュア』の主人公である、『ブリレッド』のコスプレをした20歳前後の美女。
炎をモチーフにしたフリフリのミニスカドレスを身に纏っており、髪もブリレッドと同じく真っ赤に染めている。
なかなかに本格的なコスプレだ。
だがその中で、首に下げているシルバーのネックレスだけは浮いていた。
はて?
ブリレッドはあんなネックレスはしていなかったはずだが?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-05 21:03:01
5428文字
会話率:43%
IN:0pt OUT:30pt
総合ポイント:1068pt 評価ポイント:934pt
「――ケイト先輩、俺は、ケイト先輩が好きです。どうか俺の婚約者になってください」
「――!」
貴族学園のとある放課後の校舎裏。
そこで私は親友であるアレクシアの弟の、クラークくんからプロポーズを受けた。
だが私は、これが噓プロポーズであることを知っている。
昼休みにアレクシアから、「私の弟が放課後あなたに噓プロポーズするわよ」と聞かされていたのだ。
確かにクラークくんは我が学園に入学して以来、数々の令嬢たちから逆プロポーズを受けているほどのハイスペック令息。
私
みたいな何の取り柄もない令嬢のことを好きになるわけがないから、さもありなんといったところね。
とはいえ、ここで断るのも大人げない。
私はアレクシアに頼まれていた通り、騙されたフリをしてクラークくんの噓プロポーズにOKした。
すると――。
「ほ、本当ですか!? 嗚呼、夢みたいだ! 大好きです、ケイト先輩!」
「っ!!?」
クラークくんにギュッと抱きしめられた。
んんんんんんんん????
これ、本当に噓プロポーズよね!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-29 21:06:26
6398文字
会話率:41%
IN:0pt OUT:46pt
総合ポイント:3778pt 評価ポイント:3458pt
「ごめんね下井(しもい)君、待った?」
「い、いや、俺も今来たとこだよ」
文化祭当日。
ドキドキしながら自分の教室の前で竜田(たつた)さんを待っていると、メイド服に身を包んだ竜田さんが現れたので、心拍数が更に53万くらい上がった。
竜田さんのクラスの出し物がメイド喫茶だというのは聞いていたが、頭の中でどれだけ思い描いていたメイド姿よりも、実物は可愛かった。
自分の想像力の乏しさを、改めて実感する。
「じゃあ時間もあまりないし、早速回ろっか」
「うん」
竜田さん
と並んで歩きながら、俺はそっとポケットの中のシールの感触を確かめる。
同じ文芸部の竜田さんに片想いして早や半年。
何度もチャンスはありながらも、今まで告白できずにいたヘタレな俺だが、今日こそは決めてみせる!
そのためには、このハート型のシールが必要不可欠。
うちの高校には、代々『文化祭当日好きな人に気付かれずに、身体のどこかにハート型のシールを貼れたら両想いになれる』というジンクスがあるのだ。
毎年何組かは、このジンクスのお陰でカップルが誕生しているらしい。
だからこそ俺は何としても、今日中に竜田さんの身体にシールを貼らなければいけないのだ――!
※「なろうラジオ大賞5」の参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-22 21:02:05
1000文字
会話率:38%
IN:0pt OUT:35pt
総合ポイント:636pt 評価ポイント:582pt
子爵令嬢のエルゼは、貴族学園に通う一年生。
エルゼは学園祭の出し物として、祖父の故郷の文化である『落語』を披露し、会場を爆笑の渦に包み込んだ。
だがその直後、落語を観ていた生徒会長の公爵令息から、「おもしれー女」と言われ……!?
最終更新:2023-12-15 21:06:18
13584文字
会話率:53%
IN:0pt OUT:75pt
総合ポイント:1716pt 評価ポイント:1566pt
将春(まさはる)と加奈子(かなこ)は、チャンネル登録者数60万人超えの『マサカナチャンネル』を運営している、幼馴染の高校生配信者コンビ。
ある日、『マサカナチャンネル』の人気企画の一つ、『緊急ドッキリ企画』で将春がライブ配信中、加奈子に「実は俺、引っ越すんだ」ドッキリを仕掛けたところ、「ずっと前から好きだったのにッ!!」と号泣されて……!?
