古村乃愛(こむらのあ)は、みんなの人気者。
水泳部のエースにして生徒会長。頭脳明晰で朗らかな性格、そして黒髪ロングの艶やかな髪に端正な顔立ち。
誰もが認める憧れの的、それが彼女。
新倉友一(にいくらゆういち)は、影の薄い人。
部活にも委員会にも所属せず、成績もそこそこ。基本的に無口で、伸ばした前髪が黒縁の眼鏡にかかっていて顔が隠れている。
誰もが認める無個性な人、それが彼。
恐らく全生徒が信じられないであろう。最も羨望されているであろう彼女と、最も頓着されていない彼が、古
ぼけたアパートの一室で一緒に暮らしているだなんて。
無論そんなことバレないように、2人はうまくやり繰りをしてきたのだけれど……
【「AでもBでもない」関係が、私達の真実なのだから】
そう達観する2人の日常が、徐々に徐々にと動き始める……
どうしてこんな奇妙な関係になったのか
2人はどこへ向かっていくのか
【名前のない関係に、名前をつける】
そんな戦いの日々を綴った青春小説です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-22 23:43:19
412217文字
会話率:60%
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