ある日なんの前触れもなく見知らぬ異世界に迷い込んだ男は名前を失い、老いを知らない体になっていた。不死である可能性すらあるその呪いに等しい贈り物は彼自身の多くを変質させてしまう。
自分の中の何かが囁くままに見つけられる可能性が絶望的な、元いた場所へ戻る方法を探しに旅を繰り返す。
新たなフールという名をその身に宿して。
これは彼が、何百、何千、何億と永い永い時を生きた中での刹那の記録。
彼が出会い、知り、そして別れた人々とのそれらを綴った異世界旅行録である。
最終更新:2015-12-23 05:09:02
80389文字
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