最終更新:2023-12-08 21:03:19
5983文字
会話率:73%
IN:0pt OUT:40pt
総合ポイント:2436pt 評価ポイント:2058pt
「……実は、僕はベラのことが好きになってしまったんだ」
「――!」
伯爵令嬢のエイミーは、婚約者であるヒューゴーからそう告げられた。
「私が悪いのエイミーッ!! 最初にヒューゴーを好きになったのは、私なのッ!!」
エイミーの親友であるベラも、大粒の涙を流しながらヒューゴーに追随する。
何でも二人は、趣味の乗馬の話で盛り上がっているうちに段々惹かれ合ってしまい、男女の関係になったという。
しかもベラのお腹の中には、ヒューゴーの子どもまでいるらしい。
号泣しながら
エイミーに許しを請う二人だったが、そんな二人に対してエイミーは――。
「わかったわ。二人を許します」
「「――!!」」
あっさりとそう言ったのだった――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-01 21:04:11
3722文字
会話率:49%
IN:0pt OUT:24pt
総合ポイント:10320pt 評価ポイント:9554pt
高校生男子の鴨川洋一(かもがわよういち)は、累計発行部数50万部を突破している人気ラノベ、 『防犯ブザーと伊達メガネ』の作者、『タラコ紳士』である。
だが洋一は、自分が『タラコ紳士』だということを、クラスの誰にも言えないでいた。
何故なら『防犯ブザーと伊達メガネ』のヒロインは小学五年生の女の子で、しかもそのヒロインのモデルは、クラスメイトで新人アイドル声優でもある姫島(ひめじま)さんだからだ――。
もしも密かに姫島さんを小学五年生女子のヒロインのモデルにしていることがクラスメ
イトにバレたら、ロリコンストーカー野郎のレッテルを貼られることは必至――。
だからこそ洋一は、『タラコ紳士』であることを、何としても隠し通さねばならないのだった。
――だがそんなある日、ふとしたことから、クラスメイトに洋一の正体がバレてしまい……!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-24 21:02:36
6478文字
会話率:37%
IN:0pt OUT:65pt
総合ポイント:1324pt 評価ポイント:1140pt
「マリィ・スカーレイト、ただ今をもって、貴様との婚約を破棄する!」
「――!」
多くの貴族が出席している庭園での茶会の最中。
【断滅の魔女】の二つ名を持つ稀代の魔術師マリィは、婚約者であるウォーレン王太子殿下に、突如婚約破棄されてしまう。
「自分で何言ってるかわかってんのかお前? お前とアタシの婚約は、お前の親父が決めたことだぞ? それを勝手に反故にしたら、大目玉を喰らうのはお前だけどいいの?」
「ええい、うるさいうるさいッ! 僕ももう大人だ! 自分のことくらい自分で
決める! きっと父上もわかってくださるさ!」
ウォーレンは未来の国王である自分に対する敬意が感じられないという理由で、マリィとの婚約を国王に無断で破棄したのだ。
そして今後は、聖女であるメルアと共に、真実の愛を築くと宣言する。
王太子の婚約者でなくなってしまったマリィは、最も殉職率の高い過酷な騎士団として有名な、西方騎士団に左遷されてしまう。
そこでマリィは、【金色の奸雄】の二つ名を持つ、一人の男と出会い……!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-19 20:00:00
60672文字
会話率:48%
IN:0pt OUT:87pt
総合ポイント:1058pt 評価ポイント:772pt
「ハァ……、ハァ……!」
とある放課後の帰り道。
人気のない河川敷の高架下まで来たところで、いつもの発作が起きた。
だが、ここまで酷いのは初めてだ……。
全身から脂汗が噴き出て、視界が歪む。
「うっ……があああああッ!!」
俺の上の二本の犬歯が伸び、鋭く尖った。
「クッ、クソッ!」
思わず右の拳をコンクリートの壁に打ちつける。
「…………あっ」
すると、壁が拳の形にポッカリと陥没してしまった。
ヤ、ヤバい……。
力が制御できなくなってる……。
――俺は所謂吸血鬼だ。
中世の吸血鬼狩りで大分数を減らした吸血鬼だが、現代でも僅かながらその子孫は残っている。
俺もその一人。
吸血鬼は思春期になると、今の俺のように吸血衝動が抑えられなくなって発作が起きるのだ。
とはいえ、誰かの血を吸って吸血鬼だとバレたら、人間に駆除されるのは必至。
俺は血が吸いたい本能と、吸ってはいけないという理性の間で、板挟みになっていた。
「と、虎木君!?」
「――!!」
その時だった。
聞き慣れたアニメ声がしたので振り返ると、そこにはクラス一の美少女である十文字さんが、大きな瞳を更に見開きながら立ち竦んでいた――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-03 21:14:46
9079文字
会話率:46%
IN:0pt OUT:53pt
総合ポイント:1698pt 評価ポイント:1440pt
「フェリシー、ただ今をもって、君との婚約を破棄する!」
「――!!」
ディヴリー伯爵家が主催している夜会の最中。
子爵令嬢のフェリシーは、ディヴリー家の嫡男であり、婚約者でもあるオーギュストから、唐突にそう宣言された。
「オーギュスト様、ご冗談はお控えください。ご来賓の皆様が困惑されているではありませんか」
「もちろん冗談などではないさ! 俺はやっと真実の愛を見付けたんだからな!」
「真実の愛……?」
「今日から俺は、西の魔女、ノエル様に生涯を捧げることを、ここに誓う
!」
「んふふ、イイ子ね、ぼーや」
「「「――!!」」」
その時だった。
まるで影が立体化したみたいに、オーギュストの隣に、どこからともなく一人の女が現れた。
その女は全身を漆黒のドレスで包んでおり、烏の濡れ羽色の髪に、血のように紅い瞳。
そしてその顔は、見ているだけで魂を吸い込まれそうになるほど、美しかった。
彼女こそが西の古城に住む稀代の魔女――通称『西の魔女』、ノエルだった――。
オーギュストはノエルの美貌に誘惑され、フェリシーとの婚約を破棄したのである。
権力・武力・美貌、全てにおいてノエルに及ばないフェリシーは、泣き寝入りするしかなかった……。
そして悪夢のような婚約破棄劇から数ヶ月――。
傷物になったフェリシーには、なかなか次の婚約者は見つからず、このままでは修道院にでも行くしかないかと、半ば諦めていた、その時だった。
「フェ、フェリシー! やっとお前の嫁ぎ先が決まったぞ!」
「――!」
フェリシーの父が、血相を変えて部屋に入って来た。
「……お相手はどなたですか、お父様?」
「……うむ、それがな――あの、ジャン・クストー侯爵閣下なんだ」
「――なっ」
フェリシーの新たな婚約者に立候補したのは、『化け物侯爵』の異名を持つ、ジャン・クストーだった――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-27 21:03:42
17615文字
会話率:49%
IN:0pt OUT:53pt
総合ポイント:2670pt 評価ポイント:2428pt
「じ、実は私――ずっと理駆(りく)くんのことが好きだったのッ!」
「――!」
とある放課後の校舎裏。
俺は親友である遡螺(そら)の妹の、羽御(うみ)ちゃんから告白された。
――だが俺は、これが噓告白であることを知っている。
昼休みに遡螺から、「羽御が放課後お前に噓告白するぞ」と聞かされていたのだ。
確かに羽御ちゃんはラノベの表紙に載ってるレベルの超絶美少女で、凡人の俺とは住む世界の違う人間。
羽御ちゃんが俺なんかのことを好きになるわけがないから、噓告白だというの
もさもありなんといったところだ。
とはいえ、ここで断るのも大人げない。
俺は遡螺に頼まれていた通り、騙されたフリをして羽御ちゃんの告白にOKした。
すると――。
「ほ、本当に!? ――嗚呼、夢みたい。り、理駆くん、大好きだよおおおお!!!」
「っ!?」
羽御ちゃんがガバリと俺に抱きついてきたのである。
んんんんんんんん!?
これ、本当に噓告白だよね!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-20 21:03:47
6399文字
会話率:46%
IN:0pt OUT:64pt
総合ポイント:4632pt 評価ポイント:3948pt
「どうアルフちゃん、アップルパイは美味しい?」
「はい母上! とっても美味しいです!」
「うふふ、そうよね、アルフちゃんは私の作ったアップルパイが、子どもの頃から大好きだったものね」
「はい! やっぱり母上のアップルパイが一番です!」
「……」
我がアディエルソン家の東屋で開かれている、私の婚約者であるアルフ様との茶会の席。
何故か今日もその場には、アルフ様のお母様であるヴァレニウス夫人が同席しており、そして何故かアルフ様は、私の作ったイチゴタルトではなく、ヴァレニウス
夫人が持参したアップルパイをムシャムシャと食べている。
婚約者がマザコンだという事実に今日も辟易しながらも、何とか未来の妻として、アルフ様を窘めようとする私。
……だが、ヴァレニウス夫人にはそれが気に食わなかったらしい。
「イ、イーリス、た、ただ今をもって、君との婚約を破棄するッ!」
「――!!」
その翌月に開かれた、ヴァレニウス家主催の夜会の最中。
宴もたけなわとなったところで、唐突にアルフ様が私に人差し指を向けながら、震え声でそう宣言した――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-13 21:02:21
6796文字
会話率:49%
IN:0pt OUT:0pt
総合ポイント:6020pt 評価ポイント:5576pt
俺は三度の飯より百合が好きな、生粋の百合スキーだ。
そんな俺が今一番推している百合ップルが、駅前の高校に通っているアカリちゃんとユイちゃん。
二人はいつも放課後に、駅前のシアトル系コーヒーショップのテラス席でお茶をしているので、俺もそこでキャラメルマキアートを飲みながら、二人がキャッキャウフフしている光景を眺めるのが日課になっていた。
今日も今日とてありがたく百合成分を摂取していた、その時だった――。
「おっ、アカリとユイじゃん。何してんのここで」
突如二人と同じ学校の制
服を着たのいかにもなチャラ男が、不躾に二人に声を掛けてきたかと思うと、「今から三人でデートしよう」と、とんでもないことを言い出しやがった!?
フザけんなよッ!!?
俺は百合の間に挟まる男が、宇宙一嫌いなんだよおおお!!!!
「オイ、やめろよッ! 嫌がってるだろッ!!」
気が付くと俺は、チャラ男の肩を掴んで喧嘩を売っていた。
――が、何故か俺はそのチャラ男に、異様に気に入られてしまい……!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-06 21:05:45
4143文字
会話率:37%
IN:0pt OUT:56pt
総合ポイント:1580pt 評価ポイント:1380pt
「はいアイヴァン様、あーん♡」
「あーん♡」
――!
王宮の裏庭にある東屋。
そこで公爵令嬢のルイーズは、今日も男爵令嬢のエリカとケーキの食べさせ合いっこをしている、婚約者のアイヴァン王太子殿下を見掛けた。
アイヴァンはルイーズが何度釘を刺しても、一向にエリカとの逢瀬をやめようとしない。
いい加減辟易していたルイーズだったが、その時――。
『ククク、よぉルイーズ。今日もイイ感じに、魂が濁ってるじゃねぇか』
「っ!」
頭の中に直接、嫌味ったらしい男の声が響いた
。
この声の主は、自称悪魔のベルゼ。
アイヴァンがエリカと二人で会うようになった辺りから、ルイーズの頭の中にたびたびベルゼからの声が届くようになっていたのだ。
そんなベルゼはルイーズの心の鎖を解放するために、力を貸してくれるという。
半信半疑でベルゼの話を聞いていたルイーズだっだが、試しにベルゼの言う通りアイヴァンとエリカに釘を刺したところ、物理的にも釘が刺さり……!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-29 21:09:05
4403文字
会話率:49%
IN:0pt OUT:46pt
総合ポイント:3250pt 評価ポイント:3030pt
「ねえねえ冷川(ひやかわ)くん」
「ん?」
高校のとある昼休み。
隣の席の愛内(あいうち)さんが、いつもの朗らかな笑顔を浮かべながら話し掛けてきた。
はて?
「なんだい、愛内さん」
「えへへー、冷川くんは『愛してるゲーム』って知ってる?」
「ん、ああ、あの交互に『愛してる』って言い合って、最初に照れたほうが負けってやつでしょ」
「そうそう、それー!」
愛内さんはパァッと、夏が弾けたみたいな顔になった。
ふふ、ホント愛内さんは、見てて飽きないな。
「今から試し
に、私と冷川くんで愛してるゲームやってみようよ!」
「え、俺と愛内さんで……?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-22 21:07:51
1014文字
会話率:48%
IN:0pt OUT:52pt
総合ポイント:744pt 評価ポイント:662pt
アラサー独身OLの長瀬は、ある日の仕事終わりに、憧れの上司である島田課長に食事に誘われる。
突然の僥倖に舞い上がる長瀬。
しかも食事の最中に、課長から「大事な話がある」と言われ、心臓の高鳴りは最高潮に――!
が、次の瞬間、飲酒運転で暴走したトラックが店内に突っ込んで来て、長瀬は命を落としてしまった――。
かに見えたが、その直後なんと長瀬は『学園に咲く一輪の薔薇』という乙女ゲーの悪役令嬢である、エステルに転生していたのだった。
しかも長瀬と同時に死んだ島田課長も、エステルの婚約
者であるカーティス王子に転生したことが発覚。
このままゲームの通りにシナリオが進めば、エステルの断罪エンドは避けられない。
果たして二人は、ゲームシナリオという絶対的な運命を変えることはできるのか――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-15 21:06:57
8455文字
会話率:41%
IN:0pt OUT:93pt
総合ポイント:1654pt 評価ポイント:1518pt
「やっほー、現実世界恋愛おにいちゃん、元気ー?」
「っ! 異世界恋愛ちゃん……」
ここは日本有数の小説投稿サイト『小説家になりまっしょい』――通称『まっしょい』。
そのまっしょいで俺の隣に住んでいる異世界恋愛ちゃんが、突然俺の家に入って来た。
「なんの用かな異世界恋愛ちゃん。ちょっと今は忙しいから、できれば後にしてもらいたいんだけど」
「プププー! またそうやって忙しいアピールしちゃってー。どうせ暇なクセにー」
「くっ……!」
異世界恋愛ちゃんはこれでもかというニ
ヤケ面を浮かべながら、俺を煽ってくる。
この子は本当に……!
「ねえねえところで今日の日間ランキング、現実世界恋愛おにいちゃんは見たー?」
「……ああ、見たよ」
朝昼晩と一日三回、日間ランキングが更新されるたび、欠かさずチェックはしている。
「キャハハ! 見たんだー。現実世界恋愛おにいちゃんの一位の作品、今日も日間ポイントは1000くらいだったよねー」
「……ああ、そうだね」
ここ最近の俺の日間一位は、大体いつもそれくらいだ。
「そっかそっかー。因みにアタシは何ポイントだったか知ってるー?」
「…………1万ポイントでしょ」
「キャハハハハッ!! だーいせーいかーいッ!! つまりアタシと現実世界恋愛おにいちゃんの実力差は、10倍もあるってことなんだよねー。キャハハハハ! やーい、やーい、現実世界恋愛おにいちゃんのざぁこ♡ざぁこ♡」
「――!!」
(※本作はあくまでフィクションです。実在の人物、団体などとは一切関係がございません。あらかじめご了承ください)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-08 21:01:14
2116文字
会話率:61%
IN:0pt OUT:60pt
総合ポイント:554pt 評価ポイント:520pt
「……なっ」
「あっ、お姉さま。えへへ、遂にバレちゃったか」
「よぉ、久しぶり、ナディヤ」
実の妹のロミーと、自分の婚約者であるディオンが、ベッドで睦み合っている場面を目撃してしまったナディヤ。
怒りと絶望で震えるナディヤだったが、何より問題だったのは、ロミーが国内でも筆頭の貴族、ブラウンフェルス公爵家の長男、アルベルトと婚約していることだった。
このことがブラウンフェルス家にバレたら、どうなるか……。
そのことをロミーに問い詰めると、「でも、お姉さまならなんとかしてくれると
思って」と無邪気な笑顔で返された。
ロミーは都合が悪くなると、なんでも姉であるナディヤに頼ってくる悪癖があるのだ。
あまりにも最悪な状況にめまいがするナディヤだが、事態は思わぬ方向に転がることとなる――。
なんと王命でロミーの代わりに、ナディヤがアルベルトと結婚することになったのである。
戸惑いながらも迎えた結婚初夜。
寝室に入って来たアルベルトは、真剣な表情で、こう言った――。
「俺は――最早君を愛するしかない!」
「っ!?」
※コラボ作品です。
【原案】砂臥 環
【文】間咲正樹折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-01 21:03:26
11136文字
会話率:44%
IN:0pt OUT:14pt
総合ポイント:17262pt 評価ポイント:15680pt
みなさんどうもこんにちは。
『突撃! 隣の婚約破棄』のお時間がやってまいりました。
リポーターのヨネーケです。
本日私が訪れているのは、ここ、ニャッポリート王国でございます。
いやあ、緑が豊かで、本当にいいところですねー。
それでは早速行ってみましょう。
おお、これまた随分ご立派なお屋敷ですねぇ。
さぞかし名のある貴族のお家に違いありませんよ。
おやおや、どうやらお庭でホームパーティーの真っ最中みたいですね。
ちょっと覗いてみましょうか。
「オリヴ
ィア、ただ今をもって、君との婚約を破棄する!」
「そ、そんな!?」
あー、やってるやってる。
案の定婚約破棄が繰り広げられてますよ。
すいませーん、お取込み中失礼します。
「む? なんだ貴様は。どこかで見た顔だな……」
いやー、これは恐縮です。
『突撃! 隣の婚約破棄』、リポーターのヨネーケです。
「き、貴様があの!? ええい、今は忙しいんだ! 帰ってくれ!」
まあまあそう仰らずに。
少しだけお話を伺ったら帰りますから。
「クッ、ほ、本当に少しだけだぞッ!」
へへ、ありがとうございます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-25 21:05:52
2412文字
会話率:38%
IN:0pt OUT:87pt
総合ポイント:1846pt 評価ポイント:1744pt
「香代子(かよこ)、す、好きだ! 俺と付き合ってくれ!」
中学一年生の夏休み前日。
俺は誰もいない校舎裏で、幼馴染の香代子に遂に告白した。
だが、香代子からの返事は――。
「……嬉しい。私も、隆二(りゅうじ)が好き!」
そう言いながら香代子は、俺にギュッと抱きついてきたのである。
うおおおおおおおお!!!!
よっしゃあああああああ!!!!
「その代わり、一生私の側にいてね」
「ああ、もちろんだよ」
俺は誓いを立てるように、香代子を抱きしめ返した。
今
日は人生最高の日だ――。
――だが、この幸せは長くは続かなかった。
ある日香代子と二人で横断歩道を渡っていると、居眠り運転のトラックに轢かれてしまった俺。
「い、いやあああ、隆二いいい!!!」
息ができない……。
目が霞む……。
俺、死ぬのか……。
その時だった。
眩いばかりの光が、俺の全身を包んでいった。
嗚呼、なんて心地いいんだろう……。
これが、天からの迎えってやつか……。
「おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあっ」
…………ん?
赤ちゃんの泣き声?
「おめでとうございます。元気な女の子ですよ」
「ああ、可愛い……! ふふ、まだこんなにちっちゃいんですね」
っ!?
見知らぬ美女に抱かれている俺。
誰!?!?
「おぎゃあ、おんっぎゃあ」
「ふふ、生まれたばかりなのに、本当に元気ね」
あっ、この泣き声、俺が出してるんだ……。
……どうやら俺は、今流行りの転生というものをしてしまったらしい。
――しかも女の子として。
――そして十五年の月日が流れた。
「……ハァ」
雛元真美(ひなもとまみ)としての二度目の人生。
俺は今、高校の入学式を終え、教室で担任教師の到着を待っていた。
前世では送れなかった高校生活が今日から始まるかと思うと、感慨深いものがある一方で、どうしても香代子のことを考えてしまう。
「入学おめでとうございます、みなさん」
「――!!」
その時だった。
担任教師と思われるスーツ姿の女性が、颯爽と教室に入って来た。
その顔を見た瞬間、俺は絶句した――。
「私が今日からみなさんの担任になる、沼田(ぬまた)香代子です」
それは大人の女に成長した、香代子その人だった。
えーーー!?!?!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-18 21:08:17
6201文字
会話率:36%
IN:0pt OUT:32pt
総合ポイント:1054pt 評価ポイント:832pt
「ハァ……」
クソデカ溜め息を吐きながら、今日も一人会社へと向かう。
嗚呼、また月曜日が始まってしまった……。
なんで土日ってあんなに一瞬で過ぎ去ってしまうのだろう?
平日は体感十日くらいあるのに、土日は体感十二時間だ。
絶対に悪戯好きの妖精が時空を歪めてると思う……。
「ん?」
その時だった。
突如足元に魔法陣のようなものが浮かび上がり、それは眩いばかりの光を発した――。
えっ???
「おお! 成功だ! 悪役令嬢様が我が世界に降臨なされたぞ!」
「…………は?」
光が収まると、私はRPGとかによくある神殿の中みたいな場所に立っていた。
目の前にはやたらテンションの高い、神官服を着たハゲのオッサンが歓喜している。
こ、これは――!?
「え? なんのドッキリですかこれ? 私、これから出社しなくちゃいけないんで、こういうのはご遠慮したいんですけど……」
私はハッサン(※ハゲのオッサンの略)に、おずおずと声を掛ける。
「おお、これはこれは申し遅れました。私は神官長のハッサンと申します」
奇跡が起きたわ。
「残念ながらこれはドッキリなどではございません。あなた様はこの世界の救世主となっていただくため、悪役令嬢として召喚されたのです」
「……はぁ」
つまりこれは小説とかでよくある、異世界召喚ってこと?
……いや、でも、聖女として召喚とかならまだわかるけど、悪役令嬢として召喚ってのはどういうこと???
※高取和生様主宰『眼鏡ラブ企画』参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-11 21:01:22
5397文字
会話率:39%
IN:0pt OUT:53pt
総合ポイント:2348pt 評価ポイント:2174pt
「ただいまー」
「もう! こんな時間までどこで遊んでたのよ晴太(せいた)くん! どうせまた友達の家でゲームばっかしてたんでしょ!」
「っ!?」
家に帰るなり開口一番、義妹の結愛(ゆあ)がいつも通りプリプリしながら文句を言ってきた。
完全に図星なのでなんと言っていいかわからず、「アハハハ」と乾いた笑いで誤魔化すことしかできない。
「もう! 来年は受験なんだから、浪人しても私は知らないからねッ!」
「わ、わかったよ。今から勉強するって」
「フンッ!」
頬をプクーと膨ら
ませながら、ドタドタと自室に戻って行く結愛。
父親の再婚で結愛が義妹になって早や半年。
何故か家族になった当初から、結愛は俺にだけは常にあんな態度を取っており、俺は未だに結愛との接し方に四苦八苦していた。
俺の帰りが毎日遅いのも、家で結愛と顔を合わせるのが気まずいからなのだが、そんなこととても本人には言えないしなぁ……。
どうしたものか。
「うふふ、晴太くん、ちょっと今いいかしら?」
「え? あ、はい」
その時だった。
義母の雪子(ゆきこ)さんが、いつものミステリアスな笑みを浮かべながら声を掛けてきた。
「ごめんなさいね、いつも結愛が失礼な態度を取って」
「あ、いや、その……」
これまたなんと言っていいかわからず、目を泳がせる。
「でもね、あの子も本当は素直ないい子なのよ」
「あ、はぁ……」
「その証拠を今から見せるわね」
「……は?」
証拠?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-04 21:03:01
5013文字
会話率:48%
IN:0pt OUT:80pt
総合ポイント:1298pt 評価ポイント:1120pt
「シンシア、ただ今をもって、君との婚約を破棄する!」
「――!」
国中の貴族が集う華やかな夜会の最中。
公爵令嬢のシンシアは、婚約者のセドリック王太子殿下から、唐突に婚約破棄されてしまう。
セドリックはシンシアが男爵令嬢のブレンダを階段から突き落としたことを理由に、婚約を破棄してきたのだ。
だがそれはまったくの濡れ衣。
自分は無実だと弁解するシンシアだったが、セドリックは一切聞く耳を持ってくれない。
途方に暮れて一人会場を後にするシンシア。
するとそこに――。
「ウェーイ、どしたん彼女? 元気ないじゃん」
「っ!」
胸元をザックリ開け、身体中にジャラジャラと装飾品をつけた、いかにも軽薄そうな男が声を掛けてきた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-28 21:01:26
5907文字
会話率:52%
IN:0pt OUT:64pt
総合ポイント:7874pt 評価ポイント:7302pt
「ねえねえ宍倉(ししくら)くん! 実は折り入ってお願いがあるんですけど!」
「え?」
とある放課後。
帰り支度をしていると、隣の席の根古田(ねこた)さんから、唐突に声を掛けられた。
根古田さんは、道端で捕まえたカエルを親に見せつける子どもみたいな、無邪気な笑顔を浮かべている。
嗚呼、経験上こういう時の根古田さんは、大抵ろくなことを言わない。
俺は若干身構えつつも、「何かな? 内容によるけど」と慎重に聞き返した。
すると――。
「はい! 宍倉くんには、私のストー
カーになってもらいたいんです!」
「――!?」
そ……ッッ、そうきたかァ~~~ッッッ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-21 21:04:33
4963文字
会話率:48%
IN:0pt OUT:69pt
総合ポイント:1674pt 評価ポイント:1458pt
「あぁ! お姉様ズルいッ!」
妹のメリアは、そう言っていつも私から何でも奪っていく。
ルビーのネックレスも、オパールのブレスレットも、蝶をモチーフにしたピアスも、ダイヤモンドの指輪も、お父様から私にプレゼントされたそれらは、一つ残らず全部メリアに奪われた。
――そんなある日、私宛に届いた、名門バッツドルフ公爵家の嫡男、カスパル様からの釣書を見たメリアが、また「お姉様ズルいッ!」と言い出し……。
最終更新:2023-07-14 21:00:00
3835文字
会話率:46%
IN:0pt OUT:51pt
総合ポイント:13150pt 評価ポイント:12168pt
俺と四方子(よもこ)さんは商店街にあるゲーセンの常連同士で、毎週日曜日の午後は一緒にメダルゲームで遊んでいる、親友とも呼べる間柄だ。
だが、何故かいつも四方子さんはサングラスとマスクをしており、素顔を見たことは一度もなかった。
ただ、四方子さんは明日から俺が入学する高校の一個上の先輩だということは聞いていたので、俺は密かに高校生活を楽しみにしていた。
――そして迎えた入学初日。
放課後に校舎を出たところで黒山の人だかりが出来ていたので何事かと窺うと、一人の女性をドーナツ状に大
勢の男女が取り囲んでいた。
みんな思い思いに「綺麗~」だとか「女神だ……」とか呟きながら、恍惚とした表情を浮かべている。
まるでちょっとした宗教画みたいな光景だ。
だが、中心にいる女性の顔を見て、腑に落ちた。
――その顔が、まさに宗教画の女神様並みに美しかったからだ。
サラサラの長い黒髪に、吸い込まれそうなほど輝く大きな瞳。
神が生み出したとしか思えない芸術品が、そこには存在していた。
そりゃみんなあんな風になるわな……。
「あっ! オォイ晴臣(はるおみ)! やっと見付けた、探したぜ!」
「「「――!?」」」
その時だった。
女神様が俺と目が合うなり、そう叫んだのだ。
こ、この声は――!?
「アッハッハ、なかなかブレザーも似合うじゃねーか、晴臣!」
「……四方子さん」
それは他でもない、四方子さんその人だったのである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-07 21:06:46
6464文字
会話率:47%
IN:0pt OUT:0pt
総合ポイント:4666pt 評価ポイント:3960pt
公爵令嬢のコーメ・チュターツは、軍師である父に憧れ、いつか自分も軍師として国を支えることを夢見ていた。
だがそんなある日――。
「コーメ・チュターツ、ただ今をもって、貴様との婚約を破棄する!」
「――!」
婚約者であり皇帝でもあるソウソに、夜会の最中に突如婚約破棄されてしまうコーメ。
ソウソはコーメが男爵令嬢のシーベを階段から突き落としたことを理由に、婚約を破棄してきたのだ。
――だがそれはシーベの仕組んだ冤罪。
コーメがどれだけ弁解しても、すっかりシーベに骨
抜きにされているソウソには、聞く耳すら持ってもらえなかった。
無実の罪で国外に追放され、途方に暮れるコーメ。
――だがそこで、一人の美丈夫に出逢い……!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-30 21:00:00
15313文字
会話率:48%
IN:0pt OUT:37pt
総合ポイント:2832pt 評価ポイント:2304pt
「透果(とうか)、俺は……お前が大好きだッ!!!」
多くの生徒が登校している真っ最中の朝の校舎前。
今日も俺は幼馴染の透果に、全身全霊で俺の真っ直ぐな気持ちを伝えた。
嗚呼、今日の透果も何て可愛いんだろう……。
銀河を散りばめたかのような輝く大きな瞳。
最高級の絹糸もかくやというほど艶のある黒髪。
常に後光が射しているようにさえ見える神々しい笑顔。
更に容姿だけでなく性格も完璧で、誰に対しても優しく趣味は何とボランティア活動!
こんなパーフェクト美少女、惚れ
ない男がいるだろうか? いや、いない!(反語)
……だが、そんな透果からの返事は、今日も――。
「ありがとう勝琉(まさる)。私も勝琉が大好きだよ」
「――!」
透果は天使のような笑顔で、そう言った――。
……くっ!
「うおおおおおおおお!!!!!」
いたたまれなくなった俺は、透果をその場に残し一人校舎の中に逃げた。
嘘だッ!
透果みたいなパーフェクト美少女が、俺みたいなモブ男を好きなわけないだろう……!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-23 21:02:29
4257文字
会話率:48%
IN:0pt OUT:24pt
総合ポイント:1576pt 評価ポイント:1348pt
セリアは卒業を間近に控えた貴族学園に通う公爵令嬢。
卒業と共に婚約者であり、王太子殿下でもあるアーロンとの結婚が決まっており、日々胸をときめかせていた。
そんなある日の昼休み。
アーロンと食堂に向かっていると、男爵令嬢のカルメンに声を掛けられた。
「セリア様! アーロン様! こんにちは!」
「やあカルメン、こんにちは」
「こ、こんにちは、カルメンさん」
「はわぁ! 今日のセリア様も、とってもお美しいですぅ!」
「そ、そうかしら……。ありがとう……」
「フフ、そうだろ
う、僕のセリアは世界一可愛いからね」
「で、殿下!?」
アーロンがセリアの肩をグイと抱きながら、ドヤ顔で胸を張る。
「ええ! ええ! もちろんですとも! ――実を言うと前から私、お二人のことが推しカプだったんです!」
「――!」
「おや、それは嬉しいね」
「はい! ですから今後も、是非お二人のイチャラブを私に見せてくださいね!」
「フフ、いいとも」
一瞬で打ち解けた二人を見ていたら、セリアの中にとある想像が浮かんでしまった――。
『アーロン様、私、もっとセリア様のこと知りたいです!』
↓
『フフ、いいよ。じゃあ今度、僕の部屋で秘蔵のセリアコレクションを見せてあげよう』
↓
『わあ! いいんですかぁ!』
↓
そして数日後――。
↓
『ほら、これが八歳の時のセリアの写真だよ』
↓
『きゃあ~! 可愛い~!』
↓
『そしてこれが貴族学園の入学式の時』
↓
『はうう~! これはもう天使ですよ~! ――あっ』
↓
偶然手と手が触れ合う二人。
↓
『ゴ、ゴメンなさい! 私ったら……』
↓
『いや、いいんだ。――どうか君のことも、僕によく教えてくれないだろうか』
↓
『ア、アーロン様……』
↓
禁断の関係とはわかっていながらも、互いの若いリビドーには勝てなかった二人……。
↓
そして迎えた貴族学園の卒業式当日――。
↓
『セリア、ただ今をもって、君との婚約を破棄する!』
「イヤアアアアアアア!!!!」
「セリア!?」
「セリア様!?」
あまりの最悪の未来に脳が焼かれたセリアは、その場で意識を失った――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-16 21:03:53
3677文字
会話率:62%
IN:0pt OUT:82pt
総合ポイント:990pt 評価ポイント:916pt
「ゴメンね、松永くんみたいなデブのキモオタは、タイプじゃないから」
「…………え」
勇気を振り絞って片想いをしている吉岡さんに告白した俺。
が、吉岡さんの口から放たれた返事は、何とも残酷なものであった。
あまりのショックに河川敷で一人号泣していると――。
「アレ? 松永じゃん。どしたん、そんな泣いてさ?」
「――!!」
クラスメイトでギャルの木津根さんに声を掛けられた。
これは……、ラノベでよくある、『オタクに優しいギャル』というやつか……!?
俺は藁にも縋
る思いで、先程吉岡さんにされた仕打ちを話した。
――が、
「なるほどね。それは松永が悪いよ」
「っ!!?」
木津根さんからの第一声は、オタクに優しいギャルとは真逆のものであった。
「な、何で……」
「何でって。松永がデブのキモオタなのは事実じゃん」
「……!!」
「でも大丈夫。人間は努力次第で、誰でも特別になれるからさ! アタシが松永のことを、一人前の男に鍛えてやるよ!」
「は?」
――こうして俺の、オタクに厳しいギャルにシゴかれる日々が幕を開けた。
※柴野いずみ様主宰『ざまぁ企画』参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-09 21:08:20
9464文字
会話率:49%
IN:0pt OUT:21pt
総合ポイント:3212pt 評価ポイント:2832pt
私は貴族学園内でクラスメイトのフランツ様に、淡い恋心を抱いている。
だがヘタレな私は、告白する勇気を出せないまま毎日を過ごしていた。
――そんなある日、放課後学園を出たところで、フランツ様にそっくりな大人の男性に声を掛けられる私。
その男性は、未来から来たフランツ様で、私の旦那様だと言い出し……!?
最終更新:2023-06-02 21:09:30
6772文字
会話率:44%
IN:0pt OUT:22pt
総合ポイント:2898pt 評価ポイント:2660pt
「千夏、ただ今をもって、お前との婚約を破棄する!」
「――!!」
アラサーOLである千夏は、会社の創立30周年パーティーの最中に、婚約者であり会社の御曹司でもある恭司から、婚約破棄宣言を受けてしまう。
恭司は千夏を捨て、新入社員である美鈴と婚約するというのだ。
全社員の前で婚約を破棄され、絶望に打ちひしがれる千夏。
だが、そんな千夏の前に、ライバル企業の若手社長であり、幼馴染でもある雄介が現れ――。
最終更新:2023-05-26 21:29:28
7697文字
会話率:44%
IN:0pt OUT:29pt
総合ポイント:1426pt 評価ポイント:1254pt
ここはテレア王国の執務室。
執務官のワッカとサワは、とある人物を待っていた。
「なあサワ、今日来る王太子ってどこの誰だっけ?」
「もう、ワッカは本当に忘れっぽいわね。ニャッポリート王国のダスティン王太子殿下よ」
「ああ、そうだったそうだった。いやあ、どんな話を聞けるのかな。楽しみだ。――ん?」
その時だった。
コンコンというノックと共に、執務室に一人の若い男性が入って来た。
「どうも、ダスティンと申します。本日はよろしくお願いします」
「ああ、これはこれはこちら
こそ。どうぞよろしくお願いします」
「よろしくお願いいたします」
お互い軽く挨拶を済ませると、前方にある教壇に立ったダスティン。
「それでは早速ではありますが、僕がどんなしくじりをしてしまったのかを、授業していきたいと思います」
そう、これはワッカとサワが業務の一環で始めたことで、各国のしくじってしまった王太子から話を聞き、それを反面教師として国の運営に活かそうというものなのである。
「まずは簡単に僕の経歴を説明させていただきます。教科書の1ページ目を開いてください」
「「はい」」
二人がダスティンお手製の教科書を開くと、天使のような笑顔を浮かべた、可愛らしい赤ちゃんの写真が載っていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-19 21:11:14
3624文字
会話率:78%
IN:0pt OUT:12pt
総合ポイント:1738pt 評価ポイント:1600pt
俺は生まれてこの方、人のために泣くという経験をしたことがない。
テレビを観ていて、事故で何人もの人が死んだなんてニュースが流れてきても、気の毒だなくらいには思うけど、悲しいという感情はまったく湧いてこない。
だって俺とは関係ないからだ。
この世界では、毎日数え切れないくらいの命が失われている。
その命一つ一つに同情していては、とてもじゃないが身が持たないだろう?
だから俺は、一度も募金とかもしたことはない。
俺は誰にも同情はしないし、誰のことも助けない。
―
―そうやって高校生まで生きてきた俺だったが、ある日の放課後の帰り道。
隣のクラスの有名な美少女が、一人で号泣しているのを目にし……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-12 21:13:08
10020文字
会話率:39%
IN:0pt OUT:97pt
総合ポイント:716pt 評価ポイント:630pt
検索結果:237 件